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word29 「ゲームのフレンド 顔」③

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「すみません!」

 オンライン集会所にパーティ全員が戻されるとすぐに僕はチャットを打った。

「わざとじゃないんです!本当にすみません!」

 間髪入れずにさらにチャットを打つ。誠意を見せるための2段階謝罪だ。

「気にしなくていいですよ~(。・ω・。)」
「どんまい」

 チャット欄に流れてくる文字。怒られるかと不安だったけれど、返信は優しいものが返ってきた。

「もう夜も遅くなってきましたしミスもありますよね(。・ω・。)」
「そうだね」

「すみません……」

「そんなに謝らなくていいですよ(。・ω・。)」
「てか、初心者ですよねポンカンさんw(。・ω・。)」

 バレていた。そして今の僕にはさすがに嘘をつき通すほどの度胸は無かった。

「すみません!実は初めてだったんです!さっきの敵と戦うのも初めてで!」

「ですよね(。・ω・。)」
「(笑)」

「このパーティに参加したのも本当は押しミスだったんです……」

「wwww(。・ω・。)」
「www」

 入力しづらいコントローラーで僕は急いでチャットを続ける。

「全然気にしてないですよ(。・ω・。)」
「逆に凄いなww」

「えへへ……」

「まだやります(。・ω・。)?」

「え、まだいいんですか!?」

「負けて終わりもあれですし、もう少しだけ(。・ω・。)」
「ああ」

「行きましょう!」

 何て良い人たちなんだろう。僕はそう思った。ネトゲ廃人と言えば悪いイメージを持ちがちだけれど、たまたま出会ったこの人たちはとても心の広い人達だ。

 それから僕たちこと……最高のパーティはまた1時間ほどオンラインプレイを楽しんだ。途中で戦うのはやめてチャットに移行すると、僕は2人に攻略情報なんかを教えてもらった。あのモンスターはここにいて、こう育てるといいだとか。

 印象に残ったのはその知識量の多さとチャット入力の早さだ。僕が何かを質問をすると、驚くほどの早さで答えを教えてくれた。分からない用語もあったけれど、丁寧に答えてくれて優しさは伝わった。

「それじゃあここらへんで(。・ω・。)」

「はい!ありがとうございました!」

「またやりましょ(。・ω・。)」
「やりましょやりましょ」

「いいんですか?やりたいです」

「はい またいつでも入ってきてください(。・ω・。)」
「それでは おやすみなさい」

「さようなら!おやすみなさい!」

 こうしてお開きになった時に、時刻はもう深夜の3時になっていた。

 こんなに遅くまで起きていたのは久しぶりだろう。寝たら確実に昼まで眠る。

 突然一緒に遊ぶことになったけれど、本当に良い人たちであった。なんだかゲームが面白かった以上に得られたものがあった。

 強くて優しくて……。

 そして……。

 「hinacorin♡」さんは絶対かわいいっ。
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感想 1

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