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【名有】不感症な受けは単なる開発不足でした♡
4話 同じようで違う時間
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───そして夜が来た。
「……な、なあ……本当にこんなんからでいいの……?」
「いいのいいの。……ほら、肩に力入ってるよ。これがなくなるくらいまでは、くっついてるだけにしよ」
「う……うん」
そりゃ、好きな人とこんな近距離で向き合って寝そべっていたら、ガチガチになるに決まってる。
何度も一緒に寝ていたはずなのに、意識して向き合って、お互いの身体を触れ合う目的で寝そべっていると、非常に緊張してしまう事がわかった。心臓がうるさいくらいだ。こんなの本当に慣れるんだろうか。
「大丈夫。こうやって、ゆっくりリラックスして……」
浅海は優しく抱きしめてくれて、背中をポンポンと叩いてくれる。そのリズムに合わせて深呼吸をすると、徐々に心が落ち着いてくるのがわかる。
(……浅海の体温が気持ちいい)
緊張で強ばっていた身体が弛緩し始め、お互いの体温が溶け合うように心地よい温度になっていくのを感じる。段々と眠気がやってくるほどには心地よくて心地良くて、このまま寝てしまいそうだ。
「深鳥ってあったかいよね……なんか、眠くなってきた……」
「うん。オレも……」
浅海は体温が高めで、抱きしめられているとポカポカと温まってきて眠気を誘う。その心地良さもあいまって瞼が徐々に重くなっていく。
(……浅海の心臓の音……落ち着く……)
トクントクンと一定のリズムを刻む心音を聞いているうちに段々と意識が遠のいていく。このまま寝てもいいかなと思い始めた頃、不意に頭を撫でられる感触がして眠りの淵から引き戻される。
「ん……」
「あ、ごめんね。……ちょっと髪触ってみたくて」
浅海は謝りつつも、手の動きは止めず髪を梳くように撫で続ける。その感触が気持ちよくてつい身を委ねてしまうと、浅海がふふっと笑った気がした。
(なんか……すごい安心する)
頭を撫でられるのなんて何年ぶりだろう?いや、撫でられた事自体初めてかもしれない。それでも浅海の手は心地よくて自然と瞼が落ちてくる。
「深鳥、かわいい」
「……かわいくない」
「ううん、可愛いよ。すごく……かわいい……」
「……ん……」
(……あれ……?)
ふと気づくと頭を撫でられている感触がなくなっている事に気づく。浅海はいつの間にか寝息を立てていて、自分の頭にある手は布団の上に落ちていた。
(寝ちゃったのか……オレもそろそろ寝なきゃな……)
そう思って目を閉じるがなかなか眠気が来ない。それどころかどんどん目が冴えてきた気がする。原因はなんとなくわかる。浅海の寝息が耳元をくすぐって、その息遣いにドキドキしてしまって寝られないのだ。
「ん……深鳥……」
(っ……!)
名前を呼ばれドキッとする。寝ているのはわかっているけれど、耳元で囁かれるとどうしても意識してしまう。浅海はまだ夢の中にいるようで、うっすら幸せそうな笑みを浮かべている。
(……かわいい)
そういえばじっくり浅海の寝顔を見た事はなかった。ひとつ、やっと恋人同士として距離を進めれたこともあってか、浅海の穏やかな寝顔は胸をくすぐられて仕方ない。
こんなに一緒にいるのに、貴重なものをたくさん見逃してしまって来たのかもしれない。
(……浅海、あったかいな)
ふと、抱きしめられている腕から伝わってくる体温に意識が向く。その温かさは心地よくて安心して、とても幸せな気持ちになる。
「ん……」
不意に浅海の腕がぎゅっと強く抱きしめてきた。思わず声が出るが、当の本人はまだ夢の中だ。無意識下の行動なのだろうけれど、それがちょっと嬉しくてドキっとした。
(昨日の夜はどうなるかと思ったけど……)
普通に、いや昨日までの自分達よりも。確実に、恋人らしく進めている気がする。
───なにより、浅海が好きなのだという気持ちを実感できてよかった。
今までは友達以上なだけで、恋人ではなかったのだと改めて痛感する。
不安がないと言えばウソになるけど、もっと浅海に触れたいし、知っていきたいという気持ちが芽生えてきている。
好きな人とこうして抱き合っているだけでこんなにも幸福感に包まれるのだ。きっと、浅海となら乗り越えられる。ゆっくりでいい。ゆっくり、二人の在り方を探っていけばいいんだ。
そう落としどころを見つけると、ゆっくりと微睡みに誘われていった。
「……な、なあ……本当にこんなんからでいいの……?」
「いいのいいの。……ほら、肩に力入ってるよ。これがなくなるくらいまでは、くっついてるだけにしよ」
「う……うん」
そりゃ、好きな人とこんな近距離で向き合って寝そべっていたら、ガチガチになるに決まってる。
何度も一緒に寝ていたはずなのに、意識して向き合って、お互いの身体を触れ合う目的で寝そべっていると、非常に緊張してしまう事がわかった。心臓がうるさいくらいだ。こんなの本当に慣れるんだろうか。
「大丈夫。こうやって、ゆっくりリラックスして……」
浅海は優しく抱きしめてくれて、背中をポンポンと叩いてくれる。そのリズムに合わせて深呼吸をすると、徐々に心が落ち着いてくるのがわかる。
(……浅海の体温が気持ちいい)
緊張で強ばっていた身体が弛緩し始め、お互いの体温が溶け合うように心地よい温度になっていくのを感じる。段々と眠気がやってくるほどには心地よくて心地良くて、このまま寝てしまいそうだ。
「深鳥ってあったかいよね……なんか、眠くなってきた……」
「うん。オレも……」
浅海は体温が高めで、抱きしめられているとポカポカと温まってきて眠気を誘う。その心地良さもあいまって瞼が徐々に重くなっていく。
(……浅海の心臓の音……落ち着く……)
トクントクンと一定のリズムを刻む心音を聞いているうちに段々と意識が遠のいていく。このまま寝てもいいかなと思い始めた頃、不意に頭を撫でられる感触がして眠りの淵から引き戻される。
「ん……」
「あ、ごめんね。……ちょっと髪触ってみたくて」
浅海は謝りつつも、手の動きは止めず髪を梳くように撫で続ける。その感触が気持ちよくてつい身を委ねてしまうと、浅海がふふっと笑った気がした。
(なんか……すごい安心する)
頭を撫でられるのなんて何年ぶりだろう?いや、撫でられた事自体初めてかもしれない。それでも浅海の手は心地よくて自然と瞼が落ちてくる。
「深鳥、かわいい」
「……かわいくない」
「ううん、可愛いよ。すごく……かわいい……」
「……ん……」
(……あれ……?)
ふと気づくと頭を撫でられている感触がなくなっている事に気づく。浅海はいつの間にか寝息を立てていて、自分の頭にある手は布団の上に落ちていた。
(寝ちゃったのか……オレもそろそろ寝なきゃな……)
そう思って目を閉じるがなかなか眠気が来ない。それどころかどんどん目が冴えてきた気がする。原因はなんとなくわかる。浅海の寝息が耳元をくすぐって、その息遣いにドキドキしてしまって寝られないのだ。
「ん……深鳥……」
(っ……!)
名前を呼ばれドキッとする。寝ているのはわかっているけれど、耳元で囁かれるとどうしても意識してしまう。浅海はまだ夢の中にいるようで、うっすら幸せそうな笑みを浮かべている。
(……かわいい)
そういえばじっくり浅海の寝顔を見た事はなかった。ひとつ、やっと恋人同士として距離を進めれたこともあってか、浅海の穏やかな寝顔は胸をくすぐられて仕方ない。
こんなに一緒にいるのに、貴重なものをたくさん見逃してしまって来たのかもしれない。
(……浅海、あったかいな)
ふと、抱きしめられている腕から伝わってくる体温に意識が向く。その温かさは心地よくて安心して、とても幸せな気持ちになる。
「ん……」
不意に浅海の腕がぎゅっと強く抱きしめてきた。思わず声が出るが、当の本人はまだ夢の中だ。無意識下の行動なのだろうけれど、それがちょっと嬉しくてドキっとした。
(昨日の夜はどうなるかと思ったけど……)
普通に、いや昨日までの自分達よりも。確実に、恋人らしく進めている気がする。
───なにより、浅海が好きなのだという気持ちを実感できてよかった。
今までは友達以上なだけで、恋人ではなかったのだと改めて痛感する。
不安がないと言えばウソになるけど、もっと浅海に触れたいし、知っていきたいという気持ちが芽生えてきている。
好きな人とこうして抱き合っているだけでこんなにも幸福感に包まれるのだ。きっと、浅海となら乗り越えられる。ゆっくりでいい。ゆっくり、二人の在り方を探っていけばいいんだ。
そう落としどころを見つけると、ゆっくりと微睡みに誘われていった。
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