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Dom≒Sub/嘘
3/生贄の仔
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(自分がホモになるなんて、嘘…だろ?)
「先生もホモなの?」
「今は若年層Subカップルが最先端です」
「さぶ…と、どむって何が違うんですか?」
「Subは感染してない生粋のヴァージン、てとこかな」
ば…ッッ!!!!
優輔は口を開けたまま目を剥き出して、赤面する。
「今は男が妊活する時代。性転換や不妊手術の最新医療も進んでます」
「おっぱいもおっきくなるんですかね」
「女体化はモテないよ?Domは基本肉食系のタチ、純粋な雄です」
(肉食系…タチ…なんだ、それ?)
頭の中身は中学生の優輔はゲームの装備品?みたいなものかなって勘違いしながら、足がもつれて転びそうになったところ前を歩いていた男の背中にぶつかる。
「わっ、すみませ…」ん?え…っちな香水の匂い…する。
男はバイクのヘルメットを指にかけて「よっ、新人か?」背中をポンと叩く。
「あ、峰睦さん。試験に合格したSubを献上仕りました」
「ご冗談を、こんなの置いてかれても困るよ」
「健康的な成人男性です」
「どぉー見ても未成年だろ。壬生さんのセンス俺らに託さないで」
3人でエレベーターに乗り最上階層へ向かう。
男の名前は、荒木田峰睦。
革ジャンを着ていてもわかる胸の逞しさに、セクシーな香りはミドルノートの仕上がり。ゆっくり話す心地良い声色に会話が弾む。
もう少し視線を上げないと顔が見えない身長差に緊張する優輔は5年振りの外出に体が付いていかず、エレベーターの揺れに立眩み「大丈夫か?」しゃがんで視線を合わせてくれる峰睦の腕を掴む。
「荷物、俺が持つから。ここ…掴んでていいからな?」
差し出される腕を頼りに、頭を預ける。
ただの立眩みじゃない。
あの日、事故に遭わなければ…
期末試験で理数の学年1位を、誰が取れるか?
じゃんけんしながら天満宮の階段を降りた先の一時停止を無視した大型トラックに牽かれた。
一人目の同級生は即死。
スリップに巻き込まれる優輔は跳ね飛ばされた視界の中で、生きたまま引き摺られる断末魔の叫びが耳の奥に残って、二度と会えない友人の死を悼む。
中学生3人を含む凄惨な事故の生存者である優輔は、進学校を受験するほど成績が良く出席日数も足りていたことから原級留置にならず中学校は卒業したが、学歴と記憶は15歳で止まったまま。
18歳を成人とする社会では圧倒的に不利な立場で、就職も儘ならない。
D/Sに関する福祉の基本受給は戸籍を独立させることが条件。
未成年者に限り親の扶養が適応されるが不正受給や相続の争いでD/Sが虐待死する最悪のケースを未然に防ぐ為の措置とされているが、審査結果に半年以上かかる。退院と同時に、高額医療請求が降りかかる優輔に余地はない。
Dom男性と結婚することは誰しもが夢見る成功者の証。
両親が望む結果だと壬生に言われた通り、優輔は男達の前で挨拶をした。
「先生もホモなの?」
「今は若年層Subカップルが最先端です」
「さぶ…と、どむって何が違うんですか?」
「Subは感染してない生粋のヴァージン、てとこかな」
ば…ッッ!!!!
優輔は口を開けたまま目を剥き出して、赤面する。
「今は男が妊活する時代。性転換や不妊手術の最新医療も進んでます」
「おっぱいもおっきくなるんですかね」
「女体化はモテないよ?Domは基本肉食系のタチ、純粋な雄です」
(肉食系…タチ…なんだ、それ?)
頭の中身は中学生の優輔はゲームの装備品?みたいなものかなって勘違いしながら、足がもつれて転びそうになったところ前を歩いていた男の背中にぶつかる。
「わっ、すみませ…」ん?え…っちな香水の匂い…する。
男はバイクのヘルメットを指にかけて「よっ、新人か?」背中をポンと叩く。
「あ、峰睦さん。試験に合格したSubを献上仕りました」
「ご冗談を、こんなの置いてかれても困るよ」
「健康的な成人男性です」
「どぉー見ても未成年だろ。壬生さんのセンス俺らに託さないで」
3人でエレベーターに乗り最上階層へ向かう。
男の名前は、荒木田峰睦。
革ジャンを着ていてもわかる胸の逞しさに、セクシーな香りはミドルノートの仕上がり。ゆっくり話す心地良い声色に会話が弾む。
もう少し視線を上げないと顔が見えない身長差に緊張する優輔は5年振りの外出に体が付いていかず、エレベーターの揺れに立眩み「大丈夫か?」しゃがんで視線を合わせてくれる峰睦の腕を掴む。
「荷物、俺が持つから。ここ…掴んでていいからな?」
差し出される腕を頼りに、頭を預ける。
ただの立眩みじゃない。
あの日、事故に遭わなければ…
期末試験で理数の学年1位を、誰が取れるか?
じゃんけんしながら天満宮の階段を降りた先の一時停止を無視した大型トラックに牽かれた。
一人目の同級生は即死。
スリップに巻き込まれる優輔は跳ね飛ばされた視界の中で、生きたまま引き摺られる断末魔の叫びが耳の奥に残って、二度と会えない友人の死を悼む。
中学生3人を含む凄惨な事故の生存者である優輔は、進学校を受験するほど成績が良く出席日数も足りていたことから原級留置にならず中学校は卒業したが、学歴と記憶は15歳で止まったまま。
18歳を成人とする社会では圧倒的に不利な立場で、就職も儘ならない。
D/Sに関する福祉の基本受給は戸籍を独立させることが条件。
未成年者に限り親の扶養が適応されるが不正受給や相続の争いでD/Sが虐待死する最悪のケースを未然に防ぐ為の措置とされているが、審査結果に半年以上かかる。退院と同時に、高額医療請求が降りかかる優輔に余地はない。
Dom男性と結婚することは誰しもが夢見る成功者の証。
両親が望む結果だと壬生に言われた通り、優輔は男達の前で挨拶をした。
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