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空波遥の章
掌の上②
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オレが空波について入ったのは、階を一つ昇ったところにあるトイレだった。
なんのためらいもなくすたすたと男子トイレに入っていく黒髪セーラー服美人の姿にやや圧倒されてしまうが。
「きゃー、こんなところで二人で話したいなんて、何するつもりよぉ。ま、まあ便器の上で本能に任せてガツガツ・・・・・・ってのも悪くはないけど・・・・・・。聡ってば意外とアグレッシブ・・・・・・」
「さらっとおぞましい妄想すんな!」
中身はオッサン級であった。時間もないことだし、とっとと用件を伝えることとする。遠まわしな表現をする気ももうない。
「いいか!オレはお前なんかと付き合う気は無い!気色悪いアプローチすんな!」
「ガーーーーン・・・・・・。気色悪いと言われてしまった・・・・・・。僕こんなに可愛いのに・・・・・・」
「可愛いのはもっともだ!認める!だがなあ、可愛いからって何してもいいわけじゃねえぞっ!ちょっとはこっちのことも考えてくれ!」
ついに言った。言い切った。さてどう出るかと相手の様子を伺うオレに、空波はいかにも悲しそうな表情を見せる。
「そんなあ・・・・・・。僕君のこと気に入ったのに。こんなに好きになれそうな子初めてなのに・・・・・・。めそめそ・・・・・・」
「嘘泣きしたって無駄だぞ」
「ちっ」
両手で顔を拭う仕草をしていた空波が、ぺろりと舌を出した。これもう何言っても無駄じゃね?感がどっと押し寄せる。
(だめだ、ここでくじけるからだめなんだ、頑張れオレ・・・・・・!)
とにかく子供にするように丁寧に言い含める。頼む、真面目に言えば通じる相手であってくれ。
「オレは勉強にしか興味ない。お前だってヘラヘラしてないで、真面目に勉強したらどうだ」
「勉強勉強って・・・・・・。そんなに勉強ばかりして何になるって言うのさ。一度きりしかない青春!さあ恋に遊びに友情に!共に汗を流そうじゃないか!」
「・・・・・・あのなあ」
痺れを切らしたオレは、気が付けばこんなことを言っていた。
「オレは毎日コツコツ真剣に努力してるんだ!お前がくだらねーおしゃれとか遊びとかにフラフラしてる合間にな!言っとくけどな、お前みたいな軽薄な野郎にオレを邪魔する権利なんか1mmもねーんだからな!」
なんのためらいもなくすたすたと男子トイレに入っていく黒髪セーラー服美人の姿にやや圧倒されてしまうが。
「きゃー、こんなところで二人で話したいなんて、何するつもりよぉ。ま、まあ便器の上で本能に任せてガツガツ・・・・・・ってのも悪くはないけど・・・・・・。聡ってば意外とアグレッシブ・・・・・・」
「さらっとおぞましい妄想すんな!」
中身はオッサン級であった。時間もないことだし、とっとと用件を伝えることとする。遠まわしな表現をする気ももうない。
「いいか!オレはお前なんかと付き合う気は無い!気色悪いアプローチすんな!」
「ガーーーーン・・・・・・。気色悪いと言われてしまった・・・・・・。僕こんなに可愛いのに・・・・・・」
「可愛いのはもっともだ!認める!だがなあ、可愛いからって何してもいいわけじゃねえぞっ!ちょっとはこっちのことも考えてくれ!」
ついに言った。言い切った。さてどう出るかと相手の様子を伺うオレに、空波はいかにも悲しそうな表情を見せる。
「そんなあ・・・・・・。僕君のこと気に入ったのに。こんなに好きになれそうな子初めてなのに・・・・・・。めそめそ・・・・・・」
「嘘泣きしたって無駄だぞ」
「ちっ」
両手で顔を拭う仕草をしていた空波が、ぺろりと舌を出した。これもう何言っても無駄じゃね?感がどっと押し寄せる。
(だめだ、ここでくじけるからだめなんだ、頑張れオレ・・・・・・!)
とにかく子供にするように丁寧に言い含める。頼む、真面目に言えば通じる相手であってくれ。
「オレは勉強にしか興味ない。お前だってヘラヘラしてないで、真面目に勉強したらどうだ」
「勉強勉強って・・・・・・。そんなに勉強ばかりして何になるって言うのさ。一度きりしかない青春!さあ恋に遊びに友情に!共に汗を流そうじゃないか!」
「・・・・・・あのなあ」
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