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【名有】不感症な受けは単なる開発不足でした♡

9話 重ねあう瞬間

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────6日目。


その頃になると、もう二人に言葉はいらなかった。雰囲気だけでしたいタイミングが伝わっていた。

「ん……ぅふぁ……はぁ……」

テーブルランプに照らされて重なった二人のシルエットが浮かび上がる。お互いの身体のカタチ、位置を覚え始めて、目を閉じていても、どう動けばいいかわかるようにになっていた。それでも相手の存在と、体温を確かめずにはいられなくて、ただ肌が触れる行為だけでも、つい没頭してしまう。唇を何度も重ね合わせて、身体が火照ってきた頃、浅海が「胸を触りたい」と囁いてきたので、こくりと傾いて仰向けに横になり、相手の眼前に胸を晒した。


「ん……っ」

浅海は手のひらで胸全体を揉みほぐすように撫でていく。その優しい手つきに、身体が小さく反応してしまう。

「はぁ……ぁ……」
「かわいいよ、深鳥……」

胸を揉まれながら胸の突起を口に含まれて吸われると、甘い痺れが身体全体に広がっていく。最初にそこに触られた時は、ただの刺激でしかなかったものが、体中の血液を湧かせていく。片方の手はずっと胸を揉んだり撫でたりしていて、もう片方は下半身へと伸ばされた時───そこが既に熱を持ち脈打っているのに気づいた。

「あ、うそ、なんで……」
「……乳首も良くなってきたみたいだね?」
「っ………」

そこは男でも性感帯になるのは知っていたが、いざそうなると恥ずかしさがこみあげてくる。囁かれるように嬉しさを含んだ浅海の囁きに、羞恥心から、うまく返事が出来ない。すると浅海は胸を再び刺激し始めた。

「あっ!やっ……ぁあァ……んんっ……♡」

先ほどより強めに吸われると身体の奥がじんと痺れる気がした。胸の突起も、強めに摘まんだり、押しつぶされても嫌な感じはなく、それどころか甘い痺れはどんどん体中に巡っていく。

「カウパーすごい出てきた……うれしい……ほんとに感じてくれてるんだ」
「あっ♡あさっみぃ……!先っちょそんな虐めないでぇ……っ♡」

胸の突起を弄りながら、中心も片手の指でグリグリと先端を擦られると腰が浮くほど脳髄に駆け抜けるものがあった。

「ん……そうだね。このままじゃ、すぐイっちゃいそう……本題はこっちだもんね?」
「あ………♡」

先走りでぬめった浅海の手が、後ろの窄まりに触れる。期待しているのか、触れているだけの浅海の指を欲しがるように吸いつくように小さく蠢いていた。胸を弄るのを止めた浅海が、身体から離れてローションを手に取る。窄まりに塗り付け、自身の手にもたっぷり手に取ると、浅海の中指がゆっくり、そこをマッサージするようにくにくにと刺激していく。その動きが最早じれったくも感じ、浅海もそれに気づいているのか、興奮した二人の熱い呼吸が部屋の中を支配していく。



「はぁ……っ、は……」
「浅海ぃ……もっとぉ……」
「……うん」

浅海の中指が、ゆっくりと中に挿入っていく。指一本でも圧迫感を感じるが、それはすぐに快感に変わっていく。中でゆっくり抜き差しされる度に内壁を擦られる感覚と、入り口付近にある前立腺に指が当たるのがたまらない。

「あッ♡ぁあっ♡あぁ……ッ♡」
「……気持ちいい?」
「ぅん!きもちい……っ♡」

浅海は、指を増やしてまたゆっくりと抜き差しを繰り返す。その繰り返しに頭が蕩けていく。浅海の指を締め付ける度に、もっと奥まで刺激が欲しくなっていく。

「あさみぃ……もう大丈夫だからぁ……」
「ん?」
「……挿れて?♡」

浅海はごくりと喉を鳴らすと、指を引き抜いた。そしてベッドサイドからゴムを取り出して自身に装着する。その様子をぼーっと眺めていると、浅海はこちらに視線を向けた。

「深鳥……いい?」
「……ん」

小さく頷くと、浅海は自身に手を添えて入り口に宛てがった。そしてゆっくりと腰を進めていく。指とは比べ物にならない圧迫感に息が詰まりそうになるが、浅海もゆっくり挿入してくれているおかげで辛くはない。少しずつ進んでは呼吸を整え、内壁が慣れていくまで様子を伺い、浅海が労るようにそっと撫でてくれる。その優しさが嬉しくて、もっと奥まで浅海が欲しくて仕方なくなる。

「ぁ……、浅海ぃ……」
「……っ」

浅海のものが半分くらい収まった頃、お互いの呼吸が重なる。浅海は馴染ませるようにじっと動かずにいてくれた。それがもどかしくて、思わず腰が揺れてしまう。すると浅海のものが中で少し大きくなった気がした。

「ん……動いていいよ……?」

そう告げると、浅海は優しく微笑んだ後、ゆっくりと律動を始めた。浅い部分を擦られる感覚にゾクゾクとした快感が走り、少しずつ奥を突かれる度に甘い痺れが広がっていく。

「ぁあっ♡ああッ!……んンッ♡」
「……はぁ、っ」

浅海も気持ち良さそうな声を上げながら、徐々に動きを激しくしていく。ぐちゅぐちゅと卑猥な水音が響いていくのに比例して快感は増していき、頭が真っ白になっていく。そしてある一点を突かれた瞬間───目の前に火花が散ったような気がした。

「あ゛ぁっ!?♡♡♡」

突然の強い刺激に目の前がチカチカと点滅する。浅海はそこばかりを狙って腰を打ち付けてくるので、身体が大きく跳ねて止まらない。

「あッ!♡ああ゛っ!♡♡ぁあっ♡あぁああっ!!♡♡♡」
「深鳥……ここが気持ちいいの?」
「やぁあ゛ぁっ!?♡♡♡だめぇっ♡♡おかしくなるぅうっ♡♡♡」

頭が真っ白になる程の快感に、もう何も考えられない。浅海は執拗にその一点を責め立ててきて、頭がおかしくなりそうだった。

「深鳥…!深鳥っ…!気持ちよくなってる深鳥かわいいっ…!!もっとさせてあげるからっ…!!」

浅海はそう言うと、さらに強くそこを突いてきた。あまりの刺激に目の前がスパークして、身体が痙攣する。もう限界だった。

「あ゛ぁああっ!!♡♡♡イくぅうっ!♡イッちゃぅううッ!♡♡♡」

絶頂を迎えた衝撃で内壁が強く収縮し、中のものを締め付ける。その感覚に浅海も達したのか、息を詰まらせ、ビクッと身震いをすると、大きく吐息を漏らした。

「っ……はぁ……っ」

浅海がゆっくりと自身を抜くと、その感覚にすら感じてしまい小さく声が漏れた。浅海は優しく微笑むと、汗で張り付いた前髪をかきあげて額にキスをしてくれた。
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