魔女の露店

秋鮭の哀しみ。

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とある世界

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その世界には、言い伝えがあった。


『1000年に一度、世界に歪みができるだろう。
その歪みがもたらすものはわからない。だがしかし、その歪みがどんなものであってもそれはこの世界の生き物全てを絶滅させることになるだろう。小さな亀裂が気づかぬうちに大きくなっていくのだ。
その歪みを止める方法はただひとつ。異世界より、知恵のある男女を呼び寄せたまえ。
男は勇者となり、歪みによる数々の戦や獣の暴走を止めてくれるだろう。
女は聖女となり、生きる全てのものの心を癒してくれるだろう。』


そんな、言い伝えだった。

ガルルージュ王国はこの世界でも特に大きい国であったため、世界の代表として召喚術を行った。

行われた召喚術は成功した。
この世界に、勇者と聖女が現れたのだ。


勇者は、チョコレートのような茶色の髪に同じ色の目。身長も高く、ほどよく筋肉のついた体。顔のパーツも整っており、年の頃は16ほどだろう。爽やかな美青年だった。

聖女は、アルビノだろうか、胸元くらいまでのストレートの真っ白い髪に赤い目。身長は170と、女性にしては高い。ボン、キュッ、ボンという体型ではなく、スラッとした体型をしている。顔は目が少しつり目。年の頃は勇者と同じく16ぐらいだろう。お姉さん系の美人だ。


召喚術が成功したことと、勇者と聖女が美男美女であったため、ガルルージュ王国は大いに湧いた。

ガルルージュ王国からの知らせが来た他の国も、召喚術の成功にとても喜んだ。

みんなが勇者と聖女の召喚に喜んでいた。
ーーだから、気がつかなかった。


「・・・ここどこよ?」



召喚術に巻き込まれた、魔女がいたことに・・・。
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