「確かに俺は勇者ですけど、眠いんでちょっと待っててもらっていいっすか?」 ~1000年眠らされて最強になった勇者~

とある世界で魔王を倒した主人公は勇者と呼ばれるようになった。

あともう少しで世界が闇の覆われてしまうという危機を救い、世界に平和をもたらした勇者は人々から称えられて、多大な富も手にした。

しかし、勇者に平和は訪れなかった。

魔王を倒しても、その意志を継ぐ悪は世界に蔓延っている。来る日も来る日も魔王の仇討ちや後釜を狙う魔物と戦い続ける日々を送り、体と心は疲労を積み重ねるばかりだった。

そして、勇者が3日3晩戦い続けたある日のことであった。

久々に訪れた村でも魔物が悪さをしているということを知った勇者は限界を感じてしまった。休まないと死んでしまう。そう思ったから言った。

「確かに俺は勇者ですけど、眠いんでちょっと待っててもらっていいっすか?」

――事情を知らない村人たちは怒り、勇者を罵倒した。

それでも眠くて仕方がない。村人の反対を押し切り眠ってしまった勇者。

そんな彼に対して、村に住む呪術師は1000年の眠りを付与する呪いをかけてしまう……。

「そんなに眠りたければ、一生眠ってしまえ」

呪いは成功して、勇者は1000年の眠りにつく。

しかし、1つ誤算があった。勇者のスキルが「状態異常学習」であったということである……。



1000年眠って最強になった勇者が安眠を求めて異世界を過ごす話。
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