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1章:森の迷い子

5話:森の男の子

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《ご主人!獲ってきました!》

「ありがとう!クロ!」


本当に珍しいな。
男の子をこっちに獲ってきても動物たちが逃げない。

この子の事本当に気に入ってるんだなー。

言葉が通じるかわかんないけど、一応危害が加えないって言わないとな。



「えっと。動物さんたち!この子のこと悪いようにしないから安心して!」


うわ。
通じてなさそう。


まぁでも、遠巻きに見てるし大丈夫っしょ。


「って、意識あるじゃん!!」
《静かすぎて、意識失ってるかと思いました。》


うん。それは同意。

しかも結構汚れてるし所々の打撲や切り傷。
これってもしかして…。


《同じ人間にやられたようですね。傷の大きさから大人の人間にやられたんでしょうな。》

やっぱり。
これはパパとママに報告しないとな…。



「ねぇ、痛い?」
「・・・・。」


いや痛いに決まってるよ。


「私になおせる魔法とか使えたらいいのに…。」
《何言ってるんですか?ご主人は使えますぞ?》
「え!?そーなの!?」


「っ!」


あ、びくびくしてる。
なるべく静かに話さないと…。


《魔力はあるので出来ると思いますぞ!頭の中でイメージしてくだされ!》
「イメージ…。」
《そうですぞ。そしてその人間の雄に触れれば治ります!》


えっと。
イメージ。イメージ。


この子の傷がなくなりますように。


━パアアア。
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