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紅の剣士と恐怖の剣
悲しき裏切り
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「こんな綺麗な物、本当に貰っちゃっていいの?」
エストは吸い込まれそうに赤い綺麗な石のペンダントを大事そうに手に持ち、ガイエンに聞いた。
「うん。母さんに貰ったんだけど、2個あるんだ。だから、1つやるよ」
ガイエンはエストがペンダントを気に入ってくれている事に内心はとても嬉しかったが、気付かれるのが恥ずかしくて少しぶっきらぼうな物言いになる。
「ありがとう♪とても嬉しい!ティアにも後で見せてあげよ!」
エストはペンダントを首からかけ、本当に嬉しそうに微笑んだ。
「うん。ティアも早く良くなるといいね。親父も心配してたよ」
「ティア…」
少し悲しそうな…不安そうな表情になるエストを見て、ガイエンも悲しくなる。
(そういえば、ティアの事で今日エスト親父さんとウチの親父が話し合いするって言ってたな…ひょっとしたら、ティアは病気じゃないかもって言ってたけど…親父なら、なんとかしてくれるよな!)
赤毛の少年、ガイエンは自分の父の事を誇りに思っていた。
父【ゲイン・ドーマ】は、その村一の剣士である。
ヨトゥン軍の進軍に対し先頭に立って村を守る姿は、戦争初期に神剣を持ってヨトゥン軍の将軍達に互角の戦いを演じた伝説の【7国の騎士】に勝るとも劣らないと称される程だった。
ゲインの活躍でなかなか村を落とせないヨトゥン軍は、ヨトゥン軍随一の力の持ち主、クロウ・クルワッハに村の攻略を托す。
戦略家であったクロウ・クルワッハは、村の剣士の娘を人質にとった。
娘の名は【ティア・ファンライト】
ガイエンの幼なじみの【エスト・ファンライト】の妹である。
娘を人質にとれた剣士【クレイサー・ファンライト】は、やむを得ずクロウ・クルワッハに協力する事になる。
クレイサーとクロウ・クルワッハは、上級神聖魔法である【心言】で会話をしていた。
【心言】は契約を交わした者が、特殊な言葉を数秒詠唱すれば、契約した者同士が心の中で会話出来るという魔法だ。
これにより、クレイサーは誰にも気付かれずにクロウ・クルワッハに協力出来ていた。
………いや、一人だけ気付いてしまった者がいた。
ゲインである。
ゲインは村外れの森の中にクレイサーを連れだし、問い詰める。
これが悲劇の始まりだった……
「ゲイン……こんな所に呼び出して何の用だ??」
クレイサーは怪訝そうな顔をする。
「最近のお前は、何かおかしいぞ。仲間を避けているように見えるし……」
「なに、気のせいさ。娘のティアが病気で家を出れないからな……それを気にしながら生活してるから、少しおかしく見えるんだろ」
ゲインの問いに、クレイサーは面倒臭そうに話す。
この話を早く切り上げたいように、ゲインは感じた。
ゲインは何かある事を感じとり、疑問に思っている事をクレイサーにぶつけた。
「ティアちゃんが病気と言うが【ノディス】先生はティアちゃんは受診に来てないと言っていた。村唯一の医者がティアちゃんを診てないと言っている」
ゲインはそこまで話して、クレイサーを見る。
が、クレイサーは口を閉じたままである。
ゲインは話を続けた。
「ティアちゃんがいなくなったと同時に、ヨトゥン軍は我が軍の布陣が分かってるかのような攻撃をしてくるようになった……密偵がいるはずなんだ」
「俺が密偵だと言うのか??馬鹿らしい……もう行くぞ」
クレイサーは後ろを向いて、その場を去ろうとする。
「まて、密偵でないと言うならティアちゃんに一目会わせてくれ!!俺だって、共に戦っているお前を疑いたくなんかないさ!!」
クレイサーは再びゲインの方を向く。
「感染型の病気だ。会わせられる訳がない」
その時、茂みの奥からヨトゥン兵が顔を出した。
「…………………っ!!」
ゲインが剣を抜く!
ヨトゥン兵も剣を抜き、クレイサーに向かってこう言った。
「ここでゲインを討って、ゲインを裏切り者に仕立てるぞ。そうすれば娘は返してやるぞ」
その言葉にクレイサーは頷き、ゲインに対し剣を向ける。
「クレイサー!!正気か!いつから裏切ってた!!」
「ティアを人質に取られている!仕方ないんだ!」
クレイサーがゲインに向けて剣を振る!
しかし、実力が違いすぎる。
簡単にゲインに弾かれる。
「お前の裏切りで、何人の仲間が犠牲になったと思ってる!何故1人で抱え込んだ!!」
ゲインが叫ぶ。
「言ったら何か変わったのか?ティアが殺されて終わりだ。お前だって、ガイエンを人質にとられれば同じ事をしてたさ!!」
クレイサーは再び剣を振る。
「もはや何言っても無駄かっ!!クレイサー!今お前を討たなければ村は終わりだっ!」
クレイサーの裏切りが知れれば、村の混乱は避けられない。
しかし、もはや共に戦う事も不可能だった。
ゲインはクレイサーの剣を弾き、返す刀でクレイサーを斬る………正にその時!!!
「お父さん…どこ??」
もう一人の娘、エストが茂みから顔を出す!!
瞬間!!
ゲインの剣が、クレイサーを切り裂いた!!
エストは吸い込まれそうに赤い綺麗な石のペンダントを大事そうに手に持ち、ガイエンに聞いた。
「うん。母さんに貰ったんだけど、2個あるんだ。だから、1つやるよ」
ガイエンはエストがペンダントを気に入ってくれている事に内心はとても嬉しかったが、気付かれるのが恥ずかしくて少しぶっきらぼうな物言いになる。
「ありがとう♪とても嬉しい!ティアにも後で見せてあげよ!」
エストはペンダントを首からかけ、本当に嬉しそうに微笑んだ。
「うん。ティアも早く良くなるといいね。親父も心配してたよ」
「ティア…」
少し悲しそうな…不安そうな表情になるエストを見て、ガイエンも悲しくなる。
(そういえば、ティアの事で今日エスト親父さんとウチの親父が話し合いするって言ってたな…ひょっとしたら、ティアは病気じゃないかもって言ってたけど…親父なら、なんとかしてくれるよな!)
赤毛の少年、ガイエンは自分の父の事を誇りに思っていた。
父【ゲイン・ドーマ】は、その村一の剣士である。
ヨトゥン軍の進軍に対し先頭に立って村を守る姿は、戦争初期に神剣を持ってヨトゥン軍の将軍達に互角の戦いを演じた伝説の【7国の騎士】に勝るとも劣らないと称される程だった。
ゲインの活躍でなかなか村を落とせないヨトゥン軍は、ヨトゥン軍随一の力の持ち主、クロウ・クルワッハに村の攻略を托す。
戦略家であったクロウ・クルワッハは、村の剣士の娘を人質にとった。
娘の名は【ティア・ファンライト】
ガイエンの幼なじみの【エスト・ファンライト】の妹である。
娘を人質にとれた剣士【クレイサー・ファンライト】は、やむを得ずクロウ・クルワッハに協力する事になる。
クレイサーとクロウ・クルワッハは、上級神聖魔法である【心言】で会話をしていた。
【心言】は契約を交わした者が、特殊な言葉を数秒詠唱すれば、契約した者同士が心の中で会話出来るという魔法だ。
これにより、クレイサーは誰にも気付かれずにクロウ・クルワッハに協力出来ていた。
………いや、一人だけ気付いてしまった者がいた。
ゲインである。
ゲインは村外れの森の中にクレイサーを連れだし、問い詰める。
これが悲劇の始まりだった……
「ゲイン……こんな所に呼び出して何の用だ??」
クレイサーは怪訝そうな顔をする。
「最近のお前は、何かおかしいぞ。仲間を避けているように見えるし……」
「なに、気のせいさ。娘のティアが病気で家を出れないからな……それを気にしながら生活してるから、少しおかしく見えるんだろ」
ゲインの問いに、クレイサーは面倒臭そうに話す。
この話を早く切り上げたいように、ゲインは感じた。
ゲインは何かある事を感じとり、疑問に思っている事をクレイサーにぶつけた。
「ティアちゃんが病気と言うが【ノディス】先生はティアちゃんは受診に来てないと言っていた。村唯一の医者がティアちゃんを診てないと言っている」
ゲインはそこまで話して、クレイサーを見る。
が、クレイサーは口を閉じたままである。
ゲインは話を続けた。
「ティアちゃんがいなくなったと同時に、ヨトゥン軍は我が軍の布陣が分かってるかのような攻撃をしてくるようになった……密偵がいるはずなんだ」
「俺が密偵だと言うのか??馬鹿らしい……もう行くぞ」
クレイサーは後ろを向いて、その場を去ろうとする。
「まて、密偵でないと言うならティアちゃんに一目会わせてくれ!!俺だって、共に戦っているお前を疑いたくなんかないさ!!」
クレイサーは再びゲインの方を向く。
「感染型の病気だ。会わせられる訳がない」
その時、茂みの奥からヨトゥン兵が顔を出した。
「…………………っ!!」
ゲインが剣を抜く!
ヨトゥン兵も剣を抜き、クレイサーに向かってこう言った。
「ここでゲインを討って、ゲインを裏切り者に仕立てるぞ。そうすれば娘は返してやるぞ」
その言葉にクレイサーは頷き、ゲインに対し剣を向ける。
「クレイサー!!正気か!いつから裏切ってた!!」
「ティアを人質に取られている!仕方ないんだ!」
クレイサーがゲインに向けて剣を振る!
しかし、実力が違いすぎる。
簡単にゲインに弾かれる。
「お前の裏切りで、何人の仲間が犠牲になったと思ってる!何故1人で抱え込んだ!!」
ゲインが叫ぶ。
「言ったら何か変わったのか?ティアが殺されて終わりだ。お前だって、ガイエンを人質にとられれば同じ事をしてたさ!!」
クレイサーは再び剣を振る。
「もはや何言っても無駄かっ!!クレイサー!今お前を討たなければ村は終わりだっ!」
クレイサーの裏切りが知れれば、村の混乱は避けられない。
しかし、もはや共に戦う事も不可能だった。
ゲインはクレイサーの剣を弾き、返す刀でクレイサーを斬る………正にその時!!!
「お父さん…どこ??」
もう一人の娘、エストが茂みから顔を出す!!
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