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血に染まる白き冠
バロールとの戦い5
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「馬鹿な奴らよのぅ!!全員、魔眼の餌食にしてやろぅ」
バロールが魔眼で、木の陰から飛び出したゼーク達を視界に捉えた…………かに見えた瞬間、水の壁が現れた。
「さすが智ちゃん!!ナイスタイミング!!ちょっとヤバかったねー」
バロールの身体の向き、そして気配を察し、智美が咄嗟に水の壁を作り出す。
「絵美!!不用意に飛び出さないでよ!!ゼークも、もう少し考えて飛び出して…………」
「智美なら、状況に応じて対応してくれると思ってたのよ!!やっぱり、私の考えはあってたわ!!」
ゼークは迫って来たヨトゥン兵を斬り、更に智美に近付いて来た敵も一刀両断にする。
呆れる顔をしながら、水の壁でバロールの魔眼の視線を遮る智美の頭を、横に来た絵美がポンポンと叩く。
「ほらぁ、皆に信頼されてるなんて羨ましいなー。ゼークは、私の事も信頼してくれてるのかしら…………ねっ!!」
ねっ!!と力を込めた声を出し、絵美は天沼矛を振る。
天沼矛の軌道に沿って、鋭い水の刃が発生し、ヨトゥンの身体を斬り払う。
「絵美の事も、もちろん信頼してるわよー。それに、テューネもね」
自分の身体より大きいデュランダルを振り回し、テューネは智美の作り出している水の壁の近くで戦っていた。
水の壁が崩れたら、次は自分の皇の目で魔眼を防ぐ…………そんな気持ちが伝わってくる。
「なかなか……………やるのぅ。だが、所詮は人間にしては…………だのぅ。魔眼を2つにしたら、その程度の壁など簡単に崩せるからのぅ」
バロールは3つある内の、2つ目の魔眼もゼーク隊の方に向けようとした。
そこに、30本の槍が襲いかかる!
「ちぃっ!!」
30本に分離したゲイボルグを間一髪で避けたバロールは、全ての魔眼をフレイに向けた。
そうしなければ自分がやられる…………そんな危機感が、バロールを支配したからである。
フレイは1本に戻ったゲイボルグを掴み、バロールを睨む。
「オレから視線を外さない方がいいぞ!!死にたいなら別だが……………」
そう言うフレイも、実際には余裕は無い。
魔眼の力の影響で、本来の力の半分も出ないのだ。
戦わせたら神の世界でも最強と謳われるフレイだが、そのフレイが余裕の無い戦いを余儀なくされている。
神の力ですら、視界に捉えるだけで半分以下にする魔眼……………
人間が見られただけで死んでしまうのは、ある意味当然だ。
更に魔眼には、火・水・風・土を操る力がある。
元々4つあった魔眼は、7国の騎士達に3つ目にされた………しかし、魔眼が1つ無くなったとしても、バロールは非常に危険な存在だ。
バロールにとっても、フレイは難敵である。
はるか昔に起きた神同士の戦い…………アース神族とヴァン神族の戦いで、ヴァン神族は3人しか生き残れなかった。
その内の1人がフレイであり、しかも他の2人、父と妹はフレイが守ったという伝説が残っている。
そんな2人が対峙する空間は、空気がピリピリしており、何人たりとも入り込めない雰囲気を醸し出す。
ゼーク達が周りのヨトゥン兵と戦っているが、その喧騒も2人には入って来ない。
(あの2人………次元が違い過ぎない??とても間に入れない………てか、あれで本当に王子様なの??王子っていったら、こう…………もっと優男的な…………)
考え事をしながらでもヨトゥン兵を尽く倒す絵美ですら、2人に近付く事が躊躇われる。
お互いに隙の無い両者の戦いは、長引くかに思われた。
しかし、そんな予想を裏切りバロールが動く!!
フレイを捉えていた魔眼が青白く光り、今までの戦いとは違う力を見せようとしていた……………
バロールが魔眼で、木の陰から飛び出したゼーク達を視界に捉えた…………かに見えた瞬間、水の壁が現れた。
「さすが智ちゃん!!ナイスタイミング!!ちょっとヤバかったねー」
バロールの身体の向き、そして気配を察し、智美が咄嗟に水の壁を作り出す。
「絵美!!不用意に飛び出さないでよ!!ゼークも、もう少し考えて飛び出して…………」
「智美なら、状況に応じて対応してくれると思ってたのよ!!やっぱり、私の考えはあってたわ!!」
ゼークは迫って来たヨトゥン兵を斬り、更に智美に近付いて来た敵も一刀両断にする。
呆れる顔をしながら、水の壁でバロールの魔眼の視線を遮る智美の頭を、横に来た絵美がポンポンと叩く。
「ほらぁ、皆に信頼されてるなんて羨ましいなー。ゼークは、私の事も信頼してくれてるのかしら…………ねっ!!」
ねっ!!と力を込めた声を出し、絵美は天沼矛を振る。
天沼矛の軌道に沿って、鋭い水の刃が発生し、ヨトゥンの身体を斬り払う。
「絵美の事も、もちろん信頼してるわよー。それに、テューネもね」
自分の身体より大きいデュランダルを振り回し、テューネは智美の作り出している水の壁の近くで戦っていた。
水の壁が崩れたら、次は自分の皇の目で魔眼を防ぐ…………そんな気持ちが伝わってくる。
「なかなか……………やるのぅ。だが、所詮は人間にしては…………だのぅ。魔眼を2つにしたら、その程度の壁など簡単に崩せるからのぅ」
バロールは3つある内の、2つ目の魔眼もゼーク隊の方に向けようとした。
そこに、30本の槍が襲いかかる!
「ちぃっ!!」
30本に分離したゲイボルグを間一髪で避けたバロールは、全ての魔眼をフレイに向けた。
そうしなければ自分がやられる…………そんな危機感が、バロールを支配したからである。
フレイは1本に戻ったゲイボルグを掴み、バロールを睨む。
「オレから視線を外さない方がいいぞ!!死にたいなら別だが……………」
そう言うフレイも、実際には余裕は無い。
魔眼の力の影響で、本来の力の半分も出ないのだ。
戦わせたら神の世界でも最強と謳われるフレイだが、そのフレイが余裕の無い戦いを余儀なくされている。
神の力ですら、視界に捉えるだけで半分以下にする魔眼……………
人間が見られただけで死んでしまうのは、ある意味当然だ。
更に魔眼には、火・水・風・土を操る力がある。
元々4つあった魔眼は、7国の騎士達に3つ目にされた………しかし、魔眼が1つ無くなったとしても、バロールは非常に危険な存在だ。
バロールにとっても、フレイは難敵である。
はるか昔に起きた神同士の戦い…………アース神族とヴァン神族の戦いで、ヴァン神族は3人しか生き残れなかった。
その内の1人がフレイであり、しかも他の2人、父と妹はフレイが守ったという伝説が残っている。
そんな2人が対峙する空間は、空気がピリピリしており、何人たりとも入り込めない雰囲気を醸し出す。
ゼーク達が周りのヨトゥン兵と戦っているが、その喧騒も2人には入って来ない。
(あの2人………次元が違い過ぎない??とても間に入れない………てか、あれで本当に王子様なの??王子っていったら、こう…………もっと優男的な…………)
考え事をしながらでもヨトゥン兵を尽く倒す絵美ですら、2人に近付く事が躊躇われる。
お互いに隙の無い両者の戦いは、長引くかに思われた。
しかし、そんな予想を裏切りバロールが動く!!
フレイを捉えていた魔眼が青白く光り、今までの戦いとは違う力を見せようとしていた……………
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