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受け視点~現在~②

11話 求めていたもの

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「ふわ~~……生き返る……」

初日。チェックインを済ませると、温泉街の足湯にまず訪れていた。
学生時代はのんびりと観光を楽しむ事よりもテーマパークや人だかりが激しい所ばかりを回っていた為、のびやかな観光名所の旅行は初めてだった。

「あ~~~……日頃の疲れマジ溶けてくれてる気がする……」

ぼーっと足湯に浸かり景色を眺めて疲れを癒していると、ふと妙に面白なってきて噴出してしまった。

「ん?どした」
「いや、なんかおっさんみたいだなって……」
「そだな~……学生時代はこういうのんびりした楽しみ方わからなかったもんな。バリバリ疲れを癒す目的で来ちゃってるし、俺らもうオッサンに足つっこんでんのかな」

足湯につかりながら伸びをする彼に思わず笑ってしまう。
彼はこちらの視線に気づくと少し恥ずかしそうにしながら「……だってさ、ずっと忙しかったし」と言い訳をしてきた。

そんな様子がまた可愛らしくてクスクス笑っていると彼もつられて笑い出す。

ひとしきり笑うと「温泉ってこんないいもんだったんだなー」と言い合い、ただぼんやりと感覚に浸る時間がとても心地よかった。
ほどほどのシーズン外を狙ったおかげで客足もぽつぽつとした流れで、自然が見渡せる穏やかさも相まって日々の忙しさを忘れるようだった。
ここから見える景色の木々は少し紅葉が始まりかけていて、そのまだら模様がそれはそれで味があるように感じた。

足湯を後にした後は、ウェルカムドリンクのコーヒーを貰い館内の売店をぶらぶら見ていると、頃合い良く夕飯の時間になった。

ビュッフェ式の夕食をあれやこれやと、楽しみながらゆっくり堪能した後は売店で酒を買い、客室へと戻った。

「あー……美味しかったー……」
「な。やっぱこういう所は外さないよな」

夕食を食べ終え、客室に戻るとテーブルに買ってきた飲食類を拡げて他愛ない話をし始める。
アルコール度は低かったが、ちびちびと累積していく内に酔いが回り、ほろ酔いでつい仕事の愚痴に花が咲いてしまっていた。

「あ、やば……もうこんな時間」

ふと時計を見るとそこそこいい時間で、温泉の入浴時間終了まで二時間切っていた。

「じゃあ温泉いこっか?」
「ん、そうしよ」

客室に備えてあるタオルを持って大浴場へ向かう。

すると浴場は誰もおらず、貸し切り状態に二人してテンションが上がっていた。

「ふわ~~~シーズン外さいこ~~~」
「~~~貸し切り状態さいこ~~~」

さっと身体を流したあと温泉に浸かり、二人ぼっちには広すぎる空間につい開放的な気分で興が乗る。
学生時代はむしろ人混みがあった方が面白かった気がするのに、誰もいない穏やかな空間を楽しめるようになったのが、社会人になった実感を身に染みていた。
湯に浸かり、二人並んで他愛ない話をしながら景色を眺める。もう深夜に近いので外は真っ暗で、周りの明かりもちらほらとしか点いておらず、少し遠くにある街の灯りがキラキラしていた。

「あー……これが幸せってやつかー……」

彼にもたれ掛かってそう言うと彼は小さく笑いながらこちらを抱きしめてくれた。自分より高い彼の体温が心地良くて、つい甘えたくなってしまう。
こちらからももたれ掛かり、しばらくすると、湯の中でツツ……と腰を撫でられている事に気付く。

「んっ……ちょ……」

ピクンと身体が反応してしまい、慌てて彼を見上げると彼はニッと笑っていた。そのまま腰から尻に手が下りてくると今度は意図をもって揉むように撫でまわされる。

「ひぁっ……だめ、だって……」

驚いて腰を浮かすが、腕を回され押さえ込まれてしまう。すると彼の指が割れ目に入って来て、窄みの周りを丁寧になぞり始めた。

「大丈夫だよ、すぐに清掃時間になるし。ちょっとくらい」
「……っ」

思わず声が出そうになるのを唇噛んで堪えていると、耳元で「可愛い」と囁かれた。そのまま耳に舌を入れられて、ピチャピチャと舐め回される。

「んあっ……はぁっ……」

水音がダイレクトに脳に響き渡り、耳すらも犯されているような錯覚に陥る。
彼の長い指が窄まりを押し開いて入ってくると思わず腰が引けてしまったが、すぐに抱き寄せられて固定されてしまう。その間も指先は窄まりを刺激し、つぷりとお湯と共に後孔に入り込んでくる。

「ぅんっ……!……ぁぁッ……」

思わず力んでしまうが、中に入って来るお湯の感覚に力が抜けてしまう。しかし、そのまま指はどんどん奥を犯し始め、かき混ぜ始めた。

「っ……あっ、あッ……」

指は徐々に本数を増やして行き、中を広げてくる。湯の熱さと愛撫で身体が火照り始め、頭がぼんやりしてくる。

「お湯の中も気持ちいい?」

「んっ……ぁ、ッ、いいっ……指、指いいっ……♡」

問いかけられるがかき乱される動きに集中してしまって、まともに答える余裕がない。
早くもっと気持ち良くなりたいと身体が疼いて仕方がない。

「ね、じゃあ。指だけでいいの?」
「そ……れは……」

分かっているのにわざと聞いてくる彼の意地の悪さに、こちらはただ焦らされてばかりだ。早く中を埋めて欲しくてたまらないというのに。

「ほ、ほし……ぃぃ……」
「なにが?」
「も、もっと……太くて……熱いの……が、んんぅッッ♡」

絞り出すような声でそう訴えると彼は満足そうに微笑んで口付けてくる。そのまま舌を絡められ、口腔内をねっとりと犯されたあと、糸を引いて離れるとお互いに興奮した息遣いで迎えあった。

「じゃあ……できるよね?」

それはとても低くて腰の奥にずくんとくる声で囁かれた。興奮すると、彼はとても低くて重い囁き声をする。それが身体に甘い痺れを引き起こされて、たまらなく好きだ。

「……ぅ、ん」

捕まれていた腰を介抱されて、具体的な言葉はなくても何をすればいいのか直感的にわかる。自分もそれが欲しくて仕方ないのだから。
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