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クリスマス~正月編

13 微R-18

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トントントン、ジュー、、。

なんだろ。なんの音。

てか、

すごいいい匂い。

目を覚ますと目の前にはテレビがあった。

俺、、

「!!!!」

先輩抱き締めたまま寝ちゃったのか!!

あわてて起き上がると、ソファに寝ていたことがわかる。

俺のかたから毛布がずり落ちてきた。

これ、、先輩が。

自分の横をみると先輩はいない。

時計をみると夜の7時。

え、、うそ。

せっかくのデートだったのに寝てるって、、最悪じゃん。

俺は毛布を出る。

いい匂いがする方へと向かうと、そこでは先輩がキュウリを切っていた。

いい匂いのもとはキッチンだった。

みれば先輩のやっていることは目に見えてわかる。

「先輩!!ごめんなさい、、俺寝てっ、、」

先輩は俺に気づくときゅうりを切りながらにひひっとわらった。

「ぜんぜーん。寝てるかおみられたから問題ないよー。

俺の腕のなかで寝ちゃってほんとかぁーわいい。」

相変わらずの先輩だ。

先輩にもう一度謝って、俺は先輩のとなりにならんだ。

「夜ご飯、作ってくれてるんですか?」

先輩は手際よくきゅうりを塩で揉んでいく。

「そーだよー。陸の食べたいもの聞こうと思ってたんだけど、寝てたから俺が食べたいもの作ってるけど、よい?」

「これはつまみだけどねー」と笑いながら付け加えた。

「ありがとうございます。なにか手伝うことありますか?」

すると先輩は「んー」と悩んだあと「じゃあ」とフライパンをひとつだした。

「なにか1品つくってよ」

「え」

手伝うって「これ切っといてー」とか「皿並べといてー」とかいうものだと思っていた。

一品作ってって、、手伝いとかじゃないじゃん。
 
しかし俺に断る権利はない。

デートの時間無駄にしたし、先輩には料理作らせるし。

俺は腕捲りをして先輩からフライパンを受け取った。

先輩は嬉しそうだ。

「俺、、大したもの作れませんよ」

「陸が作ったものならなんでも食べる」

俺はため息をついて作り出した。






料理が机にならんだ。

先輩が作ったキュウリのつまみを始め、ステーキやポテトもあった。

先輩って意外にジャンクなんだな。

俺が嫌いなものはないし、別にいいんだけど。

俺が作ったポトフもならぶ。

ポトフってもう少し時間かけたら味染み込むんだけど、しょうがない。

先輩は俺に「ケーキ先に食べる?」と聞いてくる。

それを聞いて俺は思い出した。

ガトーショコラ!!!

しまった、、

先輩にケーキ要らないっていうの忘れてた。

ていうか、ケーキ二人で食べる状況になるとは思わなかったからいうのは無理だったけど。

問題なのはここにケーキ二個あるじゃん。

いくら甘党の先輩でも二個はきついだろう。

しまった、、

ケーキ作るのってやっぱり失敗だった?

でもどーすることもできないから俺は渋々声を出した。

「先輩、、俺先輩にケーキ作ってきてて、、」

「え」

驚いて振り向く先輩。

だよね。

ケーキ二個もいらねぇよって感じだよね。

俺だったらそう思うもん。

俺は下を向いた。

「ごめんなさい。先輩にケーキ要らないってなくて、、こんな状況になるとは思わなくて、、あの、ケーキ二個になっちゃうし、、お店のケーキの方がきっとうまいんでそっちを、「どこにあるの?」え」

先輩は座っている俺のところにきて目線を合わせていった。

「ケーキ。作ってきてくれたんだよね?」

俺はなぜか涙が出てきた。

先輩は「どーしたの?またなくの?」と頭を撫でてくれる。

今日の俺だめだ。

俺はポツポツ話し出した。

「なんで、、、先輩そんなに優しいんですか。

先輩、っ。

今日楽しみにしててくれたのに、、。

先輩ばっかりかっこよくて、、ずるい。」

「ええ?」

先輩は困ったような顔をする。

俺は止まらない。

「だって、、今日朝からしゅうご、、してっ。うっ。

ホテル用意してくれててっ、

二人がいいっていってくれたのに、、

俺が寝ちゃって、なのに俺が寝てる間にも料理作ってくれてっ。

デートの時間なくなっちゃったのにっ。なのに、俺を攻めないし。ぐずっ。

毛布もかけてくれるし。

俺だってっ、、先輩に喜んでほしくてっケーキ作ったのに、、こんな状況になるとは思わなくてっ。ケーキ二個になっちゃうし、、

なのに先輩っ、怒んないし。

なんでそんなに優しいんですかぁ、、ぅ、」

先輩は俺の頭をなで続けている。

俺は先輩を睨み付けた。

「っ聞いてるんですか!?

俺は真剣に、んっ。」

俺の目の前にいつの間にか先輩の顔があった。

一瞬くっついた唇同士はすぐに離されて先輩は俺のかおを見て笑った。

い、いまの、キス?

俺はたどたどしく先輩をよぼうとするがーー

「せ、、せんぱ「りく。」」

その声は先輩にかきけされた。

先輩のかおはなぜか嬉しそうだ。

「陸は俺に怒られるようなことしたの?」

「だ、たからっ。寝ちゃったし」

「それはさっきいったでしょー?

寝顔見れたし。腕の中にいるってことが嬉しいからいいんだよ?」

俺は続ける。

「料理作らせちゃうしっ」

「そこまでが俺の陸へのクリスマスプレゼントだもん。

しかも陸にもつくってもらったし。」

「ケーキもっ。「俺は甘党だから二個食べるの余裕。

それより俺のためのケーキってのがすごく嬉しいんだけど?」」

俺は涙が止まらない。

先輩はまた俺の頬に自分の手を持っていき涙をすくってくれる。

「陸は、、きょうどうだった?」

「っ?」

「楽しかった?」

俺はうなずいた。

先輩とはじめて1日二人きりですごした。

周りの目とか気にせずにだらだらする、すごく楽しかった。

先輩のことをたくさん知れたし、先輩の優しさをさらに感じた。

そして、、。

これを、伝えなきゃ。

先輩に。

俺は先輩の服をつかんだ。

「せんぱい、?」

「ん?」

出てくる言葉は思っていた言葉とは違っていた。

「どうしよう、、っ。

俺、

先輩のことっ、、、どんどん好きになる。」

どうすればいい。

考え始めたらとまらない。

こんなことあり得ないと二年前の俺は思っていた。

俺と先輩の時間が動き出した時から俺の先輩にたいする思いはどんどん大きくなって、これから俺はどうすればいいかわからない。

今まで感じていた恋に対する不安や迷いがどんどん出てきた。

「、、、」

先輩は黙ったままだ。

俺の口はどんどん言葉を紡いでいく。

「俺、、重い人だと、怖い人だと思ってたのにっ。

笑うとかわいいとことかっ、優しすぎるとことかっ、俺をずっと好きでいてくれていることが痛いくらいわかるとことか、、

先輩を知れば知るほど

胸が苦しくなるっ。

このままじゃ俺っ。

先輩がいないと生きられないかもしれない。」

意味がわからないことをいってるのはわかってる。

でもとまらなかった。

先輩は俺の唇に軽くキスをした。

それを何度も何度も重ねていく。

俺のかおは赤くなって恥ずかしかったけど不思議と嫌ではなかった。

涙が頬を伝った。

先輩は軽いキスを繰り返しながら涙をなめる。

先輩の舌が頬に当たるたびにまた目頭がにじんで涙が出てきた。

先輩は俺にキスをする合間に話しかける。

「いいんだよ。俺なしじゃ生きていけなくなっても。」

「んっ。ううっ。」

ちゅっ。

「むしろ、そうなってくれると嬉しい。」

ちゅ。

「だって、俺が陸なしじゃ生きられないんだよ?

俺はもう、その次元まで来てるんだから。」

「ううーーー。」

涙が止まらなくなって、先輩のキスの雨も止まない。

「だから、早く、はやく、

俺なしじゃ生きていけないぐらいまで堕ちてきて?」

「せんぱっ、」

ちゅ。

キスの雨はやっとやんで、先輩は俺の手をつないでいった。

「陸が作ったケーキ、たべよ?」

泣きながら俺はうなずいた。



























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