雫物語~鳳凰戦型~

神と呼ばれる者達は、遥か昔、水星に住んでいた。

太陽の肥大化によって大地は灼熱地獄と化し、住む場所は限定されていく。

そんな時、宇宙から救いの手が差し述べられる。

新たなる大地……地球への移住を条件に、水星の人々は体内で神器を造る実験体となる事を約束させられた。

体内で精製された神器は、その者を殺さなければ取り出す事が出来ない。

宇宙人に神器を搾取され続ける日々……耐え兼ねた人々は反旗を翻し、ついに地球に残された宇宙人を全滅する事に成功する。

そして、長い年月が過ぎ……自らを神と名乗る水星人は、いずれやって来る宇宙人の反撃に対し、宇宙人の記憶を持って生まれてくるヨトゥンと呼ばれる者達の命を使って外壁を造り、世界を隔てたもう一つの世界を造る。

更に長い年月が過ぎ……そんな神々の行動に異を唱える者が現れた。

未来の為に今を犠牲にし、宇宙人に対抗する為の地盤を作ろうとするロキ。

一人一人の命を大切にしたい光の神バルドル……

バルドルの存在を邪魔に感じたロキは、その命を奪う。

しかしバルドルを慕う多くの人々の手によって、人として生まれ変わる。

その身体に、ヨトゥンの血を宿して……

再び激突するロキとバルドル!

その戦いは、バルドルが心を失う事で決着した。

それでも……心を失っても、バルドルを慕う者は後を絶たない。

心や記憶を失ったバルドルは、魔導師マーリンによってアーサーという名を与えられて、聖凰騎士団の団長となる。

その聖凰騎士団は、何故か人間の暮らす町に襲いかかった。

バルドルが人間に生まれ変わった後、義理の兄として共に生活していた義兄である航太は、人間に牙を剥く義弟を救うべきか戦うべきか悩む。

そんな中、航太が身を寄せるベルヘイム王国は、聖凰騎士団討伐軍を編成し始める。

人間の脅威になりつつある聖凰騎士団は、倒さなくてはいけない相手だと認識されていく。

だが……ベルヘイム王国に、もう一つの脅威……

ロキやクロウ・クルワッハの指揮するヨトゥン軍が、ベルヘイム王都に迫りつつあった……

赤き瞳が輝く時、世界が滅びる……

鳳凰の翼が羽ばたく時、世界は救われる……

命と世界……

人と神と化け者……

何を守り、何の為に戦うのか?

何が正義で、何が悪なのか?

未来を紡ぐ為の戦いの扉が開かれる……


雫物語~Myth of The Wind~の続編になりますが、鳳凰戦型からでもストーリーが分かるように書いていきたいと思っています。

また、年表や補足資料なども随時更新していこうと思っていますので、そちらも合わせて見て頂けると嬉しいです。

そして、希野ほたる様に聖凰騎士団の魔法使い、ルナ・ハートリィを書いて頂きました!

キャラクターのイメージとして想像しながら読んでもらえると嬉しいです!

よろしくお願いします!
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