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新しい職場
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「さて、挨拶も済んだから海里は仕事に戻りなさい」
「えっ、今来たばかりだよ。それに、俺が会社の中を案内しようと思ったんだけど」
「あんたまで……。案内は緑ちゃんに頼むから大丈夫。海里は自分の仕事をしなさい」
社長はため息をつく。
あれ、何かデジャブ……。
「せっかく仲良く話をしながら案内しようと思ったのに残念。じゃあ、美桜ちゃん。明日からよろしくね」
硬派な顔には似合わず、副社長はウィンクをして社長室から出て行った。
「騒がしくてごめんなさいね。海里は哲平の五歳上なんだけど、落ち着きがなくて困ってるのよ。見た目は真面目そうなのに中身はあんな感じだから副社長としての威厳が少し欠けてるのよね」
社長は苦笑いする。
副社長はテツの五歳年上ということは、二十九歳ってことだよね。
確かに見た目に反して軽めというかなんというか……。
でも、間違いなくモテるタイプだ。
「さて、気を取り直して緑ちゃんに社内を案内してもらいましょう」
社長はポンと手を叩き立ち上がる。
私もそれにならい立ち上がって後をついて行く。
「緑ちゃん、美桜さんに社内を案内しながら今いる社員の紹介をしてあげて。正式な挨拶は明日の朝礼の時にする予定だから。引き継ぎも明日からお願いね」
「分かりました。じゃあ、行きましょう」
竹之内さんはゆっくりと椅子から立ち上がった。
私は後ろを歩いていたら竹之内さんが振り返った。
「ねぇ、私も美桜ちゃんと呼んでもいいかしら?」
唐突に言われ面喰う。
この会社はアットホームな雰囲気でみんなが仲良さそうな感じがする。
社長が素敵な人だからなのかもしれない。
「はい、もちろんです」
つい力んで返事をしたら、竹之内さんがクスクス笑う。
「私のことも緑って呼んでね」
人懐こい笑顔で言われ、可愛いと思ってしまった。
緑さんの年齢は私より五歳年上で、副社長と同い年だった。
栗色のショートボブで、二重の大きな瞳で見つめられたら吸い込まれそうなぐらいだ。
そんな緑さんから案内をしながら会社の説明もしてもらった。
『水上テザイン事務所』は、建物のデザインから企業のホームページの作成、商品のパッケージなど幅広く手掛けている。
社員は二十人弱の会社だけど、大きな商業施設を手掛けてから業界内でも注目されているとのことだ。
中でも副社長の空間デザイナーとしてのセンスは抜群らしい。
見た目は硬派、性格はチャラい……もとい柔らかいけど、仕事をさせるとピカイチ。
副社長は不思議な魅力を持つ人なんだなということが緑さんの話を聞いて分かった。
「えっ、今来たばかりだよ。それに、俺が会社の中を案内しようと思ったんだけど」
「あんたまで……。案内は緑ちゃんに頼むから大丈夫。海里は自分の仕事をしなさい」
社長はため息をつく。
あれ、何かデジャブ……。
「せっかく仲良く話をしながら案内しようと思ったのに残念。じゃあ、美桜ちゃん。明日からよろしくね」
硬派な顔には似合わず、副社長はウィンクをして社長室から出て行った。
「騒がしくてごめんなさいね。海里は哲平の五歳上なんだけど、落ち着きがなくて困ってるのよ。見た目は真面目そうなのに中身はあんな感じだから副社長としての威厳が少し欠けてるのよね」
社長は苦笑いする。
副社長はテツの五歳年上ということは、二十九歳ってことだよね。
確かに見た目に反して軽めというかなんというか……。
でも、間違いなくモテるタイプだ。
「さて、気を取り直して緑ちゃんに社内を案内してもらいましょう」
社長はポンと手を叩き立ち上がる。
私もそれにならい立ち上がって後をついて行く。
「緑ちゃん、美桜さんに社内を案内しながら今いる社員の紹介をしてあげて。正式な挨拶は明日の朝礼の時にする予定だから。引き継ぎも明日からお願いね」
「分かりました。じゃあ、行きましょう」
竹之内さんはゆっくりと椅子から立ち上がった。
私は後ろを歩いていたら竹之内さんが振り返った。
「ねぇ、私も美桜ちゃんと呼んでもいいかしら?」
唐突に言われ面喰う。
この会社はアットホームな雰囲気でみんなが仲良さそうな感じがする。
社長が素敵な人だからなのかもしれない。
「はい、もちろんです」
つい力んで返事をしたら、竹之内さんがクスクス笑う。
「私のことも緑って呼んでね」
人懐こい笑顔で言われ、可愛いと思ってしまった。
緑さんの年齢は私より五歳年上で、副社長と同い年だった。
栗色のショートボブで、二重の大きな瞳で見つめられたら吸い込まれそうなぐらいだ。
そんな緑さんから案内をしながら会社の説明もしてもらった。
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見た目は硬派、性格はチャラい……もとい柔らかいけど、仕事をさせるとピカイチ。
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