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word25 「両親 SEX」
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黒いマウスを手にしてからの2回目の検索を行う時が来た。基本的な方針は何かしら動画を検索することだ。昨日は画像だったから今日は動画。
高校から帰宅して数時間が経ってから僕は黒いパソコンを取り出していた。すぐに動画検索をしたいという気持ちを抱えながら夕飯を食って風呂に入って、明日までにやっておくべき授業の課題もこなして。その後に。
我慢して我慢して、何も気にすることは無い状態で臨みたかった。楽しみを後に取っておくことで、いざその時が来た時に最大限の幸福を感じたい。今日はそういう思考が働いたのだ。普段から最後の1口は好物で締めるタイプでもある。
しかし、待ちに待った時が来たというのに僕はすぐに操作はせず、まだまだ検索するのを後回しにする態勢になっていた。
理由は決めかねているからだ。どんな動画を検索するか迷っていた。
そりゃまあ見てみたい映像なんてものは山程ある。だからどれにしようか迷っている…………という訳ではない。半分は正解だけど動画検索1発目ならどんな感じで見れるのか知れれば満足だし雑に最初に思い付いたものでも良いのだ。
今日の僕の最大の迷いポイントは他にある。それはずばり今僕に性欲があまりないということだ。
昨日黒いパソコンで検索した超高画質若手女優の裸は自分のスマホで撮影することでしっかりと保存してあった。昨日だけで随分それにお世話になったし、僕は今それだけで満足してしまっている。
あの画像は僕のエロ歴史に名を刻む衝撃的なものだったし、当分はあれ以上を欲しいと思えない。逆にあれ以上に来られるとちょっとしんどい気までする。それはまた後々でよくて、今は全く欲が無い。
だとしたら何を検索するというのだ。何でも見れるなんて言われると、僕の頭ではエロ以外思いつかない。そういう理由で僕は悩んでいた。
テレビの衝撃映像特集なんかでやっている大事故の映像だとか未知の生物の映像だとかは別に興味が無いし、そこまでできるのか知らないけど宇宙の成り立ちだとか未来の地球だとかはありっちゃありだけど知ったところでどうなるの感があった。どうやって宇宙ができたのかよりは女の子のスカートの裏のほうが気になる……。
今どき本当にあらゆるジャンルでたくさんの動画がネットに出回っているし、黒いパソコンで無くても大抵の需要には答えてくれる。だけど今回の検索では黒いパソコンならではのものでないと……だとすると……。
「ダメだ……。エロいことしか思いつかん……」
しばらく考えた後に僕は頭を抱えた。どれだけ考えを巡らせてもエロい所にしか到着しない。
それと同時に情けなくもなってきた。さすがに昨日からそればっかり考え過ぎである。高校での授業中でも頭の中は若手女優の裸でいっぱいだったし、今もスマホでなんとなくその画像を見ながら考えてしまっている。
ちょっとほんまにあかんぞこれは。その気が湧かない状態の頭でもこれなんて。僕はそう思った。
このままではまずい。画像検索や動画検索がエロという分野で最強すぎてそれに溺れかけている。本来もっと利益になるはずの黒いパソコンがエロ専用機になってしまうぞ。
僕はそこで決めた。今回の検索はエロを消す為に使おう。
そう決めると何を検索するかは不思議とすぐに答えが出た――。世の男を最も萎えさせる、最も見たくない夜の営み――。
「両親 SEX」
その文字を見ただけで僕の中からかなりのエロがすっと抜けていった。見たく無さ界の王であると断言できる。見たくなさ過ぎて逆にやっぱりやめようとも思わない。グロ映像を見ようとするときのような怖い物見たさがあった。
マウスも操作して、あとはEnterキーを押すだけ。本当にそれだけでこれからそんな映像も流れるのだろうか。
流れて欲しいような流れてほしくないようなそんな気分でその先へ進んだ――。
最初に大きく表示されたのはベッドだった。うちの両親の寝室に置いてあるベッドだ。徐々にカメラが引いていって……そのベッドの上に裸の両親が抱き合う形でいた。
これはいくつぐらいの時だろう。今よりは若い感じがする。僕が小学生の頃くらいの2人はこんな感じだったろうか。
すぐに行為は始まるみたいで肥満体系の父が腹で押しつぶすような形で母と重なる。
そして最初の喘ぎ声が――と、僕はそこで早々にウインドウを閉じた。
もう我慢ならん。ものの十数秒で僕は限界を迎えた。これ以上こんなものをまともに見ることなんてできない。
たったの十数秒であったけど確実にしばらくトラウマになる。さっきまで幸せなエロが頭を支配していたのに、今ではエロを考えようとすると必ずあれが邪魔をする。きっと薄れていくまでずっとそうだ。
作戦通りではあるけれど、自分の想像以上の衝撃があった。久しぶりの父の濃いけつ毛とそれのアップ、両親の性器なんていつ頃頭から消えてくれるか。
でも良かった。これで良かったのだ。ありがとう、父さん。ありがとう、母さん。
「おえっ」
高校から帰宅して数時間が経ってから僕は黒いパソコンを取り出していた。すぐに動画検索をしたいという気持ちを抱えながら夕飯を食って風呂に入って、明日までにやっておくべき授業の課題もこなして。その後に。
我慢して我慢して、何も気にすることは無い状態で臨みたかった。楽しみを後に取っておくことで、いざその時が来た時に最大限の幸福を感じたい。今日はそういう思考が働いたのだ。普段から最後の1口は好物で締めるタイプでもある。
しかし、待ちに待った時が来たというのに僕はすぐに操作はせず、まだまだ検索するのを後回しにする態勢になっていた。
理由は決めかねているからだ。どんな動画を検索するか迷っていた。
そりゃまあ見てみたい映像なんてものは山程ある。だからどれにしようか迷っている…………という訳ではない。半分は正解だけど動画検索1発目ならどんな感じで見れるのか知れれば満足だし雑に最初に思い付いたものでも良いのだ。
今日の僕の最大の迷いポイントは他にある。それはずばり今僕に性欲があまりないということだ。
昨日黒いパソコンで検索した超高画質若手女優の裸は自分のスマホで撮影することでしっかりと保存してあった。昨日だけで随分それにお世話になったし、僕は今それだけで満足してしまっている。
あの画像は僕のエロ歴史に名を刻む衝撃的なものだったし、当分はあれ以上を欲しいと思えない。逆にあれ以上に来られるとちょっとしんどい気までする。それはまた後々でよくて、今は全く欲が無い。
だとしたら何を検索するというのだ。何でも見れるなんて言われると、僕の頭ではエロ以外思いつかない。そういう理由で僕は悩んでいた。
テレビの衝撃映像特集なんかでやっている大事故の映像だとか未知の生物の映像だとかは別に興味が無いし、そこまでできるのか知らないけど宇宙の成り立ちだとか未来の地球だとかはありっちゃありだけど知ったところでどうなるの感があった。どうやって宇宙ができたのかよりは女の子のスカートの裏のほうが気になる……。
今どき本当にあらゆるジャンルでたくさんの動画がネットに出回っているし、黒いパソコンで無くても大抵の需要には答えてくれる。だけど今回の検索では黒いパソコンならではのものでないと……だとすると……。
「ダメだ……。エロいことしか思いつかん……」
しばらく考えた後に僕は頭を抱えた。どれだけ考えを巡らせてもエロい所にしか到着しない。
それと同時に情けなくもなってきた。さすがに昨日からそればっかり考え過ぎである。高校での授業中でも頭の中は若手女優の裸でいっぱいだったし、今もスマホでなんとなくその画像を見ながら考えてしまっている。
ちょっとほんまにあかんぞこれは。その気が湧かない状態の頭でもこれなんて。僕はそう思った。
このままではまずい。画像検索や動画検索がエロという分野で最強すぎてそれに溺れかけている。本来もっと利益になるはずの黒いパソコンがエロ専用機になってしまうぞ。
僕はそこで決めた。今回の検索はエロを消す為に使おう。
そう決めると何を検索するかは不思議とすぐに答えが出た――。世の男を最も萎えさせる、最も見たくない夜の営み――。
「両親 SEX」
その文字を見ただけで僕の中からかなりのエロがすっと抜けていった。見たく無さ界の王であると断言できる。見たくなさ過ぎて逆にやっぱりやめようとも思わない。グロ映像を見ようとするときのような怖い物見たさがあった。
マウスも操作して、あとはEnterキーを押すだけ。本当にそれだけでこれからそんな映像も流れるのだろうか。
流れて欲しいような流れてほしくないようなそんな気分でその先へ進んだ――。
最初に大きく表示されたのはベッドだった。うちの両親の寝室に置いてあるベッドだ。徐々にカメラが引いていって……そのベッドの上に裸の両親が抱き合う形でいた。
これはいくつぐらいの時だろう。今よりは若い感じがする。僕が小学生の頃くらいの2人はこんな感じだったろうか。
すぐに行為は始まるみたいで肥満体系の父が腹で押しつぶすような形で母と重なる。
そして最初の喘ぎ声が――と、僕はそこで早々にウインドウを閉じた。
もう我慢ならん。ものの十数秒で僕は限界を迎えた。これ以上こんなものをまともに見ることなんてできない。
たったの十数秒であったけど確実にしばらくトラウマになる。さっきまで幸せなエロが頭を支配していたのに、今ではエロを考えようとすると必ずあれが邪魔をする。きっと薄れていくまでずっとそうだ。
作戦通りではあるけれど、自分の想像以上の衝撃があった。久しぶりの父の濃いけつ毛とそれのアップ、両親の性器なんていつ頃頭から消えてくれるか。
でも良かった。これで良かったのだ。ありがとう、父さん。ありがとう、母さん。
「おえっ」
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