【R18】青色はぐれ星

名のない星は暁から出流る

第1話 私の彼氏を紹介します

　スマホのアプリをダウンロードして、早１年。
　風船の通知が届いた。それが何かわからなくてゲイ友に聞くとバースデー設定だと知って切迫しまくった胸が落ちた。
　いわゆる機械音痴の私
　名前は及川麻友まゆ(旧姓・小田桐)アラフォー専業主夫。
　
　「まゆ……ごめん、仕事入った」

　階段から降りて来るなり、スマホの着信音に堪えきれない声を上げ、受ければ人が変わったような声色で話し出す。
　私の彼氏
　及川貴之(54歳/職業・医者)
　世間的には「実兄」戸籍上は同じ苗字の兄弟。
　でも、お兄ちゃんなんて一度も呼んだことがない。
　電話が切れるタイミングでライダースに袖を通して
　「駅まで送るよ」
　断ろうとするタイミングで、二度目のコール。
　「電話出て、そっちの方が安心できる」
　何度目かのごめんを聞きながら声を潜める私は「どう致しまして」と言いながら視線を反らす。あ、今の態度良くなかったかな…

　こっち見てなかったらセーフ。

　日々こんな感じで彼、貴之を支えながらの同棲生活20余年
　ゲイカップルとして息が長いけど、私が制服着てる時からの付き合い。
　物心ついた時から男性を意識して幼少期はLGBTトランスジェンダー(体は男で心は女の子)性行為を覚えてからはＧ総受けの履歴を持つ私は高校３年の春に出会った男から高収入の売専に興味はないか？と誘われたことから始まる。