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しおりを挟む「それは駄目だ!!」
「え」
距離を詰めてきた希輝の勢いにおされて、机ごとひっくり返りそうになった。
俺的には結構良い案だと思ったのに、希輝の必死すぎる形相に、なんと言えばいいのか分からない。
「で、でもさ。これで切れたら手っ取り早く解放されるかもしれないんだぞ?」
「恋愛云々は置いておいて、友情の縁とか……他のモノまで切れたらどうするんだよ!」
「……は?」
まさか、そんな心配をされるとは思いもしなかった。
口をぽかんと開けて希輝を凝視すれば、自分が口走った言葉の破壊力に気づいたのか、顔から湯気が出そうになっている。
「お、お前のことは初めて嫌じゃないって思えたから」
「あ……そ、そうか」
釣られるようにして、赤く染まっていく頬を手のひらでさすれば、なんだか熱を持っているような気がした。
突然しんと静まり返ったせいで、何だか居心地も悪くて逃げ出したい。
「まさか、人嫌いの希輝に好いてもらえるなんてな……わはは」
変な空気を壊そうと、わざとらしく笑い声をあげてみた。
「好きとまでは言ってない」
赤く染まった頬のまま、ひと睨みをしてきた希輝に、無理やり上げた片頬が硬直する。
一体、俺にどうしろと言うんだ。
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