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第16話
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今回の戦いは結論から言えばアーデルヘルム率いる騎士団が勝利した。
予想通り帝国軍はこの国を経路に使うつもりだったらしく、帝国が隣国に足を踏み入れた瞬間に戦いは始まった。
敵の命を奪う、まさに命懸けの戦い。不穏な動きを察知して前もって後発隊を呼んでおり、数は圧倒的に王国側が有利だった。
突然の奇襲に帝国側は反応が遅れ、陣が乱れたのも良かったらしい。
アーデルヘルムは迫り来る敵兵を切り倒しながら、一番奥にいる敵の将へと刃を向けた。
敵の将軍はアーデルヘルムと互角の腕を持ち、激しい鍔迫り合いに周りは手出しができなかった。
前日の雨のせいでぬかるんだ地面に足を滑らせたアーデルヘルムを敵将は見逃さず、すぐに首へと刀を振り下ろす。
アーデルヘルムはすぐに反応して俊敏に刀を避け、反応が遅れた将軍の首を跳ね飛ばした。
地面の転がる将軍の頭に戦場は静寂に包まれた。
敵兵達は将が殺されたことを理解した瞬間に自国へと逃げ帰る。
終息した戦いに、王国兵の野太い雄叫びが上がった。皆が肩や腕を組んで喜び合った。
さすがのアーデルヘルムも満身創痍でその場に立ち尽くしていると、タオルやら飲み物を抱えた新兵がアーデルヘルムに駆け寄ってくる。
アーデルヘルムが新兵の方に顔を向けた瞬間、顔に緊張が走った。
どこに隠れていたのか、木の影から敵の残飯兵が新兵の後ろで弓を引いていたのだ。
気づいた瞬間に矢が放たれ、アーデルヘルムは新兵を庇い重症を負った、ということらしい。
アーデルヘルムが運び込まれて昏睡状態に陥ったとき、彼に庇われた新人は訓練もできないほど憔悴していたらしい。
そしてアーデルヘルムの目が覚めたと聞いた新人騎士は周りがドン引くぐらいアーデルヘルムに縋りついて号泣していたとか。
そして此度の帝国の裏切り。貴族たちは今すぐにでも戦争を始めるべきだと国王である父に進言した。将軍を失った今、帝国は容易く落とすことができるだろうと。
だがこちらとて騎士団長が重症を負っているのだ。そんな中で騎士団の意気など上がるはずがない。
それでも不満気な貴族たちに父は「ならば貴様達が戦場に赴くか」と聞いたら黙ったらしい。
父もできることなら戦争などしたくないのだ。戦争が起きれば国民も巻き込むことになる。
それに今回の裏切り行為は交渉術に使えると考えた父は、『今回は許すが王国はいつでも帝国を潰せるぞ。嫌なら大人しくしとけ』と、簡単に言えばそんなことを帝国へ文を出した。
将軍だけでなく多くの兵を失い痛手を負った帝国はそれを飲んだ。国王の手腕によりまた休戦条約が結ばれたが、今の皇帝は一癖も二癖もある人らしい。
今後どうなるかは次期国王候補であるエミリオの手腕次第だ。
◇◇◇
そんなこんなでしっかり療養したアーデルヘルムは近衛騎士団に完全復帰を果たし、国王の間に召喚された。
その場にいる大臣や貴族院の重鎮、近衛騎士団、王太子、王子二人、そして王女である私は国王両陛下の前で跪き頭を下げるアーデルヘルムを見守る。
「此度国のために命をかけて戦ってくれたこと、お礼を言う。シュタインベック近衛騎士団長」
「有難きお言葉でございます」
「して。敵の将を討ち取った貴公に褒美を与えたいのだが何かないか?」
「ーーでは一つだけ」
「ふむ。言ってみろ」
国王の許しを得てアーデルヘルムは顔を上げ、両親の傍に控える私を見て玉座に座る国王と王妃へと顔を向けた。
「国王陛下の御息女、そして私の婚約者であるヴェロニカ・エッフェンベルガー王女殿下と婚姻することをお許し願えませんか」
ザワッと貴族たちが騒ぎ出す。
目を逸らさずじっと見上げてくるアーデルヘルムに、父は不敵に笑って私の方を見る。
「ヴェロニカ」
「はい。お父様」
父に呼ばれて兄たちの後ろに控えていた私は前に出てアーデルヘルムの側に立つ。
「お前はどうしたい」
「私の気持ちは最初から決まっております。私の夫はアーデルヘルムしかおりません」
真っすぐと父を見て自分の意志を伝えると父と母は顔を見合わせ、母は父へと頷き、父は歯を見せて笑った。
「アーデルヘルム・シュタインベック」
「はっ」
「貴公の願い叶えよう。我が愛娘のヴェロニカとの婚姻を許す!」
「ありがとうございます。必ず幸せにいたします」
「当たり前だ!!」
母が私たちに拍手を送ってくれ、戸惑っている貴族たちにも拍手が広がっていき、わっと盛大な歓声が上がる。
近衛騎士たちは「団長おめでとうございますー!」と祝福の声を送ってくれてアーデルヘルムは顔を上げて苦笑いし、私を見て優しく微笑んだ。
ずっと望んできた願い。それがようやく叶い、私は目じりに涙を溜めてアーデルヘルムに笑い返した。
◇◇◇
その日の夜。
家族とアーデルヘルムとの晩餐会を終えて、遅くなったこともありアーデルヘルムは王宮に泊まることになった。
寝る前のひと時、部屋を訪れたアーデルヘルムとベッドに腰かけて手を繋いで今日のことを話していた。
「お父様のことだから難癖つけるかと思ってたけど、無事お許しが出て良かったわね」
「はは。そうですね」
「でもせっかくの褒美をこんなことに使って良かったの? 婚約者なんだから別に普通に話せば良かったのに」
「……私は陛下より男爵の位を賜りましたがただの騎士です。そんな私が王女様に婚姻を申し出ても貴族達が許さないでしょう。なら国のために戦果を上げて褒美として申し出れば文句は言われないかなと思いまして」
「はぁ……さすが騎士団長だわ」
「ありがとうございます」
貴族たちがまだ私たちの婚約に不満を持っていたのは知っていた。
どう黙らせようかと考えていたのだが、王が公式の場で正式に許したのだから文句は言えまい。貴族よりアーデルヘルムのほう上手だったようだ。
一人頷いていると、繋ぐ手がギュッと強く握られ心臓が高鳴る。
「――ヴェロニカ様」
「っ!」
体をこちらに近づけて、アーデルヘルムは顔を覗き込んでくる。その表情を見て、先日の出来事を思い出してしまった。
アーデルヘルムが目を覚ましたとき、私は動けない彼の唇を奪ってしまった。
そのとき、体が完治したら今度は自分からキスをさせてほしいとお願いされたのだ。
そして今、彼は完全に完治している。
私が思い出したのが分かったのか、アーデルヘルムは口角を上げて顔を近づけてくる。
あの時は衝動的にしてしまったから意識してなかったが、好きな人とキスをすると思ったら心臓が口から出そうで手汗がやばい。
だんだん近づいてくる端正な顔を見ていることが出来なくてギュッと目を瞑ると、頬に熱い手が添えられて小さく跳ねる。
顔の近くに吐息を感じて、あぁキスするんだ、と覚悟を決めたとき。
ーードンドンドン!!
部屋のドアを力強く叩く音にビクッと体が跳ねて目を見開く。目の前には同じようにドアのほうを見て驚いた顔をしているアーデルヘルムがあった。
そして返事をするのも待たずにドアが開かれて、部屋に入ってきたのは兄たちだった。
レオ兄様を先頭にエミリオ兄様、そしてユージオ兄様が手を挙げて「やあ」と呑気に挨拶をしてきた。
「兄様たち! こんな夜更けに何の用よ!」
「こんな夜更けに部屋に連れ込まれてる男に用があるんだよ!」
「連れ込む……っ!」
レオ兄様の言葉に一気に熱が顔に集まった。
連れ込むなんて言いがかりだ。今日は二人きりになれる時がなかったからこんな時間になっただけ。
それに私たちは結婚が約束されているのだから一緒にいて文句を言われる筋合いはない。
思い切り兄様を睨んでも何とも思われず、レオ兄様は隣に座るアーデルヘルムを指さす。
「アーデルヘルム!」
「はい」
「父上が許しても、お前に大事な妹を渡すことは俺たちは許してない!」
レオ兄様はそう言ってアーデルヘルムのほうへ木剣を差し出す。後ろにいる兄二人の手にもそれぞれ同じ木剣があった。
「勝負だ! 俺たち全員倒せたらヴェロニカと結婚することを認めてやる!」
「はぁ!?」
何を言い出すのだこの妹馬鹿は。
文句を言いたくても言葉がでず口をパクパクさせていると、隣に座っていたアーデルヘルムは立ち上がってレオ兄様から木剣を受けっとった。
まさか……。
「分かりました。私がお三方を倒せば今後は出しゃばってくることはないんですね」
「ああ。倒せればだからな。昔とは違うぞ」
「お前と手合わせするのは久方ぶりだからな。楽しみだ」
「僕が勝ったら副団長に休暇増やすのお願いしてくださいね」
なぜかやる気満々の男たちは、当の本人である私を置いて部屋を出て行った。
一人部屋に残された私は怒りでナイトドレスのスカートを皺が寄るほどに握りしめ大きく息を吸い込み、
「もーー! 兄様たちのバカーーー!!」
予想通り帝国軍はこの国を経路に使うつもりだったらしく、帝国が隣国に足を踏み入れた瞬間に戦いは始まった。
敵の命を奪う、まさに命懸けの戦い。不穏な動きを察知して前もって後発隊を呼んでおり、数は圧倒的に王国側が有利だった。
突然の奇襲に帝国側は反応が遅れ、陣が乱れたのも良かったらしい。
アーデルヘルムは迫り来る敵兵を切り倒しながら、一番奥にいる敵の将へと刃を向けた。
敵の将軍はアーデルヘルムと互角の腕を持ち、激しい鍔迫り合いに周りは手出しができなかった。
前日の雨のせいでぬかるんだ地面に足を滑らせたアーデルヘルムを敵将は見逃さず、すぐに首へと刀を振り下ろす。
アーデルヘルムはすぐに反応して俊敏に刀を避け、反応が遅れた将軍の首を跳ね飛ばした。
地面の転がる将軍の頭に戦場は静寂に包まれた。
敵兵達は将が殺されたことを理解した瞬間に自国へと逃げ帰る。
終息した戦いに、王国兵の野太い雄叫びが上がった。皆が肩や腕を組んで喜び合った。
さすがのアーデルヘルムも満身創痍でその場に立ち尽くしていると、タオルやら飲み物を抱えた新兵がアーデルヘルムに駆け寄ってくる。
アーデルヘルムが新兵の方に顔を向けた瞬間、顔に緊張が走った。
どこに隠れていたのか、木の影から敵の残飯兵が新兵の後ろで弓を引いていたのだ。
気づいた瞬間に矢が放たれ、アーデルヘルムは新兵を庇い重症を負った、ということらしい。
アーデルヘルムが運び込まれて昏睡状態に陥ったとき、彼に庇われた新人は訓練もできないほど憔悴していたらしい。
そしてアーデルヘルムの目が覚めたと聞いた新人騎士は周りがドン引くぐらいアーデルヘルムに縋りついて号泣していたとか。
そして此度の帝国の裏切り。貴族たちは今すぐにでも戦争を始めるべきだと国王である父に進言した。将軍を失った今、帝国は容易く落とすことができるだろうと。
だがこちらとて騎士団長が重症を負っているのだ。そんな中で騎士団の意気など上がるはずがない。
それでも不満気な貴族たちに父は「ならば貴様達が戦場に赴くか」と聞いたら黙ったらしい。
父もできることなら戦争などしたくないのだ。戦争が起きれば国民も巻き込むことになる。
それに今回の裏切り行為は交渉術に使えると考えた父は、『今回は許すが王国はいつでも帝国を潰せるぞ。嫌なら大人しくしとけ』と、簡単に言えばそんなことを帝国へ文を出した。
将軍だけでなく多くの兵を失い痛手を負った帝国はそれを飲んだ。国王の手腕によりまた休戦条約が結ばれたが、今の皇帝は一癖も二癖もある人らしい。
今後どうなるかは次期国王候補であるエミリオの手腕次第だ。
◇◇◇
そんなこんなでしっかり療養したアーデルヘルムは近衛騎士団に完全復帰を果たし、国王の間に召喚された。
その場にいる大臣や貴族院の重鎮、近衛騎士団、王太子、王子二人、そして王女である私は国王両陛下の前で跪き頭を下げるアーデルヘルムを見守る。
「此度国のために命をかけて戦ってくれたこと、お礼を言う。シュタインベック近衛騎士団長」
「有難きお言葉でございます」
「して。敵の将を討ち取った貴公に褒美を与えたいのだが何かないか?」
「ーーでは一つだけ」
「ふむ。言ってみろ」
国王の許しを得てアーデルヘルムは顔を上げ、両親の傍に控える私を見て玉座に座る国王と王妃へと顔を向けた。
「国王陛下の御息女、そして私の婚約者であるヴェロニカ・エッフェンベルガー王女殿下と婚姻することをお許し願えませんか」
ザワッと貴族たちが騒ぎ出す。
目を逸らさずじっと見上げてくるアーデルヘルムに、父は不敵に笑って私の方を見る。
「ヴェロニカ」
「はい。お父様」
父に呼ばれて兄たちの後ろに控えていた私は前に出てアーデルヘルムの側に立つ。
「お前はどうしたい」
「私の気持ちは最初から決まっております。私の夫はアーデルヘルムしかおりません」
真っすぐと父を見て自分の意志を伝えると父と母は顔を見合わせ、母は父へと頷き、父は歯を見せて笑った。
「アーデルヘルム・シュタインベック」
「はっ」
「貴公の願い叶えよう。我が愛娘のヴェロニカとの婚姻を許す!」
「ありがとうございます。必ず幸せにいたします」
「当たり前だ!!」
母が私たちに拍手を送ってくれ、戸惑っている貴族たちにも拍手が広がっていき、わっと盛大な歓声が上がる。
近衛騎士たちは「団長おめでとうございますー!」と祝福の声を送ってくれてアーデルヘルムは顔を上げて苦笑いし、私を見て優しく微笑んだ。
ずっと望んできた願い。それがようやく叶い、私は目じりに涙を溜めてアーデルヘルムに笑い返した。
◇◇◇
その日の夜。
家族とアーデルヘルムとの晩餐会を終えて、遅くなったこともありアーデルヘルムは王宮に泊まることになった。
寝る前のひと時、部屋を訪れたアーデルヘルムとベッドに腰かけて手を繋いで今日のことを話していた。
「お父様のことだから難癖つけるかと思ってたけど、無事お許しが出て良かったわね」
「はは。そうですね」
「でもせっかくの褒美をこんなことに使って良かったの? 婚約者なんだから別に普通に話せば良かったのに」
「……私は陛下より男爵の位を賜りましたがただの騎士です。そんな私が王女様に婚姻を申し出ても貴族達が許さないでしょう。なら国のために戦果を上げて褒美として申し出れば文句は言われないかなと思いまして」
「はぁ……さすが騎士団長だわ」
「ありがとうございます」
貴族たちがまだ私たちの婚約に不満を持っていたのは知っていた。
どう黙らせようかと考えていたのだが、王が公式の場で正式に許したのだから文句は言えまい。貴族よりアーデルヘルムのほう上手だったようだ。
一人頷いていると、繋ぐ手がギュッと強く握られ心臓が高鳴る。
「――ヴェロニカ様」
「っ!」
体をこちらに近づけて、アーデルヘルムは顔を覗き込んでくる。その表情を見て、先日の出来事を思い出してしまった。
アーデルヘルムが目を覚ましたとき、私は動けない彼の唇を奪ってしまった。
そのとき、体が完治したら今度は自分からキスをさせてほしいとお願いされたのだ。
そして今、彼は完全に完治している。
私が思い出したのが分かったのか、アーデルヘルムは口角を上げて顔を近づけてくる。
あの時は衝動的にしてしまったから意識してなかったが、好きな人とキスをすると思ったら心臓が口から出そうで手汗がやばい。
だんだん近づいてくる端正な顔を見ていることが出来なくてギュッと目を瞑ると、頬に熱い手が添えられて小さく跳ねる。
顔の近くに吐息を感じて、あぁキスするんだ、と覚悟を決めたとき。
ーードンドンドン!!
部屋のドアを力強く叩く音にビクッと体が跳ねて目を見開く。目の前には同じようにドアのほうを見て驚いた顔をしているアーデルヘルムがあった。
そして返事をするのも待たずにドアが開かれて、部屋に入ってきたのは兄たちだった。
レオ兄様を先頭にエミリオ兄様、そしてユージオ兄様が手を挙げて「やあ」と呑気に挨拶をしてきた。
「兄様たち! こんな夜更けに何の用よ!」
「こんな夜更けに部屋に連れ込まれてる男に用があるんだよ!」
「連れ込む……っ!」
レオ兄様の言葉に一気に熱が顔に集まった。
連れ込むなんて言いがかりだ。今日は二人きりになれる時がなかったからこんな時間になっただけ。
それに私たちは結婚が約束されているのだから一緒にいて文句を言われる筋合いはない。
思い切り兄様を睨んでも何とも思われず、レオ兄様は隣に座るアーデルヘルムを指さす。
「アーデルヘルム!」
「はい」
「父上が許しても、お前に大事な妹を渡すことは俺たちは許してない!」
レオ兄様はそう言ってアーデルヘルムのほうへ木剣を差し出す。後ろにいる兄二人の手にもそれぞれ同じ木剣があった。
「勝負だ! 俺たち全員倒せたらヴェロニカと結婚することを認めてやる!」
「はぁ!?」
何を言い出すのだこの妹馬鹿は。
文句を言いたくても言葉がでず口をパクパクさせていると、隣に座っていたアーデルヘルムは立ち上がってレオ兄様から木剣を受けっとった。
まさか……。
「分かりました。私がお三方を倒せば今後は出しゃばってくることはないんですね」
「ああ。倒せればだからな。昔とは違うぞ」
「お前と手合わせするのは久方ぶりだからな。楽しみだ」
「僕が勝ったら副団長に休暇増やすのお願いしてくださいね」
なぜかやる気満々の男たちは、当の本人である私を置いて部屋を出て行った。
一人部屋に残された私は怒りでナイトドレスのスカートを皺が寄るほどに握りしめ大きく息を吸い込み、
「もーー! 兄様たちのバカーーー!!」
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