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第二章 勇者召喚
知らぬは俺ばかり
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街道を進む。イケメン二人、魔力も使わず、特に会話もなく村で暫し休憩してまた進む。
徒歩。ひたすら徒歩。
なんの苦行だ。
前もあったなオイ。
全然進まねえ。
平々とした広大な敷地に色取り取りの農作物が実り、寝かせた畑には飛来する鳥や獣が土を掘り起こし虫を食んでいた。
それに視線をチラとやると鼻がヒクヒク動く気がした。村で甘味を口にするより生唾を多く嚥下して、時折狩りの本能を抑えるために鼻息をフンッと噴き出す。
クソ。メシが、俺のメシが沢山いるのに!
黒鉄魔狼《ブラロ》のカラータイマーはあるのか。あるだろ!既に頭が痒いのが続いている。人化で疲労はない。ただ、人らしく過ごすのが苦痛になってきてるのを自覚する。俺は元人間なのにこれいかに。
「さっきから鼻息荒いな。溜まってんのか」
「ああ?そうかもな」
多方面ストレスがな!
魔族と人間の戦争が数百年置きとか、魔王の世代交代に合わせて力試し?なにそれ。他にする事ないのか。別に国内魔力保持頂点なんだから納得しろよ。世界制覇?天下とる?大陸を魔国にする?数百年置きなのに人間の国残ってんですけど?
それに勇者な。魔王倒すってなに。誰が決めた。倒してからが勇者じゃないの?ハナっから勇者なのは強制労働?倒したらどうしてくれんだ。和平条約結んでんだからまた結び直して終わりだろ。あ、戦おわり?倒した?凄いね、お疲れーで、用無しだろ。どうせお偉いさんも褒美やら保証とか税金無駄無駄とか言えずに奥歯に挟まってんだ。それで、?
また何か引っかかった。後からオチがつくヤツ。どこだ。どれだ。気付け俺。
「ルーお前聞いてるか」
「は?何だ」
「だからよ。色々溜まってんなら丁度後ろのでいいじゃ無いかって話だ。悪く無いだろ」
「後ろ?」
後ろといえば。
腐森牛の現場に居合わせ、あの後から一定距離を保ち尾行してくれてる女がいる。疾走すれば距離も取れる。敵意殺意、魔力も無いからライバ同意で放置しているのだが。
長いマントのフードを被っているが顔は見える。二十歳にも満たないと思われるが子供でも無い。少しつり目だが丸々として目鼻立ちはいい。長い茶髪はメッシュが入り前髪だけが顔に流れ、残りはフードの中らしい。
ジャラジャラと鎖の音がして、フードの中の毛皮か何か獣の薄いニオイがするのは多分ネコ科か。
で?この女で丁度いい?
溜まってるから丁度いい?
「あ、そっち?」
漸くシモの話だと理解する。ライバは苦笑した。俺は魔狼で狼。人の性欲なんぞ関係ないわ。残念。
「ああ?何にムラムラしてんだ」
「あー、獣?」
「マニアックだな」
「勘違いするな。狩るのも食べるのも獣だ。運動不足なんだよ」
「だからな、それでも丁度いいってんだよ。わかんねえヤツだな!」
「ああ?わかるように言え」
「チッ、ワザとか?そこで待ってろ!」
ライバは立ち止まった途端、魔力を乗せ地を蹴り、後方にいた女の前に立った。
「きゃっ!」
「ずっとついて来るが何用かな」
瞬間移動にも見える移動に、女は硬直して丸々とした目を更に見開いた。
「おいライバ、どうする気だ」
「鎖の音が聴こえるということは君は獣人。戦に乗じてこの国を出る気かい」
ライバは穏やかに問いながらフードを長弓でつつき脱がせようとしたが、女はバッと両手で頭を押さえた。
「そ、そうよ、あなた達勇者なんでしょ?邪魔しないから国境までついて行きたいの。ついて行くだけだからいいでしょ?」
「え?」
女は俺に真剣な視線を向けてきた。獣人?顔も手足も人だけど。ってことはケモミミ?本当?ケモミミきたーー!
いや待て。喜べない。
ライバは性欲だと思ってる。確かに女は獣系。フードの下は何の耳だか不明だが、ムラムラするのは獣だと勘違いしてるだろ。
「どうする?茶か飯でも一緒にして貰えたらさ、俺たち二人より華やかで気分転換になるって思わないか」
ニヤニヤとするライバ。その顔は狩る、食べる運動も全部シモ変換してるな。まあ確かに、このまま男二人旅はちょっとなあ……。
「どうするも何も、足手まといは困るな」
「そんな!お願い!」
軽く拒否ると縋り付くといっていい目で見られた。関係者が増えるだけでイベント多発予想しかない。関係をこれ以上築かなければ大丈夫なのか?まさかな。無理だろ。
「おい、ルー。この国で鎖付きは主がいる。届ければ謝礼がつくぞ」
「はあ?鎖?」
「ここは閉鎖的人間の国。獣人は使用人でしかない。貴族どもがメイドや子守りに雇う。奴隷じゃないから脱走に離職罰もないが雇用主がいいやつなら礼も太い」
「あ、あのっ!主《あるじ》は昨日の腐森牛で亡くなったんです。隣村に買い物に出た帰りで、身内の方は都で、ひとり隠居されてて、その、私の雇い主はもういません。給金の高いこの国に働きに来たけど、それで、だから、故郷に帰ろうと」
女は途中から俯いて段々小声になった。俺もライバも一瞬だけ、あっ、て顔になった。
「……」
「……」
イケメン二人視線を無言で交わす。何だ。いつからそんな仲だよ。わかってるよ。この獣人が路頭に迷うのは俺らのせいだ。
シモの話は吹っ飛んだ。
ライバも頭をフードの上から掻き、既に明後日の方向を見ていた。
キーワードは『故郷に帰る』
攻略キャラを入手した気がする。
これ、どうすんだおい。
「あのっ、勇者いても負け戦さだし、何も変わらないのもわかってるし、五年帰ってないし、いい機会と思って、だから、お願い!離れて歩くから!」
「は?負け戦さ?」
俺の中で線が繋がった。
そうだ。魔王だ。魔力が国随一。明らかに格下魔法使いと兵しかいない人間が勝てるわけないじゃないか!
勇者いても負け戦さ?確か半端な勇者しか召喚できてないって?
そりゃ負け確定じゃないか。やっぱりあの女王は曲者だ。勇者はどの道捨て駒決定的だよな。戦の悪はどっちだ!
「所詮盤上ゲームだからな」
しれっと言うのはライバ。
「そうよね。でも魔族の中には危ない人がいるでしょ?だからあなた達魔王には勝てなくても強いから安心して旅が出来そうって!」
「ははっ、言うね君」
おい。ライバも何わかったように会話してんだ。いや、国民だから知ってるのか。ここまで聞いたら全部知りたくなったぞ。気になって眠れる気がしない。
「ちょっと待て。色々、色々なんだが」
ひとり蚊帳の外だ。知る必要もないが知っておいていいだろ。一応俺=勇者。当事者。
「ああ、ルーは他の大陸から来たって。本当に何も詳しく知らないんだな」
「不審がられるから黙ってたが全く予備知識無しだ。訳わからん。それに勇者ではない」
質問が多かったことがライバを納得させたようだ。そして俺は勇者否定、これ大事。
「え?そうなの?じゃあ冒険者?」
「まあここで立ち話もなんだ。次の村で食事でもどうだい?」
「えっ、あの、私、後ろからついて行くし、二人とも目立つから側は無理かなーって」
にっこりと微笑えんだ。
ライバ、振られる。
どうりで道行く人や民が普段通り過ごし、避難するわけでもなく、悲壮感もない訳だ。合点がいき小さく頷いた。
「再度言うが、俺は勇者ではない。城に取引で確かにいたが勘違いされてるだけだ」
「そんな事情か」
「そうなの?」
反応はさておき。とりあえずライバの言うように立ち止まっている時間が無駄だ。次の村を目指し歩き始めた。
獣人の女は離れてついて来る。
測ったように一定の距離を保って歩く。気にはしてない。ただこれ以上の面倒はゴメンだ。俺は彼女をバグったNPCがついてきてるだけと思う事にした。
横に並ぶは魔国のエルフ。
相変わらず胡散臭いが、これまでの事を素直に考えると良い奴なのかも知れない。半信半疑だが情報を整理すれば何か違ってくるのか。それはまだわからない。
もう直ぐ日も暮れる。
風に乗る草木の香りに気が向く。弱い香りはうねりくる魔狼の本能を少しだけ穏やかに凪いだ気がした。
徒歩。ひたすら徒歩。
なんの苦行だ。
前もあったなオイ。
全然進まねえ。
平々とした広大な敷地に色取り取りの農作物が実り、寝かせた畑には飛来する鳥や獣が土を掘り起こし虫を食んでいた。
それに視線をチラとやると鼻がヒクヒク動く気がした。村で甘味を口にするより生唾を多く嚥下して、時折狩りの本能を抑えるために鼻息をフンッと噴き出す。
クソ。メシが、俺のメシが沢山いるのに!
黒鉄魔狼《ブラロ》のカラータイマーはあるのか。あるだろ!既に頭が痒いのが続いている。人化で疲労はない。ただ、人らしく過ごすのが苦痛になってきてるのを自覚する。俺は元人間なのにこれいかに。
「さっきから鼻息荒いな。溜まってんのか」
「ああ?そうかもな」
多方面ストレスがな!
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それに勇者な。魔王倒すってなに。誰が決めた。倒してからが勇者じゃないの?ハナっから勇者なのは強制労働?倒したらどうしてくれんだ。和平条約結んでんだからまた結び直して終わりだろ。あ、戦おわり?倒した?凄いね、お疲れーで、用無しだろ。どうせお偉いさんも褒美やら保証とか税金無駄無駄とか言えずに奥歯に挟まってんだ。それで、?
また何か引っかかった。後からオチがつくヤツ。どこだ。どれだ。気付け俺。
「ルーお前聞いてるか」
「は?何だ」
「だからよ。色々溜まってんなら丁度後ろのでいいじゃ無いかって話だ。悪く無いだろ」
「後ろ?」
後ろといえば。
腐森牛の現場に居合わせ、あの後から一定距離を保ち尾行してくれてる女がいる。疾走すれば距離も取れる。敵意殺意、魔力も無いからライバ同意で放置しているのだが。
長いマントのフードを被っているが顔は見える。二十歳にも満たないと思われるが子供でも無い。少しつり目だが丸々として目鼻立ちはいい。長い茶髪はメッシュが入り前髪だけが顔に流れ、残りはフードの中らしい。
ジャラジャラと鎖の音がして、フードの中の毛皮か何か獣の薄いニオイがするのは多分ネコ科か。
で?この女で丁度いい?
溜まってるから丁度いい?
「あ、そっち?」
漸くシモの話だと理解する。ライバは苦笑した。俺は魔狼で狼。人の性欲なんぞ関係ないわ。残念。
「ああ?何にムラムラしてんだ」
「あー、獣?」
「マニアックだな」
「勘違いするな。狩るのも食べるのも獣だ。運動不足なんだよ」
「だからな、それでも丁度いいってんだよ。わかんねえヤツだな!」
「ああ?わかるように言え」
「チッ、ワザとか?そこで待ってろ!」
ライバは立ち止まった途端、魔力を乗せ地を蹴り、後方にいた女の前に立った。
「きゃっ!」
「ずっとついて来るが何用かな」
瞬間移動にも見える移動に、女は硬直して丸々とした目を更に見開いた。
「おいライバ、どうする気だ」
「鎖の音が聴こえるということは君は獣人。戦に乗じてこの国を出る気かい」
ライバは穏やかに問いながらフードを長弓でつつき脱がせようとしたが、女はバッと両手で頭を押さえた。
「そ、そうよ、あなた達勇者なんでしょ?邪魔しないから国境までついて行きたいの。ついて行くだけだからいいでしょ?」
「え?」
女は俺に真剣な視線を向けてきた。獣人?顔も手足も人だけど。ってことはケモミミ?本当?ケモミミきたーー!
いや待て。喜べない。
ライバは性欲だと思ってる。確かに女は獣系。フードの下は何の耳だか不明だが、ムラムラするのは獣だと勘違いしてるだろ。
「どうする?茶か飯でも一緒にして貰えたらさ、俺たち二人より華やかで気分転換になるって思わないか」
ニヤニヤとするライバ。その顔は狩る、食べる運動も全部シモ変換してるな。まあ確かに、このまま男二人旅はちょっとなあ……。
「どうするも何も、足手まといは困るな」
「そんな!お願い!」
軽く拒否ると縋り付くといっていい目で見られた。関係者が増えるだけでイベント多発予想しかない。関係をこれ以上築かなければ大丈夫なのか?まさかな。無理だろ。
「おい、ルー。この国で鎖付きは主がいる。届ければ謝礼がつくぞ」
「はあ?鎖?」
「ここは閉鎖的人間の国。獣人は使用人でしかない。貴族どもがメイドや子守りに雇う。奴隷じゃないから脱走に離職罰もないが雇用主がいいやつなら礼も太い」
「あ、あのっ!主《あるじ》は昨日の腐森牛で亡くなったんです。隣村に買い物に出た帰りで、身内の方は都で、ひとり隠居されてて、その、私の雇い主はもういません。給金の高いこの国に働きに来たけど、それで、だから、故郷に帰ろうと」
女は途中から俯いて段々小声になった。俺もライバも一瞬だけ、あっ、て顔になった。
「……」
「……」
イケメン二人視線を無言で交わす。何だ。いつからそんな仲だよ。わかってるよ。この獣人が路頭に迷うのは俺らのせいだ。
シモの話は吹っ飛んだ。
ライバも頭をフードの上から掻き、既に明後日の方向を見ていた。
キーワードは『故郷に帰る』
攻略キャラを入手した気がする。
これ、どうすんだおい。
「あのっ、勇者いても負け戦さだし、何も変わらないのもわかってるし、五年帰ってないし、いい機会と思って、だから、お願い!離れて歩くから!」
「は?負け戦さ?」
俺の中で線が繋がった。
そうだ。魔王だ。魔力が国随一。明らかに格下魔法使いと兵しかいない人間が勝てるわけないじゃないか!
勇者いても負け戦さ?確か半端な勇者しか召喚できてないって?
そりゃ負け確定じゃないか。やっぱりあの女王は曲者だ。勇者はどの道捨て駒決定的だよな。戦の悪はどっちだ!
「所詮盤上ゲームだからな」
しれっと言うのはライバ。
「そうよね。でも魔族の中には危ない人がいるでしょ?だからあなた達魔王には勝てなくても強いから安心して旅が出来そうって!」
「ははっ、言うね君」
おい。ライバも何わかったように会話してんだ。いや、国民だから知ってるのか。ここまで聞いたら全部知りたくなったぞ。気になって眠れる気がしない。
「ちょっと待て。色々、色々なんだが」
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「ああ、ルーは他の大陸から来たって。本当に何も詳しく知らないんだな」
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「え?そうなの?じゃあ冒険者?」
「まあここで立ち話もなんだ。次の村で食事でもどうだい?」
「えっ、あの、私、後ろからついて行くし、二人とも目立つから側は無理かなーって」
にっこりと微笑えんだ。
ライバ、振られる。
どうりで道行く人や民が普段通り過ごし、避難するわけでもなく、悲壮感もない訳だ。合点がいき小さく頷いた。
「再度言うが、俺は勇者ではない。城に取引で確かにいたが勘違いされてるだけだ」
「そんな事情か」
「そうなの?」
反応はさておき。とりあえずライバの言うように立ち止まっている時間が無駄だ。次の村を目指し歩き始めた。
獣人の女は離れてついて来る。
測ったように一定の距離を保って歩く。気にはしてない。ただこれ以上の面倒はゴメンだ。俺は彼女をバグったNPCがついてきてるだけと思う事にした。
横に並ぶは魔国のエルフ。
相変わらず胡散臭いが、これまでの事を素直に考えると良い奴なのかも知れない。半信半疑だが情報を整理すれば何か違ってくるのか。それはまだわからない。
もう直ぐ日も暮れる。
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