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しおりを挟む「とりあえず、先ずはこれが俺たちが考えた通りのものなのかを調べたい」
「……つまり?」
「図書室だ」
その後は、人目につかないように希輝とは距離をあけながら図書室へと向かった。
希輝はいつものように颯爽と、風を味方につけるかのように歩いていたけど、俺は忍者のようにコソコソと歩く。
放課後ということもあり、運よく誰ともすれ違うこともなかったけど、図書室の扉を開けた瞬間に運が尽きたことに気づいてしまった。
「えっ! なんで図書室に希輝くんが……」
「いつも真っ直ぐ家に帰るって噂だったよね」
「スポーツマンかと思ったら、本も読むなんて……素敵」
放課後に図書室で過ごしていた女子が、ひそひそと希輝に熱視線を送りながら囁く。
男子は突然図書室が騒がしくなったからか、それとも女子の視線を全て奪われたからか分からないけど、苛立つように希輝を見つめた。
その男女両方共に、俺の姿はまるで背景のように見えていないらしい。
「……本当、希輝ってどこに行っても人の視線を集めるよな」
「嬉しくない。それより、ほら。赤い糸について調べるぞ」
好奇の視線から逃げるように、俺の腕をつかんだ希輝が図書室の奥へと進んでいく。
希輝の顔はよく見ると強張っていて、本当に人が苦手なんだと分かってしまった。
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