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word13 「パンチラスポット 今日」
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「無人島に1つだけ持っていくなら何を持っていく?」という質問がある。
大抵の人はライターだとかナイフだと答えるだろう。もしくは水とか食料。僕もその辺りが安定だと思っていた。
けど今の僕がその質問に回答するなら、答えはこうだ。
「何でも検索できる黒いパソコン」
これがあれば間違いない。火の起こし方や食料の手に入れ方も黒いパソコンに聞いてしまえば話は早いのだから。無人島からの脱出の仕方もすぐに教えてくれるだろう。
そんな無人島遭難時にも使える便利アイテム、黒いパソコン。突然僕の元に現れてから僕はこれに頼りっきりだ。
ありきたりな質問の答えとしてもすぐに思いつくくらい身近な物にもなった。
それがかなり昔から存在していたことを知った僕は黒いパソコンのキーボードの上に指を置いて考え事をしていた。朝方の話である。
先日の検索では古代エジプト人がピラミッドの建造法を調べるのに黒いパソコンを使っていたことが明らかになった。そうなると少なくとも1000年とか2000年以上前からこのパソコンは存在していたということになるということ。
ピラミッドが建てられた年なんてよく知らないけど……。
なんとなく触れてみるキーボードにはアルファベッドが並んだ文字を打つキーだけでなく、ファンクションキーやAltキーCtrlキーも存在していた。押してみても何かが起こるという訳でもないボタンではあるが。
検索機能以外にこのパソコンの機能として僕が知っているのは音声認識機能くらい。文字を打ちこまなくても声で言えば検索ワードを入力できる。それだけ。
とにかくこのパソコンにはまだまだ謎が多い……。
「あああ……」と打ち込んではBackSpaceキーを同じ数だけ押して消す。そうやって指を遊ばせながら僕の考え事は続いた。
でもまあ、機能は検索だけだとは思う。初めにこのパソコンについて検索した時そうとしか教えられなかったし、適当に思いつく操作をしても何も起こらない。
僕が今考えているのはなぜ僕の元へ来たかということだ。
世界中の謎にこのパソコンが関係しているということについてよくよく考えた時、僕はこのパソコンが僕の元へ来たことに何か意味があるのではないかという思考に辿り着いた。
それというのも、世界に残る謎を作るって凄いことだ。
凄いことをした人は凄い人だ。
凄い人がこのパソコンを持っていた。
つまり、このパソコンを現在持っている僕も凄い人なのである。
凄い人になる可能性があると言ったほうがいいだろうか。今現在はただの16歳だけれどこの先何か凄いことを成すという天命みたいなものがあるんじゃないだろうか。
だから黒いパソコンは僕の元に現れた。そう気づくと考え込まずにはいられなかった。
もしも僕にこの先何かを成さなければならない大きな運命が待っているとしたら、僕は今何をすべきだろうか。それに備えたほうが良いだろうか――。
そしてもしも備えたとして、このパソコンの力があったとしても乗り越えることができるだろうか――。
朝のまだ眠気が抜けきっていない時に、さも自分が世界の主人公になったような気分で鼓動を高鳴らせた。中二の時以来の感覚である。
そろそろ家を出る時間になった時に僕は今日の検索ワードを入力した。考え込んだ結果に辿り着いたワードだった。
「パンチラスポット 今日」
いかん。指が勝手に入力してしまった。考えるのがめんどくさくなってきて一旦後回しにすることになった。このワードを検索するのなんてもう3回目だというのに。
動画投稿サイトとかにいくつかあるもの凄いパンチラの動画。あんな風な中々お目にかかれないけれど日常的にどこかで起こっている幸せ景色と巡り合わせてくれる神ワードである――。
その日の午後、学校の帰り道。狙いを定めていた僕の視線はしっかりとその景色を捉えた。
強風に吹かれてだいぶがっつりめくれ上がった同じ学校に通う女子生徒のスカート。その中にあった純白のパンツを。さらに向こうにうっすら見えた黒い毛まで。
ふっ……。
大抵の人はライターだとかナイフだと答えるだろう。もしくは水とか食料。僕もその辺りが安定だと思っていた。
けど今の僕がその質問に回答するなら、答えはこうだ。
「何でも検索できる黒いパソコン」
これがあれば間違いない。火の起こし方や食料の手に入れ方も黒いパソコンに聞いてしまえば話は早いのだから。無人島からの脱出の仕方もすぐに教えてくれるだろう。
そんな無人島遭難時にも使える便利アイテム、黒いパソコン。突然僕の元に現れてから僕はこれに頼りっきりだ。
ありきたりな質問の答えとしてもすぐに思いつくくらい身近な物にもなった。
それがかなり昔から存在していたことを知った僕は黒いパソコンのキーボードの上に指を置いて考え事をしていた。朝方の話である。
先日の検索では古代エジプト人がピラミッドの建造法を調べるのに黒いパソコンを使っていたことが明らかになった。そうなると少なくとも1000年とか2000年以上前からこのパソコンは存在していたということになるということ。
ピラミッドが建てられた年なんてよく知らないけど……。
なんとなく触れてみるキーボードにはアルファベッドが並んだ文字を打つキーだけでなく、ファンクションキーやAltキーCtrlキーも存在していた。押してみても何かが起こるという訳でもないボタンではあるが。
検索機能以外にこのパソコンの機能として僕が知っているのは音声認識機能くらい。文字を打ちこまなくても声で言えば検索ワードを入力できる。それだけ。
とにかくこのパソコンにはまだまだ謎が多い……。
「あああ……」と打ち込んではBackSpaceキーを同じ数だけ押して消す。そうやって指を遊ばせながら僕の考え事は続いた。
でもまあ、機能は検索だけだとは思う。初めにこのパソコンについて検索した時そうとしか教えられなかったし、適当に思いつく操作をしても何も起こらない。
僕が今考えているのはなぜ僕の元へ来たかということだ。
世界中の謎にこのパソコンが関係しているということについてよくよく考えた時、僕はこのパソコンが僕の元へ来たことに何か意味があるのではないかという思考に辿り着いた。
それというのも、世界に残る謎を作るって凄いことだ。
凄いことをした人は凄い人だ。
凄い人がこのパソコンを持っていた。
つまり、このパソコンを現在持っている僕も凄い人なのである。
凄い人になる可能性があると言ったほうがいいだろうか。今現在はただの16歳だけれどこの先何か凄いことを成すという天命みたいなものがあるんじゃないだろうか。
だから黒いパソコンは僕の元に現れた。そう気づくと考え込まずにはいられなかった。
もしも僕にこの先何かを成さなければならない大きな運命が待っているとしたら、僕は今何をすべきだろうか。それに備えたほうが良いだろうか――。
そしてもしも備えたとして、このパソコンの力があったとしても乗り越えることができるだろうか――。
朝のまだ眠気が抜けきっていない時に、さも自分が世界の主人公になったような気分で鼓動を高鳴らせた。中二の時以来の感覚である。
そろそろ家を出る時間になった時に僕は今日の検索ワードを入力した。考え込んだ結果に辿り着いたワードだった。
「パンチラスポット 今日」
いかん。指が勝手に入力してしまった。考えるのがめんどくさくなってきて一旦後回しにすることになった。このワードを検索するのなんてもう3回目だというのに。
動画投稿サイトとかにいくつかあるもの凄いパンチラの動画。あんな風な中々お目にかかれないけれど日常的にどこかで起こっている幸せ景色と巡り合わせてくれる神ワードである――。
その日の午後、学校の帰り道。狙いを定めていた僕の視線はしっかりとその景色を捉えた。
強風に吹かれてだいぶがっつりめくれ上がった同じ学校に通う女子生徒のスカート。その中にあった純白のパンツを。さらに向こうにうっすら見えた黒い毛まで。
ふっ……。
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