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zakura

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7月18日 土曜日

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森の奥にある一件の家。

今日も三人は集まる。

午後6時。

部屋の中ではいつも通り床で寝ている黒(こく)と、キッチンの横にある椅子に座りテレビをみている灰(ぐれい)の姿がある。

部屋に響くのはテレビの音、黒の寝息、扇風機の音。

ポコン。

灰のラインの音がなる。

開くと白からのラインだった。

『今日来れないかも。』

灰はまたか、、と思いながら席をたった。

ため息をつきながらキッチンにたつと冷蔵庫を漁る。

冷蔵庫にはこの前使ったパスタとパエリアに使われてた具材。

すべてを取り出して、料理を始めた。

















料理を作り終えた灰はシーフードパスタを一人分皿に盛り付けると机に置いた。

そのまま、黒を蹴りながら起こす。

黒は唸りながら目を開けた。

「なーにー、ごはんー?」

「今日、白が来れないって。」

黒はぼーっとしている。

灰は続けた。

「ご飯作っておいといたから。

今日は私も帰るわ。」

黒は笑っていった。

「そう……また明日ね。」

灰も顔を変えずにいう。

「また明日。」

明日も会えるから灰たちの別れ方は早い。

ばたん。

灰はあっけなく帰っていった。

一人残された黒はぼーっとしたままスマホをてにした。


ラインで白のトークを開くとすぐに電話を始める。

白は2コールですぐでた。

白の声も聞かずに黒は話し出す。

「今日家に一人。」

電話口の白は笑いながら言った。

『ははは。ごめん。』

「別に。だって仕事でしょ?」

『うん。終わらせなきゃいけないやつがまだ終わってなくて……』

「明日仕事休みだよね?」

『うん。』

「あ、今日までってこと?」

『そうそう。』

「かわいそーう。」

『今日の黒もかわいそうだね。一人で。』

「一人じゃねーし。」

『……そうだね。』

「今日お前が仕事終わるまで電話繋いどいてやる。」

唐突な申し出に驚く白。

『いいよ。電話代もったいない。』

やんわり断るが、黒は引き下がらない。

「いいって、俺が寂しいし、

繋いどこ。」

白はふふっ、と笑いながらいった。

『じゃあ、繋いどこ。』

「笑うな!早く仕事しろ!」

白は誰もいないか辺りを見渡して電話をスピーカーにした。

そのまま、再びパソコンの手を動かす。





一時間たっても終わる気配がない。

テレビ電話にした黒は、画面でうとうとし始めていた。

時計を見たら、九時。

大人が寝るにしては早い時間だなぁ、、と思いながら黒を見る。

また笑いをこぼしながらパソコンのキーボードに手を伸ばした。

ガチャっ。

白は部署に誰か入ってきたと思い、部署の入り口を見る。

足音が近づいてくる。

目をきゅっとこらしてみる。

白の頭に?マークが浮かんだ。

目の前には







たくさんの酒を持った灰がいた。

灰は酒の袋を上にあげて笑った。

「おつかれぇーい。」

そのまま、白の隣の席に座る。

白は驚いて言葉もでない。

灰はその様子を見て爆笑した。

「大丈夫?めっちゃ面白い顔してるけど笑」

「なんで、、」

「え?警備員さん誘惑して入ってきちゃったー。笑」

黒の様子を見ると完全に寝ている。

「白、疲れてるんじゃないかなと思って、寂しいんじゃないかなって思って、来てみたけど、、、」

白は先ほどの黒との会話を思いだし笑みがこぼれた。

それを見て灰はほっとする。

「寂しかったんだろー笑

言ってよー。すぐ行けるんだからー笑」

「黒も同じこといってたし、黒も寂しがってた。」

灰は電話の黒に気づく。

「あっはははは!黒は毎日一緒だからいいでしょ!笑、なに寂しがってんのよー笑」

「ふぇっ、、え!灰!?なんで!!」

突然の灰の登場に目が覚めた黒はボーッとしながら驚く。

灰は白を抱き締めながらいった。

「きちゃった。」

それに怒る黒。

「ばかーー!!白は俺と寂しい同好会作るの!!」

「なにそれー笑ださーーー。」

「ださくないしーー、ね、白。」

自分の会社なのにいつもと同じ光景。

「まー、今日は白と二人だからお酒たーくさんのもうかなーっとおもって!」

「なんで!!俺も飲む!」

「あんたんちさけないじゃん!」

「ばかーー!!なんでー」

先ほどからこぼれる笑みが耐えきれなくなった白は大きな声で笑った。

「あっはははははは!!ははっ、、」

それに驚く灰と黒。

白は続ける。

「二人とも、、、



ありがとう。」


その言葉に二人も笑顔になる。

「別に、俺は白寂しいかなと思って電話しただけだし、」

「私もただ乗り込んだだけだし、、」

「俺ら仕事手伝える訳じゃねぇーしな」

「それ。」

白は二人を見ていう。

「そういうことじゃなくて、




隣に目の前にいてくれることが嬉しいんだ。」









 
森の奥に集まれなくたって三人は夜を紡いでいく。

退屈な日常だけどなくてはならない時間。

三人の存在は互いになくてはならないもの。

であったりする。












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