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幼馴染の双子に愛されてしまった話
1話
しおりを挟む「ねえ、気持ち良かった方と付き合ってよ」
どうしてこんな事に
なってしまったんだろう
時間は少し前に遡る
******
双子の幼馴染
天真爛漫な兄
それに反して寡黙で誠実な弟
家が隣同士で気も合って
よく遊んだ
風呂も一緒に入って
夜通し寝る寸前まで
ふざけて遊ぶ事は
日常茶飯事の毎日で
お互いの親に叱られてばかりで
家族のような付き合いをしていた
そんな日々がいつまでも
続くだろうと思っていた矢先
それは突然告げられたのだった
「ねえ好きなんだけど」
突然の事で思考回路が追い付かない
「…抜け駆けはよくないから二人で話し合って、お前の判断に従う事にした」
普段ふざけあっているばかりの双子は
いま神妙な顔つきで慎重にこちらの様子を伺っている
二人の事は純粋に親友として好きだ
しかし今さらそんな方向性のものを
こんな重い雰囲気で言うはずがないから
そういう事なのだろう
いつから?
こんなに一緒に過ごしてきたのに
今いる双子は今まで過ごしてきた
二人とは別人のような気さえする
こちらが返答に困っている事を察したのか
双子の兄が口を開く
「ごめんね。困らせるとは思ったんだけど、双子だからお互いの気持ちに敏感でさ」
「………このままだと俺たち、前に進めなさそうだから」
双子同士も自分達の気持ちを持て余している事を告げる
「選ばれなかった方は、素直に諦めるし、いつも通りに接していくつもりだから」
弟が補足する。
その声色から今までの関係性を
完全に続けていく事はできない事を察した。
「二人の事は……好きだよ」
双子の肩が軽く跳ねる
「けど……ごめん決めれない」
「………それはどうして」
慎重に息を吐きながら
弟が理由を尋ねる
「こういうこと…何もわからないから…」
「………そっか」
長い沈黙のあと
「じゃあ試してみようか?」
それを発したのはどちらだっただろうか
それからの経緯はよく覚えていない
**********
気付けばベットに追い詰められて
双子に迫られている
「ちょ…ちょっと、待て、頭が追い付かない」
双子の兄の手が頬に触れる
弟の手が自分の腕を掴む
「嫌なら拒んでいいから」
「大丈夫、優しくするから」
本気で抵抗すれば確かに
止めてくれそうなくらいの力加減なのはわかる
しかし強く抵抗する理由もないせいか
なすがままに流されていく
この状況で何をすれば
正解なのか全く分からなかった
そうこう考えているうちに
双子の兄が唇重なる
他人から受ける初めての感触に身体が強張る
次に弟の唇が触れてくる
確かめるような唇の触れ合いだけでも
どんどん呼吸と動悸が速まってくる
「ねえ……俺のこと好き?」
「どっちが好きなんだ」
二人とも息が荒い 顔も赤く染まっている
「俺は……お前が好きだ」
「……俺の方がお前よりずっと前から好きなんだよ」
「ちょっ!ずるいだろ!」
双子が喧嘩しそうになっている事に気付き
なにか答えなければと必死に言葉を探した結果
「わかんないよ……どっちかなんて決められないくらい二人共大事な存在だし……」
絞り出したような声で答えると
二人は顔を見合わせて
くすぐったそうに笑った
「うん…」
「俺たちも…そう思う」
直感で違和感を察した
長い付き合いだからこそ感じる違和感
「でもさ」
「うん」
「「こいつだけには負けたくないんだよね」」
二人は双子だが
足並みは滅多に揃わない
揃う時はろくでもない時ばかりだったな
なんて長い付き合いだからこそ
地雷踏んだ事を理解したのだった
兄の舌が自分の中に入ってくる
歯列をなぞられ舌先同士が触れ合う
ぞくりとした感覚が背中を走る
「んぅ……ふぁ……」
うまく呼吸ができなくて変な声が出る
酸素不足の頭では正常な判断ができない
すぐさま弟の舌が入り込んでくる
触れ合いを仕掛けてきた兄とは一転して
唾液をじゅるじゅると吸われながら
咥内を蹂躙されていく
一方に気を取られてる隙に
もう一方は少しずつ服を肌蹴させて
敏感な部分の周りの線をまさぐられる
「あっ……やめ……」
静止の声をあげる間もなく
弟の指先が胸の先端に触れた
「あ……ッ」
「かわいい」
思わず声が出てしまった事と
弟のその一言に顔が沸騰しそうになる
余韻も浸らせずにすかさず
兄が下肢の敏感な部分に触れてくる
「や…っちょ…」
「ダメ、俺を見て」
ゆるゆると前を下着越しに刺激され
じわりと滑りが良くなってきている事に
いたたまれなくなくなる余裕も与えず
弟が胸の突起にわざとらしい音を立てて吸い付く
「あ…っあ!」
ちゅ、ぢゅ、とわざと音を立てて
胸の突起を蹂躙していくのが
兄と同じく自分を見てくれと言っているかのようだ。
「もうここもぬるぬるだね……」
兄が耳元で囁きながら
下着をズラし
自身の先走りでどろどろになっている事を
わざとらしく音を立てながら擦りつけ
そのまま衣服をすべて取り払い
人肌に温めていたローションを手に取り
指を後ろの秘所へ滑り込ませて馴染ませていく
慣らしている間も
二人の身体を撫でまわす愛撫は止まない
留めない刺激に悩まく身体を捩らせていると
「そろそろいいかな」
「おい、抜け駆けは無しだろ」
兄が秘所へ宛がおうとした所を
弟がすかさず止める
甘い空気が一転して
ピリっとしたものが流れる
「………じゃんけん…」
甘い熱に浮かされた頭で
ケンカしてケリがつかない時は
よくジャンケンで決着つけたっけ
そう思いながら出た言葉だった
解決しなかった事もあったけど
引き際の区切りにはなっていた
こちらの提案に
双子は聞き分けよく
すぐさま無言のジャンケンをし
兄がガッツポーズを取り
弟は苦悶していた
「痛かったらすぐ言ってね」
目元にキスを落としながら
兄がゆっくり奥へと進めていく
「ん……っ」
初めて味わう異物感と痛みに 息を詰める
「大丈夫?」
「だいじょうぶ……」
そう返すと安心したのか ゆっくりと動き始める
「はぁ……あ……ん……」
だんだんと激しさを増していく律動に
思考回路は快楽に支配される
「あ……あ……あああ……!!」
「ごめん、いく……!」
熱いものが注がれていく
それと同時に自分も果てる
ずるりと引き抜かれる感触に身を震わせる
「次は俺だからな」
弟が下肢に移動し
兄が頭の方に移動しなおす
「入れるぞ……」
十分に解れたそこに
弟のが宛てがわれる
「ちょ、待、今いったばっかで」
制止の言葉など聞かずに
一気に最奥まで貫かれる
「あああ……ッ!!!」
達して過敏になっている身体には
持て余す熱量に身体を反らせる
「ごめん……手加減できな……いッ」
弟の容赦のない抽挿が始まる
「ひゃ……!あっ……あん……!」
「……可愛い」
「……っ」
兄が頭を撫でながらキスを落とし
胸を弄りだす
「あ……や……!らめ、や……!」
「……ッッ」
ビクンとひと際強くこちらが果てたと同時に
弟も果てた
***********
しばらく三人で余韻に浸りながら
裸で寄り添っていた
「ねえ……本当にどちらか一人に決めなきゃダメなのかな?」
弟がポツリと言う
「………俺も、もしお前に触れなくなるなんて嫌だな」
兄が追従する
「「このまま決めなくてもいいんじゃないかな」」
双子の意見が揃う時はろくな時じゃない
そう実感しながらも
ただちょっとより深い仲になっただけで
何も変わってないよな
と頭の隅にある違和感を押しやって
大切な三人でいる事を選んだのだった
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