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第二章 勇者召喚
あたらしい道は先行き不明
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勇者と加護付きよりも気になって金の冠を載せた男を見る。アレはどう見ても王冠だろ。その視線に気がついたのか前に立ちはだかるのは自称王という女。
「私はこの国の王です。民達を守りたいのです。魔物に蹂躙、ましてや支配などされたくありませんでしょう。どうか。どうか勇者様の御力を民と国の為に!」
疑念の視線に気づいたのか大きめの声で王と二回言う。
「あの冠の男が王じゃないのか」
「あれは王族の未婚の男がつける儀式装ですが、それよりも勇者様。ここは民の前。詳細は城で話しましょう。快諾して笑顔を見せればそれで良いのですよ」
「……は?」
王は小声で告げてにっこり微笑んだ。
やっぱり俺は勇者設定なのか。魔物転生はもう仕方ないしこの体も慣れた。多分全属耐性の最強ボディはチートスキル。そして転生といえば異世界で無双がセオリーで、魔王討伐もイベントも死亡フラグがたっても勝利しかない。いやまてコラ。
自分は今や魔物だが支配なんぞ興味はない。己が穏やかに過ごす為、当たり障りなく周りに振り回されず、縄張りで力を誇示しあうだけだ。
「さあ、勇者様」
促す声を無視して改めて己の足下と周りを見遣る。大きな切り出し岩を並べた地上より一段高い祭壇と思しき石畳に立っていた。それに刻まれた溝に魔力の残渣が朧げに瞬く魔法陣が見える。
目の前には美しいと言うよりは気が強そうだけど可愛い顔立ちで、直ぐにでも騎乗できそうな軽装でいて高貴な雰囲気の王。己を取り囲むのは高級そうな生地で身形のいい役職持ちと思しき中高年に、兜の隙間から見える眼光が鋭い重装騎士。それから離れて警備なのかぐるりと槍をたて持つ騎士擬き。その奥には見守るか期待している様な目をした沢山の老若男女は国民だろうか。ここは街の大広場の様だった。
「……そうか。じゃあな」
がしっ
背を向けた途端両サイドから騎士もどきに両腕を掴まれた。その周りには王を護る様に、そして逃さない為なのか退路を塞ぐ人々を視認した。背後に立つ王は当たり前の様に語りだす。
「私はフィネリア国王シュリ。そなたの名は何というのですか」
聞いた事がない国だった。この一年、クロウに分かりやすく世界史も習ったから近隣諸国くらいはわかる。という事は未知の大陸か。まさか違う世界?転生したのに更に異世界召喚?最悪のシナリオじゃないか。今まで見てきた地図にない新大陸か、自分が記憶して無い国の可能性に賭けよう。
黙ったままの魔狼にシュリは続ける。
「勇者様、あなたは選ばれたのです。体に漲る力を感じませんか?その力を人々のため世のために使うためにここに導かれたのです。私たちと共に不条理な悪に、人々を脅かす魔物に立ち向かいましょう!」
力は魔獣本来のものだ。魔狼は誘導染みた遊説に口角を上げた。
「俺は勇者ではない。人を同意も無く召喚とは誘拐同然。非礼も詫びぬ傲慢な王に問う。勇者とは、自国民で戦う前の使い捨てか都合良く力を利用できるもの、若しくは戦高揚扇動者としての駒か。尚更協力する気にもならんぞ」
「っな!」
「何という事を!」
「無礼な!」
周囲がざわめき始めるが、王が唇を少し噛んだのを魔狼は見逃さなかった。肯定なのか。大昔読んだラノベの台詞借りたんだけどな。
「静かに。民の前です」
「で?不敬罪にでもするのか?」
すうと息を吸い、両手を広げ仰ぐ王に群衆は静けさを取り戻す。そして柔和な顔付きを変え声を張り上げた。それはまさしく王の威厳と風格を感じさせた。
「民よ!勇者様が魔王を打ち砕く事を約束されました!民よ!我らが国は安泰です!」
ウォオオォ!!!
「応接室に案内を」
「は」
「はっ」
「……は?」
歓声の中、魔狼に視線を戻す王は微笑を浮かべた。
「……戯言を」
「さあ参りましょう」
「勇者殿、こちらへ」
おいおいおい。何優雅に踵を返してるんですか王様。断ったよな。俺、断ったよな?地下牢じゃ無いならまだ説得する気なんですか。何にせよこれは少し様子を見るしかないのか。
魔狼は周りを大勢に囲まれ、眉間に深くシワを刻み大人しく引き摺られて行くのだった。
面倒くさい。クロウより面倒臭いことになった。プーは静かだから寝てるのか?
少し歩くと聳え立つ石壁があり、下から見上げても全体が把握出来ない高さで、門を過ぎれば城内のようだった。壁の中は多層塀ということは階層区部の造りと予想できる。
そしてどの位歩いたかもう城内。俺は丁重にもてなされ、華美過ぎない応接室らしい部屋でソファで踏ん反り、次の展開を待っていた。
部屋の隅、ドアの前に二人ずつ警護兵がいたのも確認済みだ。耳も嗅覚も本来の能力のままだったが、かつてない程人口密度が高く、雑音に聴こえ鬱陶しかった。それでも暇を持て余し考える。
人を召喚する陣は検索強制送達目的の筈だ。召喚陣自体が特殊だといえる。実際過去に使われていたティムの様に契約の縛りは無いと仮定する。そもそも力あるクロウとクルフェルがいたのに、魔力を感知させなくなった俺が何故喚ばれた。リリーちゃんの魔力溜まりもあって目立たなかった筈だがどういう人選だ。
・・・人選。人だと認識されたのか?
ここにいる人間に見た感じ魔力の強い者はいなかった。
人化している今、魔物が敵だという地で魔狼にも戻れない。人々の魔力も小さく転移術が使える者がいるかも不明。これはまた犬で行くしか無いのだろうか。
部屋の隅に直立する無表情な警護兵を見る。よく鍛錬し筋骨隆々だが弱々しい人間にしか見えなかった。段々イライラしてくるのも自覚する。何故自分がというやり場の無い不満と怒りがフツフツと沸き起こり、眉間に再び深くシワを刻んだ。
『そんな顔する時はお茶ですね!』
『あはは!魔狼が茶の香り楽しむの?鼻が曲がるんじゃなかったの?慣れって怖いわ~』
クロウとクルフェルの声を思い出す。イライラしたら茶でひと息入れるもんだと。
「茶くらいでないのか」
警護兵は仕事熱心なのか無反応だ。
さあ、これはどうやって帰るべきか。
「私はこの国の王です。民達を守りたいのです。魔物に蹂躙、ましてや支配などされたくありませんでしょう。どうか。どうか勇者様の御力を民と国の為に!」
疑念の視線に気づいたのか大きめの声で王と二回言う。
「あの冠の男が王じゃないのか」
「あれは王族の未婚の男がつける儀式装ですが、それよりも勇者様。ここは民の前。詳細は城で話しましょう。快諾して笑顔を見せればそれで良いのですよ」
「……は?」
王は小声で告げてにっこり微笑んだ。
やっぱり俺は勇者設定なのか。魔物転生はもう仕方ないしこの体も慣れた。多分全属耐性の最強ボディはチートスキル。そして転生といえば異世界で無双がセオリーで、魔王討伐もイベントも死亡フラグがたっても勝利しかない。いやまてコラ。
自分は今や魔物だが支配なんぞ興味はない。己が穏やかに過ごす為、当たり障りなく周りに振り回されず、縄張りで力を誇示しあうだけだ。
「さあ、勇者様」
促す声を無視して改めて己の足下と周りを見遣る。大きな切り出し岩を並べた地上より一段高い祭壇と思しき石畳に立っていた。それに刻まれた溝に魔力の残渣が朧げに瞬く魔法陣が見える。
目の前には美しいと言うよりは気が強そうだけど可愛い顔立ちで、直ぐにでも騎乗できそうな軽装でいて高貴な雰囲気の王。己を取り囲むのは高級そうな生地で身形のいい役職持ちと思しき中高年に、兜の隙間から見える眼光が鋭い重装騎士。それから離れて警備なのかぐるりと槍をたて持つ騎士擬き。その奥には見守るか期待している様な目をした沢山の老若男女は国民だろうか。ここは街の大広場の様だった。
「……そうか。じゃあな」
がしっ
背を向けた途端両サイドから騎士もどきに両腕を掴まれた。その周りには王を護る様に、そして逃さない為なのか退路を塞ぐ人々を視認した。背後に立つ王は当たり前の様に語りだす。
「私はフィネリア国王シュリ。そなたの名は何というのですか」
聞いた事がない国だった。この一年、クロウに分かりやすく世界史も習ったから近隣諸国くらいはわかる。という事は未知の大陸か。まさか違う世界?転生したのに更に異世界召喚?最悪のシナリオじゃないか。今まで見てきた地図にない新大陸か、自分が記憶して無い国の可能性に賭けよう。
黙ったままの魔狼にシュリは続ける。
「勇者様、あなたは選ばれたのです。体に漲る力を感じませんか?その力を人々のため世のために使うためにここに導かれたのです。私たちと共に不条理な悪に、人々を脅かす魔物に立ち向かいましょう!」
力は魔獣本来のものだ。魔狼は誘導染みた遊説に口角を上げた。
「俺は勇者ではない。人を同意も無く召喚とは誘拐同然。非礼も詫びぬ傲慢な王に問う。勇者とは、自国民で戦う前の使い捨てか都合良く力を利用できるもの、若しくは戦高揚扇動者としての駒か。尚更協力する気にもならんぞ」
「っな!」
「何という事を!」
「無礼な!」
周囲がざわめき始めるが、王が唇を少し噛んだのを魔狼は見逃さなかった。肯定なのか。大昔読んだラノベの台詞借りたんだけどな。
「静かに。民の前です」
「で?不敬罪にでもするのか?」
すうと息を吸い、両手を広げ仰ぐ王に群衆は静けさを取り戻す。そして柔和な顔付きを変え声を張り上げた。それはまさしく王の威厳と風格を感じさせた。
「民よ!勇者様が魔王を打ち砕く事を約束されました!民よ!我らが国は安泰です!」
ウォオオォ!!!
「応接室に案内を」
「は」
「はっ」
「……は?」
歓声の中、魔狼に視線を戻す王は微笑を浮かべた。
「……戯言を」
「さあ参りましょう」
「勇者殿、こちらへ」
おいおいおい。何優雅に踵を返してるんですか王様。断ったよな。俺、断ったよな?地下牢じゃ無いならまだ説得する気なんですか。何にせよこれは少し様子を見るしかないのか。
魔狼は周りを大勢に囲まれ、眉間に深くシワを刻み大人しく引き摺られて行くのだった。
面倒くさい。クロウより面倒臭いことになった。プーは静かだから寝てるのか?
少し歩くと聳え立つ石壁があり、下から見上げても全体が把握出来ない高さで、門を過ぎれば城内のようだった。壁の中は多層塀ということは階層区部の造りと予想できる。
そしてどの位歩いたかもう城内。俺は丁重にもてなされ、華美過ぎない応接室らしい部屋でソファで踏ん反り、次の展開を待っていた。
部屋の隅、ドアの前に二人ずつ警護兵がいたのも確認済みだ。耳も嗅覚も本来の能力のままだったが、かつてない程人口密度が高く、雑音に聴こえ鬱陶しかった。それでも暇を持て余し考える。
人を召喚する陣は検索強制送達目的の筈だ。召喚陣自体が特殊だといえる。実際過去に使われていたティムの様に契約の縛りは無いと仮定する。そもそも力あるクロウとクルフェルがいたのに、魔力を感知させなくなった俺が何故喚ばれた。リリーちゃんの魔力溜まりもあって目立たなかった筈だがどういう人選だ。
・・・人選。人だと認識されたのか?
ここにいる人間に見た感じ魔力の強い者はいなかった。
人化している今、魔物が敵だという地で魔狼にも戻れない。人々の魔力も小さく転移術が使える者がいるかも不明。これはまた犬で行くしか無いのだろうか。
部屋の隅に直立する無表情な警護兵を見る。よく鍛錬し筋骨隆々だが弱々しい人間にしか見えなかった。段々イライラしてくるのも自覚する。何故自分がというやり場の無い不満と怒りがフツフツと沸き起こり、眉間に再び深くシワを刻んだ。
『そんな顔する時はお茶ですね!』
『あはは!魔狼が茶の香り楽しむの?鼻が曲がるんじゃなかったの?慣れって怖いわ~』
クロウとクルフェルの声を思い出す。イライラしたら茶でひと息入れるもんだと。
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警護兵は仕事熱心なのか無反応だ。
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