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約束と共に歩む道
17 結局は溺愛ルート
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「死ぬ訳じゃないしフィルといられる時間が少し増えたんだろ?それなら俺は嬉しいよ」
「……レオ」
もう見つめ合うしかないわけで。照れ臭いから俺から軽くキスをした。
転生しまくってるし多少の長生きだって何とかなる。フィルを好きって自覚したし、もう逃げられないし今世はこれでいいと思う。
「嫌だったら身体預けないし、噛まれたら家出するくらい怒るし、何心配してるの?俺の生き方、人生がどうかって考えてるみたいだけど側にいるし、自分で考えて選んでるよ?フィルの執事だしこれでいいと思うよ」
「レオは不思議な子だな。敵わないよ」
フィルは嬉しそうに笑んで少し獣染みた目をして俺にキスをする。
「ん…ん??」
な、斜めってる。倒れるよ。てゆか押し倒してズボンに手!それなにする気?!
「フィル、ちょっと、んむ」
「うるさいぞ」
「そ、そこ、にゃ、めっ!」
「ははっ、何言ってるか解らないな」
ま、祭り、祭りに行きたいんですけどー!!
「ま。ま、あっ、にゃーーーっ!」
「祭り行きたかったのに」
「嬉しくて感極まったんだ。許せ」
「許したら一日帰ってくるんですか」
「レオ、そう怒るな。あと一日残ってるし二年後にまたある」
ぐぬぬぬ。口で言えない程いやらしい台詞と体位で泣かされて、疲れて爆睡して目が覚めたら陽がとっぷり暮れてるんですけど!しかもまたベッドじゃ無いし、応接間なんかで致すからバル達に見られたし!
くああぁぁっ!!
頭を抱えてぶんぶん振り回した。やっちゃった事過ぎた事は仕方ない。次だ次。
恥ずかし過ぎて、今はフィルの部屋に引きこもって一緒にいるわけですが。恨めしげに何もかもすっきりした隣のフィルを見る。
「さっきから何読んでるの」
「眷属について調べ直してる」
「……大昔の話だから?」
「変化詳細不明だからな。俺より前の世代の話だし、わからないまま放置も気分が悪い。食欲落ちてたの血のひと舐めで普通に戻ったんだろ?」
「……食欲だけ」
「身体は」
「フィルが余計な事した以外は何ともない」
「ははっ、悪かった」
大きな手で頭をぽんぽんと撫でられる。
「普段通り過ごせそうだし、調べるの今日じゃなくても良くない?だってフィルと俺、何も変わらないよ?」
「……レオは時々聡いな。後にするか」
「時々なんだ」
「ははっ」
タイミングを計ったようにバルモンクの声とノックが響いた。
「用意できましたよ、アンフィル様」
「そうか、レオ、行くぞ」
「どこに。夕飯?」
「そうだな」
手を繋いできた所は前庭だった。屋敷の明かりと庭にあるガス灯と蝋燭で薄明かりになっている。
「おー、チビ来たか」
「こっち座るかい、レオ」
「さあ私も飲みますぞ」
皆いて相変わらず男だらけになってるけど、芝生と土の上に敷物とガーデニングチェアセットで食べ物が並んでいた。
「そっちが屋台で買ってきたので、ここからが俺の料理な。あとは帝国の酒数種並べた」
「レオ、食べれるだけ食べるんだよ」
「ほらレオ、どれ食べる?」
う。ビュッフェになってるし、これって俺がピクニックって言ったから?
皆、俺に甘過ぎるよ!
口をへの字にしてワナワナ震えてしまった。
「ありがとう。俺、嬉しい!」
「おや、レオが素直ですぞ。これは雨になる前に早く酒を進めないといけませんな」
「あはは、そうだな、飲もう飲もう」
「チビが素直だと雨か。そら急ごう。食っとけよー」
な、なんて言われようだ!
フィルが苦笑して手を引いた。
「レオ、屋台の味楽しもうか」
「うん」
「腹減ってるか?」
「減ってる。食べるよ!」
「後でまたレオを食べたい」
「無理。やめて。言い方古い。鳥肌」
「ははっ、なんだ酷いな」
肉の串焼きを取ってフィルに差し出すとガブリと齧ってくれる。嫌われもするけど、周りにいる皆は優しくてフィルがいて、今幸せだと思う。
眷属変化とか色々不明だけど。
結局は相愛な訳で、俺も流されてるけど満足する結末に向かうしかなくて。
とにかく今はお酒も屋台飯も美味しい!
「俺って執事で眷属で恋人だね」
「行く行くは伴侶だな」
「……は?違くない?言質取ったよ?」
「嫁、じゃないだろ」
「言葉の問題なんデスか?意味は同じだと思うんですけど!」
「……さあ。嫁じゃないけど伴侶だ。契約書も無いし言質なんか子供の口約束だしな。あれは無効だろ」
「ちょっと。アンフィル様?少し詳しく説明しやがれってんデスよ!」
「いたた!はははっ!」
フィルの胸ぐらを掴んでは見たものの、お酒が入って威嚇にもなりやしない。
「レオ、酒飲み過ぎるなよ」
「そうですぞ、いちゃいちゃする前にきちんと食べなさい」
「そうだそうだー、チビッ子ー」
「だそうだ。レオ、食べようか」
「なんだって?」
ぐぬぬぬ!睨んでも酔っ払いのオヤジ達はゲラゲラ笑い始めるし、フィルはニヤニヤしてるし、これ計画的っぽくない?
俺、嫁なの?
伴侶って嫁のことだよね!?
俺の溺愛ルートは次のラウンドに突入した、
らしい。
完
「……レオ」
もう見つめ合うしかないわけで。照れ臭いから俺から軽くキスをした。
転生しまくってるし多少の長生きだって何とかなる。フィルを好きって自覚したし、もう逃げられないし今世はこれでいいと思う。
「嫌だったら身体預けないし、噛まれたら家出するくらい怒るし、何心配してるの?俺の生き方、人生がどうかって考えてるみたいだけど側にいるし、自分で考えて選んでるよ?フィルの執事だしこれでいいと思うよ」
「レオは不思議な子だな。敵わないよ」
フィルは嬉しそうに笑んで少し獣染みた目をして俺にキスをする。
「ん…ん??」
な、斜めってる。倒れるよ。てゆか押し倒してズボンに手!それなにする気?!
「フィル、ちょっと、んむ」
「うるさいぞ」
「そ、そこ、にゃ、めっ!」
「ははっ、何言ってるか解らないな」
ま、祭り、祭りに行きたいんですけどー!!
「ま。ま、あっ、にゃーーーっ!」
「祭り行きたかったのに」
「嬉しくて感極まったんだ。許せ」
「許したら一日帰ってくるんですか」
「レオ、そう怒るな。あと一日残ってるし二年後にまたある」
ぐぬぬぬ。口で言えない程いやらしい台詞と体位で泣かされて、疲れて爆睡して目が覚めたら陽がとっぷり暮れてるんですけど!しかもまたベッドじゃ無いし、応接間なんかで致すからバル達に見られたし!
くああぁぁっ!!
頭を抱えてぶんぶん振り回した。やっちゃった事過ぎた事は仕方ない。次だ次。
恥ずかし過ぎて、今はフィルの部屋に引きこもって一緒にいるわけですが。恨めしげに何もかもすっきりした隣のフィルを見る。
「さっきから何読んでるの」
「眷属について調べ直してる」
「……大昔の話だから?」
「変化詳細不明だからな。俺より前の世代の話だし、わからないまま放置も気分が悪い。食欲落ちてたの血のひと舐めで普通に戻ったんだろ?」
「……食欲だけ」
「身体は」
「フィルが余計な事した以外は何ともない」
「ははっ、悪かった」
大きな手で頭をぽんぽんと撫でられる。
「普段通り過ごせそうだし、調べるの今日じゃなくても良くない?だってフィルと俺、何も変わらないよ?」
「……レオは時々聡いな。後にするか」
「時々なんだ」
「ははっ」
タイミングを計ったようにバルモンクの声とノックが響いた。
「用意できましたよ、アンフィル様」
「そうか、レオ、行くぞ」
「どこに。夕飯?」
「そうだな」
手を繋いできた所は前庭だった。屋敷の明かりと庭にあるガス灯と蝋燭で薄明かりになっている。
「おー、チビ来たか」
「こっち座るかい、レオ」
「さあ私も飲みますぞ」
皆いて相変わらず男だらけになってるけど、芝生と土の上に敷物とガーデニングチェアセットで食べ物が並んでいた。
「そっちが屋台で買ってきたので、ここからが俺の料理な。あとは帝国の酒数種並べた」
「レオ、食べれるだけ食べるんだよ」
「ほらレオ、どれ食べる?」
う。ビュッフェになってるし、これって俺がピクニックって言ったから?
皆、俺に甘過ぎるよ!
口をへの字にしてワナワナ震えてしまった。
「ありがとう。俺、嬉しい!」
「おや、レオが素直ですぞ。これは雨になる前に早く酒を進めないといけませんな」
「あはは、そうだな、飲もう飲もう」
「チビが素直だと雨か。そら急ごう。食っとけよー」
な、なんて言われようだ!
フィルが苦笑して手を引いた。
「レオ、屋台の味楽しもうか」
「うん」
「腹減ってるか?」
「減ってる。食べるよ!」
「後でまたレオを食べたい」
「無理。やめて。言い方古い。鳥肌」
「ははっ、なんだ酷いな」
肉の串焼きを取ってフィルに差し出すとガブリと齧ってくれる。嫌われもするけど、周りにいる皆は優しくてフィルがいて、今幸せだと思う。
眷属変化とか色々不明だけど。
結局は相愛な訳で、俺も流されてるけど満足する結末に向かうしかなくて。
とにかく今はお酒も屋台飯も美味しい!
「俺って執事で眷属で恋人だね」
「行く行くは伴侶だな」
「……は?違くない?言質取ったよ?」
「嫁、じゃないだろ」
「言葉の問題なんデスか?意味は同じだと思うんですけど!」
「……さあ。嫁じゃないけど伴侶だ。契約書も無いし言質なんか子供の口約束だしな。あれは無効だろ」
「ちょっと。アンフィル様?少し詳しく説明しやがれってんデスよ!」
「いたた!はははっ!」
フィルの胸ぐらを掴んでは見たものの、お酒が入って威嚇にもなりやしない。
「レオ、酒飲み過ぎるなよ」
「そうですぞ、いちゃいちゃする前にきちんと食べなさい」
「そうだそうだー、チビッ子ー」
「だそうだ。レオ、食べようか」
「なんだって?」
ぐぬぬぬ!睨んでも酔っ払いのオヤジ達はゲラゲラ笑い始めるし、フィルはニヤニヤしてるし、これ計画的っぽくない?
俺、嫁なの?
伴侶って嫁のことだよね!?
俺の溺愛ルートは次のラウンドに突入した、
らしい。
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