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遠距離恋愛編
8side陸→sideあざみ
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どこ行くか決めてなかった俺らはとりあえず腕を絡めたままぶらぶらあるいた。
気になる店に入って服を見たり、ゲームセンターに入ったり、先輩につれられて高そうなアクセサリーのお店に入ったり、なんてことないがとても楽しくてたくさん笑った。
そして今、お昼御飯を食べにハンバーガーチェーン店に来ている。
テーブルにおいてあるいいにおいのハンバーガーにポテト。
色気がないというか、、デートなのに!?って感じだけど先輩も気にしてないみたいだしいいか。と思い、目の前のハンバーガーにかぶりつく。
てりやきバーガーって美味しいんだよね。
でもハンバーガーって少し食べにくい。
モゴモゴ口を動かす。
するとその様子を見て先輩がにひ。と笑った。
またこのかわいい笑いかただ。
何に笑ったかはわからないが。
俺の考えてることなんて知らないだろう先輩は俺に何に笑ったか教えてくれる。
「口モゴモゴしてて、ハムスターみたい。かわいいね。」
「先輩も、今日かわいいれふ。」
ことばに出してはっとする。
しまった、つい先輩につられて、、
先輩をみると、先輩は何に対してかわいいと言われたのかわからないようで「どこが?」と優しいかおで聞いてくる。
「笑いかたでふっ。ん、ごくっ。(ハンバーガー飲み込んだ)先輩いつもふふって感じでちょっと不気味で取って付けたような笑顔なのに、今日は、にひひっ。て感じで、、
わかります?」
擬音ばっかりだな、、と自分で思いつつ、
先輩の答えを聞く。
「わかる?」
思いもよらない答えに「え」と声をあげた。
先輩はポテトを食べながら続けた。
「実は笑いかたコンプレックスでさぁー。
にひひっ、てきもくない?
だから普段はふふっ。ってあんまり口角あげないようにしてたんだけど、、
崩れちゃってたみたい。ごめんね、直すね」
え、なおす?
「別に治さなくても、しかもにひひ、の方が俺は好きですけど、、」
だってふふっ、よりも何倍も人間っぽい。
まー、人間なんですけど。
こんなこといったら怖いから言わないけど。
「にひひがすきなのぉー?変わってるねぇ」
なぜかバカにされてるけど、
「変わってますかね?別に変わっててもいいですけど。
だって、
俺が変わってても
先輩はそれを受け入れてくれる、、、
でしょ?」
なんて自信だ。俺は。
いったあとで恥ずかしくなる。
顔が赤くなってるのがわかった。
ああああーー!もう。
俺は下を向いてポテトをパクパク食べる。
すると先輩は俺の顎をつかんで先輩のほうへ向けた。
ああああ、、この人、下向かせてくれないんだった!!
「陸、下向くの好きねぇ。恥ずかしくなっちゃった?照れちゃったねぇ。」
さっき俺がいった言葉を!!!
ますます恥ずかしくなる。
「下!向きたいです!!!」
先輩の俺の顎を掴んでいる手を掴んで離そうとする。
しかし、びくともしない。
「んんーー?下向いちゃったら陸のかわいいかお見えないでしょー?」
「このぉっ!」
粘る。
「もぉ、あ!!照り焼きソースついてるよ!」
「うわぁっ!」
いきなり手を離されたもんだから俺は勢いよく手が先輩のもとに飛んで行く。
先輩は俺の手をパシィッ。とつかんだ。
と、片方のては俺の頬へと来る。
訳のわからない俺はただ、固まるのみ。
先輩は俺の頬に触れる。
すぐに離れた。
先輩のてには照り焼きソースがついていた。
あ、とってくれたのか、、、
「ありがと、、、ええ!!ちょ!」
お礼を言おうとしたら、先輩はその指についたソースを自分の口元に持っていきペロッとなめた。
その行為に驚く。
な、今の行為になんの意味が!!?
「んー、おいし。照り焼きって最高だよねぇ」
「いや、、あのっ、、そ」
「んー?どうしたのー?」
俺は恥ずかしくなって下を向くしかない。
「またした向いちゃうのー?かわいいねぇ。
いつか自分から恥ずかしいかお見せてねぇ。」
なにいってんだこの人は。
やっぱり頭おかしい。
下を向いたまま、俺はやり過ごした。
何分かたって、顔の熱も覚めてきた頃「、そういえばー」と先輩が思い出したように話し出した。
「芹くんのこと、隼人くんに話してみたよ?」
「え!?」
俺は顔をあげた。
先輩は「他の男の話題でかおあげるのー?話さないどこーかなぁー?」と意味わからんことを言っていたが、俺が頼むと話してくれた。
鍊獄さんは芹とちゃんと話して、気持ちを確認することを約束してくれたらしい。
そして話し合った結果、今では監禁すること(あのときされてたのか、、)をやめ、普通に会うことにしてるらしい。
芹は思ったより元気らしく、俺に大丈夫だから、と伝えてほしいと言われたらしい。
すべてを聞いて、俺は肩の荷が下りた気がした。
「よかったぁー」
先輩はそんな俺を見て「よかったねぇ」とだけいった。
先輩にはしっかりお礼をいった。
頭を下げまくった。
先輩は「いいよ、特になにもしてないしー」といっていたがそんなことはない。
俺らにとっては救世主だ。
そこまで話して、先輩がいきたいとこあると急に言い出したので俺らは店を出ることにした。
バスを乗り継いで、ついたのは、海。
さっきの話の流れといい、季節といい(今は11月)意味わからんよ、ほんとに。
まーいいですけど。
「先輩、海来ても、、なにするんです?」
先輩は砂浜に座り込んだ。
そして俺の手を引く。
うわあっ。と体制を崩して、おれも先輩の隣に座り込んだ。
「ここで、時間が来るまでしゃべろ?」
「え」
今日はえ、ばっかりだ。
たぶん、先輩のいるとえ、ばっかりなんだな。と思うことにする。
「さっき、店で芹くんの話してたじゃん?で、思ったのよ。俺、陸と芹の出会いとか知らないなぁって、
っていうか、俺、陸について知らないなぁって
だから話そ。
たくさん話そ。
好きな食べ物、とかどうやって生きてきた、とか家族構成とか、あとはーー、
今の友達の話とか。
陸のことは全部知っておきたいんだ。
時間、そんなにないけど、話せるまで話そ?」
俺は「もちろんっ」と返す。
「その代わり、先輩のことも教えて下さい。
俺も先輩のこと知りたいです」
先輩はにひっ。と笑った。
「なぁーんでも教えてあげる。」
あぁ、やっぱりこの笑いかた好きだなぁ。
傾きそうな太陽を目の前に俺らはたくさん話した。
俺についてたくさん話した。
俺は4月5日生まれで、AB型。
家族は父と母。の三人家族だけど両親は海外の仕事でほとんど家にはいないこと。
好きな食べ物はかに玉で、嫌いな食べ物はピーマンなこと。
芹との出会いに、今の友達の出会い。
先輩についてたくさん聞いた。
先輩は7月7日生まれでO型。
家族構成は父と母、兄がいること。
先輩は一人暮らししていること。
好きな食べ物は特出してなくて、嫌いな食べ物はりんごなこと。
鍊獄さんがはじめての友達で親友なこと。
気づいたら辺りは真っ暗になっていた。
波のおとが聞こえる。
「、、真っ暗だねぇ」
暗すぎて先輩が見えない、、
それさえも面白くて少し笑いながらいった。
「帰りますか。」
俺が立ち上がると先輩は俺の腕を引いた。
ええーまた!!?
砂浜にてをつこうとするが暗くて見えずに先輩に抱きつくかたちになってしまう。
「ああああ、、ごめんなさ、、大丈夫で「陸、すきだよ」っ」
離れようとしたのに腕でホールドされてしまった。
逃げられない俺。
心臓がばくばくいってる。
聞こえる。絶対先輩に聞こえる。死ぬ。
「陸?手、俺の背中に回して、ぎゅってして?」
えええええ。
俺は首を思いっきり降る。
「む、、、むずい、です」
無理といったら失礼だと思って出たのはむずい、、
「ぶっ、あはっ!!むずい?簡単だよ。
手ぇ回せばいいの。ほら、して?」
逃がしてくれないパターンだ。
なんでこの人甘い空気になったら逃がしてくれないんだ。
いつもは頼めば逃がして、許してくれるのに。
このやろ!
俺はやけになって先輩の背中に手を回した。
先輩の厚みが大きいから手が届かなくて嫌でもせんぱいにぎゅっと密着するかたちになる。
もういや。
おれは先輩のかたに顎をのせた。
すると先輩は俺の腰を自分のほうへ引き寄せてくる。
ますます密着するからだ。
俺が回さなくても密着するんじゃん。
目にじわぁっと涙がたまる。
なんの涙!?
もう訳がわからない。
心臓が!!
「ばくばくしてるねぇ」
心の声が読めるのか、この人。
「死にます」
「あははっ。やめてよ。
まぁ、陸が死んだら俺も死ぬからいいけどぉ」
こわいこわいこわい。
「、、嘘です」
しばらく沈黙。
耐えられなくなったおれはいった。
「離れても、、いいですか?」
「だめ」
意味わからん。
これ、なんの意味があるの。
ただ、心臓ばくばくして寿命縮まるだけですけど。
波のおとだけがうしろから聞こえてくる。
「陸、陸は俺にドキドキする?」
おとに集中していたなかでのいきなりの質問にびっくりする。
どきどき、、
「たった今しておりますけど。」
「そう。そっかぁー。
ドキドキしてるならよかったぁ」
なにがよいのかまったくわからないが、
先輩がよければ別にいい。
ただ、離してほしい。
「先輩、どきどきしすぎて、、死んじゃうから。はなして?」
背中をポンポンっと叩く。
先輩がのどをごくりとならしたのを聞いた。
先輩、?
「も、、もぉー、そんなかわいく言わないでよ。はい、はなそ。」
暗くてよくわかんないから謎だけど、今先輩どんなかおしてんだろ。
気になるけど、先輩の顔は見えなかった。
先輩と朝集合した駅に帰って来た。
お別れ。
次は12月だ。
先輩は俺の手を繋いだ。
両手。
両手捕まれて「あーぶくたったー」が始まりそうだ。
手はぶらぶらと動かされる。
「次は、12月だねぇ。」
「、、長期休みなので、東京に何日かいようと思ってます。芹にも会いたいし」
先輩は芹の名前に反応したが、スルーした。
「芹くんー?」
「あー、、と、、
先輩とは、、いつも会う、でしょ?」
先輩を見上げて言うと、
先輩はその場でしゃがみこんだ。
俺も一緒にしゃがみこむ。
「先輩?」
「あーーーーーもうだめ。かわいい、かわいすぎでしょ。」
先輩は海でやったみたいにまた抱き締めてきた。
ちょっと!ここは人が!
「せせせ、せんぱ、「しぃーーーーっ」」
「陸、次あったときはもっとイチャイチャしよーね。」
「え」
そういうと先輩は抱き締めていたてをはなして立ち上がる。
「じゃあ、また電話でねぇ」
と帰っていった。
なんか、寂しい。
純粋にそう思った。
なにか、今日の証、今日の出来事を記憶できるなにかがほしい。
そう思って、おれは帰る先輩に向かって走り出した、
そのまま、先輩にうしろから抱きつく。
人が見ている、、
そんなこと関係なかった。
先輩は驚いて後ろを振り替える。
おれは先輩の背中に顔を埋めたまま声を出した。
「俺もっ、、好きです、、
あ、、あざみ、さんっ。」
顔が見れない。
おれはぱっと手を離した。
「ごめんなさ、、引き留めて、、じゃ「陸。こっち見て。」」
赤くなったかおで上をみると、
先輩の顔も真っ赤になっていた。
驚く。
てれてる、、
「陸、、、、
恥ずかしいことしてくれんねぇ。
あーーーー、もぉ、
帰りたくないんだけど。
でもありがとう。
俺も好き。」
先輩はにひひっ。と笑って「帰りたくないけど時間が、、」と帰っていった。
おれは自分がいった言葉を実感していた。
俺、ちゃんと先輩のことが好きなのか、、
それがわかっただけで、
俺の帰り道はるんるんだった。
sideあざみ
新幹線に乗って席を見つけて座る。
おれはため息をついて手を頭に当てた。
先ほどの陸の言葉、行動を思い出す。
「俺もっ、、好きです、、
あ、、あざみ、さんっ。」
「あーーーーー」
マジでヤバイ。
今日新幹線がなかったら速攻ホテルいってヤるところだった。
普通にたったし。
ただ、陸のはじめてはじっくり行くと決めている。
こんな衝動的にヤる訳にはいかない。
でもはじめての陸からの好きは、ほんとにキた。
これから東京に行くまで、この悶々とした気持ちを持っていかなきゃいけないことに苦痛を強いられるあざみであった。
気になる店に入って服を見たり、ゲームセンターに入ったり、先輩につれられて高そうなアクセサリーのお店に入ったり、なんてことないがとても楽しくてたくさん笑った。
そして今、お昼御飯を食べにハンバーガーチェーン店に来ている。
テーブルにおいてあるいいにおいのハンバーガーにポテト。
色気がないというか、、デートなのに!?って感じだけど先輩も気にしてないみたいだしいいか。と思い、目の前のハンバーガーにかぶりつく。
てりやきバーガーって美味しいんだよね。
でもハンバーガーって少し食べにくい。
モゴモゴ口を動かす。
するとその様子を見て先輩がにひ。と笑った。
またこのかわいい笑いかただ。
何に笑ったかはわからないが。
俺の考えてることなんて知らないだろう先輩は俺に何に笑ったか教えてくれる。
「口モゴモゴしてて、ハムスターみたい。かわいいね。」
「先輩も、今日かわいいれふ。」
ことばに出してはっとする。
しまった、つい先輩につられて、、
先輩をみると、先輩は何に対してかわいいと言われたのかわからないようで「どこが?」と優しいかおで聞いてくる。
「笑いかたでふっ。ん、ごくっ。(ハンバーガー飲み込んだ)先輩いつもふふって感じでちょっと不気味で取って付けたような笑顔なのに、今日は、にひひっ。て感じで、、
わかります?」
擬音ばっかりだな、、と自分で思いつつ、
先輩の答えを聞く。
「わかる?」
思いもよらない答えに「え」と声をあげた。
先輩はポテトを食べながら続けた。
「実は笑いかたコンプレックスでさぁー。
にひひっ、てきもくない?
だから普段はふふっ。ってあんまり口角あげないようにしてたんだけど、、
崩れちゃってたみたい。ごめんね、直すね」
え、なおす?
「別に治さなくても、しかもにひひ、の方が俺は好きですけど、、」
だってふふっ、よりも何倍も人間っぽい。
まー、人間なんですけど。
こんなこといったら怖いから言わないけど。
「にひひがすきなのぉー?変わってるねぇ」
なぜかバカにされてるけど、
「変わってますかね?別に変わっててもいいですけど。
だって、
俺が変わってても
先輩はそれを受け入れてくれる、、、
でしょ?」
なんて自信だ。俺は。
いったあとで恥ずかしくなる。
顔が赤くなってるのがわかった。
ああああーー!もう。
俺は下を向いてポテトをパクパク食べる。
すると先輩は俺の顎をつかんで先輩のほうへ向けた。
ああああ、、この人、下向かせてくれないんだった!!
「陸、下向くの好きねぇ。恥ずかしくなっちゃった?照れちゃったねぇ。」
さっき俺がいった言葉を!!!
ますます恥ずかしくなる。
「下!向きたいです!!!」
先輩の俺の顎を掴んでいる手を掴んで離そうとする。
しかし、びくともしない。
「んんーー?下向いちゃったら陸のかわいいかお見えないでしょー?」
「このぉっ!」
粘る。
「もぉ、あ!!照り焼きソースついてるよ!」
「うわぁっ!」
いきなり手を離されたもんだから俺は勢いよく手が先輩のもとに飛んで行く。
先輩は俺の手をパシィッ。とつかんだ。
と、片方のては俺の頬へと来る。
訳のわからない俺はただ、固まるのみ。
先輩は俺の頬に触れる。
すぐに離れた。
先輩のてには照り焼きソースがついていた。
あ、とってくれたのか、、、
「ありがと、、、ええ!!ちょ!」
お礼を言おうとしたら、先輩はその指についたソースを自分の口元に持っていきペロッとなめた。
その行為に驚く。
な、今の行為になんの意味が!!?
「んー、おいし。照り焼きって最高だよねぇ」
「いや、、あのっ、、そ」
「んー?どうしたのー?」
俺は恥ずかしくなって下を向くしかない。
「またした向いちゃうのー?かわいいねぇ。
いつか自分から恥ずかしいかお見せてねぇ。」
なにいってんだこの人は。
やっぱり頭おかしい。
下を向いたまま、俺はやり過ごした。
何分かたって、顔の熱も覚めてきた頃「、そういえばー」と先輩が思い出したように話し出した。
「芹くんのこと、隼人くんに話してみたよ?」
「え!?」
俺は顔をあげた。
先輩は「他の男の話題でかおあげるのー?話さないどこーかなぁー?」と意味わからんことを言っていたが、俺が頼むと話してくれた。
鍊獄さんは芹とちゃんと話して、気持ちを確認することを約束してくれたらしい。
そして話し合った結果、今では監禁すること(あのときされてたのか、、)をやめ、普通に会うことにしてるらしい。
芹は思ったより元気らしく、俺に大丈夫だから、と伝えてほしいと言われたらしい。
すべてを聞いて、俺は肩の荷が下りた気がした。
「よかったぁー」
先輩はそんな俺を見て「よかったねぇ」とだけいった。
先輩にはしっかりお礼をいった。
頭を下げまくった。
先輩は「いいよ、特になにもしてないしー」といっていたがそんなことはない。
俺らにとっては救世主だ。
そこまで話して、先輩がいきたいとこあると急に言い出したので俺らは店を出ることにした。
バスを乗り継いで、ついたのは、海。
さっきの話の流れといい、季節といい(今は11月)意味わからんよ、ほんとに。
まーいいですけど。
「先輩、海来ても、、なにするんです?」
先輩は砂浜に座り込んだ。
そして俺の手を引く。
うわあっ。と体制を崩して、おれも先輩の隣に座り込んだ。
「ここで、時間が来るまでしゃべろ?」
「え」
今日はえ、ばっかりだ。
たぶん、先輩のいるとえ、ばっかりなんだな。と思うことにする。
「さっき、店で芹くんの話してたじゃん?で、思ったのよ。俺、陸と芹の出会いとか知らないなぁって、
っていうか、俺、陸について知らないなぁって
だから話そ。
たくさん話そ。
好きな食べ物、とかどうやって生きてきた、とか家族構成とか、あとはーー、
今の友達の話とか。
陸のことは全部知っておきたいんだ。
時間、そんなにないけど、話せるまで話そ?」
俺は「もちろんっ」と返す。
「その代わり、先輩のことも教えて下さい。
俺も先輩のこと知りたいです」
先輩はにひっ。と笑った。
「なぁーんでも教えてあげる。」
あぁ、やっぱりこの笑いかた好きだなぁ。
傾きそうな太陽を目の前に俺らはたくさん話した。
俺についてたくさん話した。
俺は4月5日生まれで、AB型。
家族は父と母。の三人家族だけど両親は海外の仕事でほとんど家にはいないこと。
好きな食べ物はかに玉で、嫌いな食べ物はピーマンなこと。
芹との出会いに、今の友達の出会い。
先輩についてたくさん聞いた。
先輩は7月7日生まれでO型。
家族構成は父と母、兄がいること。
先輩は一人暮らししていること。
好きな食べ物は特出してなくて、嫌いな食べ物はりんごなこと。
鍊獄さんがはじめての友達で親友なこと。
気づいたら辺りは真っ暗になっていた。
波のおとが聞こえる。
「、、真っ暗だねぇ」
暗すぎて先輩が見えない、、
それさえも面白くて少し笑いながらいった。
「帰りますか。」
俺が立ち上がると先輩は俺の腕を引いた。
ええーまた!!?
砂浜にてをつこうとするが暗くて見えずに先輩に抱きつくかたちになってしまう。
「ああああ、、ごめんなさ、、大丈夫で「陸、すきだよ」っ」
離れようとしたのに腕でホールドされてしまった。
逃げられない俺。
心臓がばくばくいってる。
聞こえる。絶対先輩に聞こえる。死ぬ。
「陸?手、俺の背中に回して、ぎゅってして?」
えええええ。
俺は首を思いっきり降る。
「む、、、むずい、です」
無理といったら失礼だと思って出たのはむずい、、
「ぶっ、あはっ!!むずい?簡単だよ。
手ぇ回せばいいの。ほら、して?」
逃がしてくれないパターンだ。
なんでこの人甘い空気になったら逃がしてくれないんだ。
いつもは頼めば逃がして、許してくれるのに。
このやろ!
俺はやけになって先輩の背中に手を回した。
先輩の厚みが大きいから手が届かなくて嫌でもせんぱいにぎゅっと密着するかたちになる。
もういや。
おれは先輩のかたに顎をのせた。
すると先輩は俺の腰を自分のほうへ引き寄せてくる。
ますます密着するからだ。
俺が回さなくても密着するんじゃん。
目にじわぁっと涙がたまる。
なんの涙!?
もう訳がわからない。
心臓が!!
「ばくばくしてるねぇ」
心の声が読めるのか、この人。
「死にます」
「あははっ。やめてよ。
まぁ、陸が死んだら俺も死ぬからいいけどぉ」
こわいこわいこわい。
「、、嘘です」
しばらく沈黙。
耐えられなくなったおれはいった。
「離れても、、いいですか?」
「だめ」
意味わからん。
これ、なんの意味があるの。
ただ、心臓ばくばくして寿命縮まるだけですけど。
波のおとだけがうしろから聞こえてくる。
「陸、陸は俺にドキドキする?」
おとに集中していたなかでのいきなりの質問にびっくりする。
どきどき、、
「たった今しておりますけど。」
「そう。そっかぁー。
ドキドキしてるならよかったぁ」
なにがよいのかまったくわからないが、
先輩がよければ別にいい。
ただ、離してほしい。
「先輩、どきどきしすぎて、、死んじゃうから。はなして?」
背中をポンポンっと叩く。
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先輩、?
「も、、もぉー、そんなかわいく言わないでよ。はい、はなそ。」
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気になるけど、先輩の顔は見えなかった。
先輩と朝集合した駅に帰って来た。
お別れ。
次は12月だ。
先輩は俺の手を繋いだ。
両手。
両手捕まれて「あーぶくたったー」が始まりそうだ。
手はぶらぶらと動かされる。
「次は、12月だねぇ。」
「、、長期休みなので、東京に何日かいようと思ってます。芹にも会いたいし」
先輩は芹の名前に反応したが、スルーした。
「芹くんー?」
「あー、、と、、
先輩とは、、いつも会う、でしょ?」
先輩を見上げて言うと、
先輩はその場でしゃがみこんだ。
俺も一緒にしゃがみこむ。
「先輩?」
「あーーーーーもうだめ。かわいい、かわいすぎでしょ。」
先輩は海でやったみたいにまた抱き締めてきた。
ちょっと!ここは人が!
「せせせ、せんぱ、「しぃーーーーっ」」
「陸、次あったときはもっとイチャイチャしよーね。」
「え」
そういうと先輩は抱き締めていたてをはなして立ち上がる。
「じゃあ、また電話でねぇ」
と帰っていった。
なんか、寂しい。
純粋にそう思った。
なにか、今日の証、今日の出来事を記憶できるなにかがほしい。
そう思って、おれは帰る先輩に向かって走り出した、
そのまま、先輩にうしろから抱きつく。
人が見ている、、
そんなこと関係なかった。
先輩は驚いて後ろを振り替える。
おれは先輩の背中に顔を埋めたまま声を出した。
「俺もっ、、好きです、、
あ、、あざみ、さんっ。」
顔が見れない。
おれはぱっと手を離した。
「ごめんなさ、、引き留めて、、じゃ「陸。こっち見て。」」
赤くなったかおで上をみると、
先輩の顔も真っ赤になっていた。
驚く。
てれてる、、
「陸、、、、
恥ずかしいことしてくれんねぇ。
あーーーー、もぉ、
帰りたくないんだけど。
でもありがとう。
俺も好き。」
先輩はにひひっ。と笑って「帰りたくないけど時間が、、」と帰っていった。
おれは自分がいった言葉を実感していた。
俺、ちゃんと先輩のことが好きなのか、、
それがわかっただけで、
俺の帰り道はるんるんだった。
sideあざみ
新幹線に乗って席を見つけて座る。
おれはため息をついて手を頭に当てた。
先ほどの陸の言葉、行動を思い出す。
「俺もっ、、好きです、、
あ、、あざみ、さんっ。」
「あーーーーー」
マジでヤバイ。
今日新幹線がなかったら速攻ホテルいってヤるところだった。
普通にたったし。
ただ、陸のはじめてはじっくり行くと決めている。
こんな衝動的にヤる訳にはいかない。
でもはじめての陸からの好きは、ほんとにキた。
これから東京に行くまで、この悶々とした気持ちを持っていかなきゃいけないことに苦痛を強いられるあざみであった。
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