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7話 ロディの努力の結果

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 自称女神との会話を思い出しながら、俺は起きて間もない頭を整理する。

 昨日は、夜遅くまで起きていたせいか、起きるのが遅かったようだ。

 ベルさんが食事を持って入ってきた。

 
 「おはようございます、ロディ坊ちゃん。」

 「おはよう、ベルさん。質問しても良いかな?」

 「……?はい、いいですよ。」

 
 ベルさんは朝食の用意をしながら、俺へ返答する。

 
 「そろそろ魔獣討伐をしてみたいんだけど、外に行く事って可能かな?」

 「んー。それはどうでしょうか?許可まで数日かかるかもしれないですが、当主様に聞いてみましょうか?」

 「……そっか。じゃあよろしく頼むよ。ちなみに属性ごとの魔導書って……」

 「分かりました、もし外に行かれるなら護身用にも魔法の一つや二つ必要ですもんね。そのかわり、無理はしないこと。分かりましたか?」

 「……はい。分かりました……。」

 「ふっ。じゃあ、分かりました。また持ってきますね。」

 「ベルさん、ありがとう。」

 ベルさんは、それだけ言うと部屋を後にした。
 そんな後ろ姿を見ながら、俺は心でガッツポーズをした。

 その日の昼、約束通りベルさんは各属性の初級魔導書を持ってきてくれた。

 属性には各々適性があるので、自分に見合った属性魔法が見つかるまで努力を怠ってはダメですよ、とベルさんから言われた。

 あと、これから俺の父に外出の許可を取りに行くとも言ってくれた、少し時間がかかるかもとのことだったので、俺は、剣術の本と、スキルの本、各属性の魔導書を読みながら魔獣討伐に向けて準備をしようと心に決めた。

◆◇

 数日後、父から許可が出たと、ベルさんが昼過ぎに部屋に知らせに来てくれた。

 ベルさんには感謝を伝え、余裕を持って出発は明日となった。
 明日は、ベルさんもついて来てくれるらしい。

 ただのメイド長なので戦闘は出来ないだろうから、俺が守らなくちゃ、という意味も込めて今日は、念入りに明日の最終確認を行なう事にした。

 まずはステータスからだ。

【ステータス】
名前:ロディ・アレクシス
年齢:3歳
性別:男
種族:人
レベル:1

▼能力
体力:60→150
攻撃:40→240
防御:35→120
魔力:1900
速度:30→160
素質:+1

▼スキル
気配感知(大)
魔力感知(大)
魔素吸収(大)
身体強化(中)
鑑定(中)
鑑定阻害(中)
隠密(大)
夜目(大)
魔力制御(小)
魔力節約(小)
速読(中)
棒術(中)
並列思考(小)
融合魔法(小)

▼称号
全スキル適性(中)
全魔法適性(中)

 能力は、全体的にかなりアップした。スキルの恩恵もあるだろうが、毎日、腕立て、スクワット、腹筋を2000回ずつ行なっている努力の賜物だろう。

 次にスキルは、色々増えた。
 スキルの本を読み学んだこともあるけども、魔法の特訓中に偶然手に入れた、魔力制御と魔力節約を覚えたのは嬉しい誤算だった。

 あと、並列思考。
 これがなぜ手に入ったのか分からないけど、気配感知と魔力感知をやりながら他の特訓していた努力が実ったのかもしれないと推測する。

 あと、剣術の本を読みながら、剣の練習をしていたのだけども、手に入れたのは棒術だった。

 心当たりはある。

 剣が部屋にないから、ベット枠に使われてた長い棒を剣に見立てて特訓していたのだ。

 まぁ、武器として使えると言う点では一緒だし良いだろう。
 うん、そういうことにしておこう。

 あと、魔法は全部問題なく扱えた。
 まだ初期魔法だけど、アレンジ次第でいくらでも強くなりそうだ。

 ちなみに、並列思考を手に入れてから、右手に火と左手に水を出して組み合わせると霧が発生する事、そしてそれは融合魔法という事を知った。

 試しになんでもやってみるもんだね。

 そんな感じで、ステータスの最終チェックは終わり、続いて荷物のチェックだが、荷物は特にない。

 替えの服もないし、棒でも持っていくか。

 よし。これで全てのチェックは完了だ。

 あとは寝て明日を待つだけ。
 ということで、今日は早めに就寝です。

 「おやすみなさい」

 俺は誰もいない空間にぽつりと一言、言葉を投げてベットに潜った。

◆◇

 ~ベルside~

 ロディ坊ちゃんが魔物討伐に行きたいと言い始めた。

 たしかに最近のロディ坊ちゃんの成長は凄まじい。
 3歳というのに喋り方は大人っぽいし、身体つきもガリガリだった身体から少しずつ筋力が付いているのか、正常な男児っぽい身体に変わっている。

 とは言ってもまだ3歳。子を持つ親としては外に行くなど不安でしかない。

 だからせめてもの護身用として各属性の魔導書を読む事を許可した。

 きっとあのグロース様デブの事だ。
 この機会に死んでくれれば良いと、外出許可は二つ返事でもらえるだろう。

 だからこそ、私はロディ坊ちゃんが少しでも強くなれるように適当な理由をつけて勉強の時間を稼ぐ事にしよう。

 私はご飯を届ける時に何となく進捗を聞きながら、ロディ坊ちゃんの外出タイミングを見計った。

 そして数日後。

 ロディ坊ちゃんの特訓も少し落ち着いて来たようだし、許可を取りに行く事に私は決心した。

 ………………

 …………

 ……

 やっぱりあのグロース様デブは、二つ返事で外出の許可を出した。

 「森で魔獣に襲われて不慮の事故もいいな」なんて呟いてた。
 あの野郎、いつか必ず……はっ!ダメ、ダメよ。私。


 そんなことがありつつ、明日は外出の日。
 私はついて行くことにしたけど、心が騒つく。

 ロディ坊ちゃんの成長が確認できれば、アレクシス家の汚点扱いも見直されるかも知れない。
 そうすれば、私もロディ坊ちゃんを暗殺なんてしなくて済む。

 どうか、ロディ坊ちゃんが急成長していますように。
 心の底から願うばかりである。

 あー、それよりもロディ坊ちゃんを早く鑑定したい。
 鑑定して安心したい。



 そんなことをベットの上で思いながら、なかなか寝付けないベルは、結局朝まで起きてしまっていた。
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