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60 もう信じられない
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「では、帰ろうか、シャーロット嬢? 今日は疲れたね」
「はい……」
わたくしはアーサー様の伸ばした手を取って、学園の正門に待機している馬車へと向かった。
なんだか、頭がぼんやりする。本当に疲れちゃったみたい。
「良ければ今日は私の馬車で送るよ。なんだか調子が悪そうだから一人にするのは心配だ」
「ありがとうございます……」
わたくしはぼうっとしながら、ただアーサー様の導かれるままに歩いた。ふわふわした心地よい気分だった。
本当に信頼できる方にやっと巡り会えたのね……。
第一王子との婚約が正式に決まった以上、わたくし一人の力ではもうどうすることもできない。でも、アーサー様は婚約解消に向けて動いてくださると約束してくれた。きっと彼に任せていれば安心よね。
だって、前回の人生も今回でも、わたくしを救おうと行動してくださっているんですもの。こんなに頼りになる方は他にいらっしゃらないわ。
わたくしがドゥ・ルイス家の馬車へ乗り込もうとした折も折、
「なにをしているんだ」
背後から険しい声音で呼び止められた。
振り返ると、そこにはハリー殿下――第二王子が眉根を寄せてわたくしたちを見つめていた。
「なにをって……シャーロット嬢を屋敷まで送り届けようとしているのだが?」アーサーさまが撥ね付けるように言い放つ。「身体の具合が悪そうだからね」
「シャーロット嬢は……」第二王子はじりじりとこちらに近付いて来る。「彼女は、あ……兄上の婚約者だ。令嬢が婚約者以外の令息と二人きりになるのは非常識だ。ましてや彼女は未来の王太子妃だぞ? こんなことが知られたら大問題になる」
「具合が悪いと言っただろう? 今は緊急事態だ。仕方あるまい。第二王子殿下は苦しんでいる者が目の前にいても、形式を取るのか? 王家の方は冷酷だな。まるで我々貴族とは異なる血が流れているようだ」
「話が飛躍している。僕が言いたいのは、今すぐにシャーロット嬢から離れろってことだけだ」
第二王子殿下は卒然とわたくしの腕を掴んて、
「シャーロット嬢、行こう? 屋敷までは僕が送るよ。馬車で二人きりになっても、第一王子の身内だったらなんの問題もないさ」
わたくしを連れて行こうと軽く引っ張った。
「離してくださいっ!」
わたくしは、その手を思い切り跳ね返す。そしてきっと第二王子を睨み付けた。
「ロ……ロッティー……?」
第二王子は目を見張って、ふらふらと半歩後ろに下がる。
「わたくしのことは放っておいてください! もうわたくしには構わないで!」
怒りのあまり声を荒らげた。
でも、これくらい強く言わないといけないわ。第二王子は前回の人生ではわたくしの味方の振りをして、陰では裏切って第一王子に与していた。きっと今回もそうに違いない。
……もう、騙されないわ。
わたくしは茫然自失とその場に突っ立っている第二王子からアーサー様に目を移して、
「失礼致しましたわ。では、参りましょう」
彼のエスコートでドゥ・ルイス家の馬車に乗り込んだ。
アーサー様の馬車の内部はブラウンを基調とした落ち着いた装飾で、柑橘類のような爽やかな香りが充満していて心が穏やかになった。安心するような香りで、なんだか頭の中がふわりととろけていくような感覚だ。ふわふわと不思議な気分だった。
わたくしは馬車に乗っている間、アーサー様といろいろな話をした。彼はとっても頭が良くて、お話していてたくさん勉強になったわ。
「おかえり、シャーロット」
ヨーク家に着いて馬車を降りると、アルバートお兄様が無表情でわたくしを待ち構えていた。
「お兄様、一体どうされたのですか? お外まで出てきて……」と、わたくしは困惑する。子供じゃないのに、わざわざ馬車の到着を待っているなんて。
「第二王子殿下の使いが早馬を飛ばして知らせてくれたんだ。シャーロットが具合が悪いようで、親切にもドゥ・ルイス公爵令息が送り届けてくれている、って」
「そうだったのですか。第二王子殿下ったら大袈裟ですわね」
お兄様の眉が微かに動いた気がした。
「シャーロットは王家に嫁ぐ身だから、弟君である殿下も心配されているんだよ。なにかあったら大変だからね」
「それは問題ありませんわ。だって今もアーサー様が送り届けてくださったんですもの」
お兄様はわたくしの手をぐいと引っ張って自身に寄せてから、
「ドゥ・ルイス公爵令息、今日はどうもありがとう。だが、君も知っての通り妹は第一王子殿下の婚約者だ。今日は急病という緊急の事態に迅速な対応をしてくれて礼を言うが、これからは王子たちかバイロン侯爵令嬢に任せてくれれば大丈夫だから。……君の親切心には感謝するよ」
わたくしは腹が立って渋面をつくった。
お兄様ったら、わたくしを助けてくださった恩人になんて失礼な物言いかしら。こんなの酷すぎるわ。
「おに――」
「そうか。今日はシャーロット嬢は体調が悪いのに一人で取り残されていたので、居ても立っても居られなくてね。悪いが、友人として彼女が困っていることがあればこれからも助力するつもりだ。勿論、第一王子の婚約者に失礼な真似はしないつもりだよ」
お兄様は静かに頷いてから「さ、行こう、シャーロット」と、わたくしの背中を押した。
「ま、待ってください」
わたくしはお兄様の腕をすり抜けてアーサー様の前に立って、
「アーサー様、本日はありがとうございました」
感謝の意を込めて丁寧にカーテシーをした。
彼はふっと微笑む。
「シャーロット嬢、お大事にね。ではまた明日」
そして静かに馬車に乗り込んだ。
わたくしは「早く屋敷に入りなさい」というお兄様の言葉を無視して、見えなくなるまでドゥ・ルイス家の馬車を見送った。
「どういうことだ、シャーロット」
屋敷の玄関ホールに入るなり、お兄様が眉を吊り上げてわたくしを問い質した。
「どういうことって……なにがですか?」
ムッとして思わず問い返す。
お兄様は大きくため息を付いて、
「なんでドゥ・ルイス公爵令息なんかと一緒に帰ってきたんだ、と聞いているんだ。彼は王弟派の頂点なんだぞ。分かっているのか?」
「ですから、さきほどアーサー様がおっしゃっていたでしょう? わたくしの調子が悪いからわざわざ送ってくださったのです。それをあのように追い返すような真似をするなんて、お兄様は失礼です!」
「シャーロットは第一王子の婚約者なんだ。他の令息と二人きりで馬車に乗るなんて非常識だろう。自分の立ち場を弁えなさい。なんでヘンリー殿下と一緒に帰らなかったんだ?」
わたくしはお兄様の険しい視線から、思わず目を逸した。
「……あんな方、知りませんわ」
お兄様は目を剥いて、
「どうしたんだ? 殿下となにかあったのか?」
「お兄様には関係ありませんわ。わたくしはもう疲れましたので失礼します」
わたくしは自室へと向かって歩き出した。すると、
「シャーロット!」
お兄様がわたくしの腕を掴んで呼び止める。そして両肩にどんと手を置いて、真正面からわたくしを見た。
「本当にどうしたんだ? 今日はなんだかおかしいぞ」
「……もう、放っておいてくださいっ!」わたくしはお兄様を強く突き飛ばす。「二度とわたくしの前であんな方の名前を出さないでっ!!」
わたくしはお兄様の顔を見ずに一目散に部屋へと駆け出した。そしてバタンと大きな音を立てて扉を閉める。
「うっ……うぅ…………」
堰を切ったように涙が溢れ出した。扉に身体をもたれながら、ずるずると床に座り込む。悲しくて悲しくて仕方なかった。
ハリー殿下……あんなに信じていたのに。
大好きだったのに…………。
もう、なにが真実か分からなかった。わたくしが縋っていたものは、なんだったの?
なにを信じればいいの?
これからどうすればいいの?
でも、一つだけ断言できることがある。
第二王子は……もう信じられない。
「はい……」
わたくしはアーサー様の伸ばした手を取って、学園の正門に待機している馬車へと向かった。
なんだか、頭がぼんやりする。本当に疲れちゃったみたい。
「良ければ今日は私の馬車で送るよ。なんだか調子が悪そうだから一人にするのは心配だ」
「ありがとうございます……」
わたくしはぼうっとしながら、ただアーサー様の導かれるままに歩いた。ふわふわした心地よい気分だった。
本当に信頼できる方にやっと巡り会えたのね……。
第一王子との婚約が正式に決まった以上、わたくし一人の力ではもうどうすることもできない。でも、アーサー様は婚約解消に向けて動いてくださると約束してくれた。きっと彼に任せていれば安心よね。
だって、前回の人生も今回でも、わたくしを救おうと行動してくださっているんですもの。こんなに頼りになる方は他にいらっしゃらないわ。
わたくしがドゥ・ルイス家の馬車へ乗り込もうとした折も折、
「なにをしているんだ」
背後から険しい声音で呼び止められた。
振り返ると、そこにはハリー殿下――第二王子が眉根を寄せてわたくしたちを見つめていた。
「なにをって……シャーロット嬢を屋敷まで送り届けようとしているのだが?」アーサーさまが撥ね付けるように言い放つ。「身体の具合が悪そうだからね」
「シャーロット嬢は……」第二王子はじりじりとこちらに近付いて来る。「彼女は、あ……兄上の婚約者だ。令嬢が婚約者以外の令息と二人きりになるのは非常識だ。ましてや彼女は未来の王太子妃だぞ? こんなことが知られたら大問題になる」
「具合が悪いと言っただろう? 今は緊急事態だ。仕方あるまい。第二王子殿下は苦しんでいる者が目の前にいても、形式を取るのか? 王家の方は冷酷だな。まるで我々貴族とは異なる血が流れているようだ」
「話が飛躍している。僕が言いたいのは、今すぐにシャーロット嬢から離れろってことだけだ」
第二王子殿下は卒然とわたくしの腕を掴んて、
「シャーロット嬢、行こう? 屋敷までは僕が送るよ。馬車で二人きりになっても、第一王子の身内だったらなんの問題もないさ」
わたくしを連れて行こうと軽く引っ張った。
「離してくださいっ!」
わたくしは、その手を思い切り跳ね返す。そしてきっと第二王子を睨み付けた。
「ロ……ロッティー……?」
第二王子は目を見張って、ふらふらと半歩後ろに下がる。
「わたくしのことは放っておいてください! もうわたくしには構わないで!」
怒りのあまり声を荒らげた。
でも、これくらい強く言わないといけないわ。第二王子は前回の人生ではわたくしの味方の振りをして、陰では裏切って第一王子に与していた。きっと今回もそうに違いない。
……もう、騙されないわ。
わたくしは茫然自失とその場に突っ立っている第二王子からアーサー様に目を移して、
「失礼致しましたわ。では、参りましょう」
彼のエスコートでドゥ・ルイス家の馬車に乗り込んだ。
アーサー様の馬車の内部はブラウンを基調とした落ち着いた装飾で、柑橘類のような爽やかな香りが充満していて心が穏やかになった。安心するような香りで、なんだか頭の中がふわりととろけていくような感覚だ。ふわふわと不思議な気分だった。
わたくしは馬車に乗っている間、アーサー様といろいろな話をした。彼はとっても頭が良くて、お話していてたくさん勉強になったわ。
「おかえり、シャーロット」
ヨーク家に着いて馬車を降りると、アルバートお兄様が無表情でわたくしを待ち構えていた。
「お兄様、一体どうされたのですか? お外まで出てきて……」と、わたくしは困惑する。子供じゃないのに、わざわざ馬車の到着を待っているなんて。
「第二王子殿下の使いが早馬を飛ばして知らせてくれたんだ。シャーロットが具合が悪いようで、親切にもドゥ・ルイス公爵令息が送り届けてくれている、って」
「そうだったのですか。第二王子殿下ったら大袈裟ですわね」
お兄様の眉が微かに動いた気がした。
「シャーロットは王家に嫁ぐ身だから、弟君である殿下も心配されているんだよ。なにかあったら大変だからね」
「それは問題ありませんわ。だって今もアーサー様が送り届けてくださったんですもの」
お兄様はわたくしの手をぐいと引っ張って自身に寄せてから、
「ドゥ・ルイス公爵令息、今日はどうもありがとう。だが、君も知っての通り妹は第一王子殿下の婚約者だ。今日は急病という緊急の事態に迅速な対応をしてくれて礼を言うが、これからは王子たちかバイロン侯爵令嬢に任せてくれれば大丈夫だから。……君の親切心には感謝するよ」
わたくしは腹が立って渋面をつくった。
お兄様ったら、わたくしを助けてくださった恩人になんて失礼な物言いかしら。こんなの酷すぎるわ。
「おに――」
「そうか。今日はシャーロット嬢は体調が悪いのに一人で取り残されていたので、居ても立っても居られなくてね。悪いが、友人として彼女が困っていることがあればこれからも助力するつもりだ。勿論、第一王子の婚約者に失礼な真似はしないつもりだよ」
お兄様は静かに頷いてから「さ、行こう、シャーロット」と、わたくしの背中を押した。
「ま、待ってください」
わたくしはお兄様の腕をすり抜けてアーサー様の前に立って、
「アーサー様、本日はありがとうございました」
感謝の意を込めて丁寧にカーテシーをした。
彼はふっと微笑む。
「シャーロット嬢、お大事にね。ではまた明日」
そして静かに馬車に乗り込んだ。
わたくしは「早く屋敷に入りなさい」というお兄様の言葉を無視して、見えなくなるまでドゥ・ルイス家の馬車を見送った。
「どういうことだ、シャーロット」
屋敷の玄関ホールに入るなり、お兄様が眉を吊り上げてわたくしを問い質した。
「どういうことって……なにがですか?」
ムッとして思わず問い返す。
お兄様は大きくため息を付いて、
「なんでドゥ・ルイス公爵令息なんかと一緒に帰ってきたんだ、と聞いているんだ。彼は王弟派の頂点なんだぞ。分かっているのか?」
「ですから、さきほどアーサー様がおっしゃっていたでしょう? わたくしの調子が悪いからわざわざ送ってくださったのです。それをあのように追い返すような真似をするなんて、お兄様は失礼です!」
「シャーロットは第一王子の婚約者なんだ。他の令息と二人きりで馬車に乗るなんて非常識だろう。自分の立ち場を弁えなさい。なんでヘンリー殿下と一緒に帰らなかったんだ?」
わたくしはお兄様の険しい視線から、思わず目を逸した。
「……あんな方、知りませんわ」
お兄様は目を剥いて、
「どうしたんだ? 殿下となにかあったのか?」
「お兄様には関係ありませんわ。わたくしはもう疲れましたので失礼します」
わたくしは自室へと向かって歩き出した。すると、
「シャーロット!」
お兄様がわたくしの腕を掴んで呼び止める。そして両肩にどんと手を置いて、真正面からわたくしを見た。
「本当にどうしたんだ? 今日はなんだかおかしいぞ」
「……もう、放っておいてくださいっ!」わたくしはお兄様を強く突き飛ばす。「二度とわたくしの前であんな方の名前を出さないでっ!!」
わたくしはお兄様の顔を見ずに一目散に部屋へと駆け出した。そしてバタンと大きな音を立てて扉を閉める。
「うっ……うぅ…………」
堰を切ったように涙が溢れ出した。扉に身体をもたれながら、ずるずると床に座り込む。悲しくて悲しくて仕方なかった。
ハリー殿下……あんなに信じていたのに。
大好きだったのに…………。
もう、なにが真実か分からなかった。わたくしが縋っていたものは、なんだったの?
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