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死に戻り3回目のオメガ神子が悪役を貫く理由
死に戻り3回目のオメガ神子が悪役を貫く理由
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「貴様を謀反の罪で断首する」
「やめて、やめてぇぇ! 攻めを殺さないで!」」
僕の人生は三度目だ。死に戻るといつも同じ場所。
18歳までβとして生きてきたのに、ある日突然ヒートが起こり、収まったときにはお腹にグリフォンの痣が浮かんでいた。
グリフォンの恵みを受けて繁栄していると伝説が残る国に、100年に一度現れるという聖女…僕の場合は神子だが…の誕生だった。
その日から僕の生活は一変した。辺境伯の三男で、恋人は国王陛下の廃妃の子息で幼馴染。
彼は王都に戻ることを許されず、僕の父の庇護下で七歳の頃から一緒に暮らしている。
αだがどこか人生を諦めた陰のある彼を僕だけが笑顔にできた。
僕も、彼が僕にだけ見せてくれる笑顔が大好きで、βとαだけれど、将来を誓い合う恋人同士になったのだ。
けれど、僕がΩの神子となったことで、王都から迎えが来てしまう。
国ではΩも生まれにくくなり、諸侯貴族家に生まれたΩは王家の後宮に召し上げられる世の中だ。ましてや僕は神子。年の近い王太子の正妃として王城に行くことになった。
もちろん嫌だ。
僕は家も父様も捨てて彼と逃げた。
待っていたのは一家取り潰しに家族の処刑。そして、彼の処刑。
その後僕は魂無き巫女として、王家にαの子を授けるまで身体を嬲られ、命を落とした。
それが一度目の人生。
二度目の人生は、彼に驚かれても早くから既成事実を作り、Ωとして覚醒してからすぐに番となって、αの赤子を宿して彼の王族復権を目論んだ。
けれど僕は浅はかだった。認められるはずもなく、彼は神子を汚した謀反人として処刑され、子は取り上げられてどうなったかも知らされないまま、また、身体を嬲られて命を落とした。
そして三度目の人生。
僕は彼と恋人になってはいけない。
彼に好かれたら僕は彼に寄りかかってしまう。もう2度と彼を失いたくない。
だから貫くのだ。意地悪で狡猾な神子のフリを。
僕は彼に嫌われ、番にならない代わりに、横柄に振る舞って王族ごと騙し、僕達に辛酸を舐めさせた王や王太子を滅ぼす。
刑は受けるだろう。でも次は、命を落とすのは僕だけ。
僕は命にかえて彼を守る。
──そう誓ったのに、攻めは受けを愛してくるのだった。
三度目の人生ではハッピーエンドを迎えられるのか。
「やめて、やめてぇぇ! 攻めを殺さないで!」」
僕の人生は三度目だ。死に戻るといつも同じ場所。
18歳までβとして生きてきたのに、ある日突然ヒートが起こり、収まったときにはお腹にグリフォンの痣が浮かんでいた。
グリフォンの恵みを受けて繁栄していると伝説が残る国に、100年に一度現れるという聖女…僕の場合は神子だが…の誕生だった。
その日から僕の生活は一変した。辺境伯の三男で、恋人は国王陛下の廃妃の子息で幼馴染。
彼は王都に戻ることを許されず、僕の父の庇護下で七歳の頃から一緒に暮らしている。
αだがどこか人生を諦めた陰のある彼を僕だけが笑顔にできた。
僕も、彼が僕にだけ見せてくれる笑顔が大好きで、βとαだけれど、将来を誓い合う恋人同士になったのだ。
けれど、僕がΩの神子となったことで、王都から迎えが来てしまう。
国ではΩも生まれにくくなり、諸侯貴族家に生まれたΩは王家の後宮に召し上げられる世の中だ。ましてや僕は神子。年の近い王太子の正妃として王城に行くことになった。
もちろん嫌だ。
僕は家も父様も捨てて彼と逃げた。
待っていたのは一家取り潰しに家族の処刑。そして、彼の処刑。
その後僕は魂無き巫女として、王家にαの子を授けるまで身体を嬲られ、命を落とした。
それが一度目の人生。
二度目の人生は、彼に驚かれても早くから既成事実を作り、Ωとして覚醒してからすぐに番となって、αの赤子を宿して彼の王族復権を目論んだ。
けれど僕は浅はかだった。認められるはずもなく、彼は神子を汚した謀反人として処刑され、子は取り上げられてどうなったかも知らされないまま、また、身体を嬲られて命を落とした。
そして三度目の人生。
僕は彼と恋人になってはいけない。
彼に好かれたら僕は彼に寄りかかってしまう。もう2度と彼を失いたくない。
だから貫くのだ。意地悪で狡猾な神子のフリを。
僕は彼に嫌われ、番にならない代わりに、横柄に振る舞って王族ごと騙し、僕達に辛酸を舐めさせた王や王太子を滅ぼす。
刑は受けるだろう。でも次は、命を落とすのは僕だけ。
僕は命にかえて彼を守る。
──そう誓ったのに、攻めは受けを愛してくるのだった。
三度目の人生ではハッピーエンドを迎えられるのか。
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