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甘えたいチワワ系大学生とストーカーイケオジ
甘えたいチワワ系大学生とストーカーイケオジ
しおりを挟むゲイってわけじゃないけど、年上男性から甘やかされたい大学生の[[rb:南蒼汰真> みなみそうま]]。
チワワ系の容姿だから、中高一貫の男子校時代は先輩が可愛がって膝に乗せてくれたりお姫様扱いしてくれたのに、大学では皆、彼女優先。
ちょっと年上のイケメンに甘えたくなって、エチなし希望でマッチングアプリに登録してみた。
やって来たのは登録情報と全く違うノ―サンキュー男。しかもやっぱりヤリモクで、びびる蒼真。
「待ちなさい!」
そこを助けてくれたのは、スリーピーススーツをパリッと着こなしたイケオジ。ヤリモクの腕を掴む手には高級時計。
40歳前後に見えるけど、品もあって優しそう。年齢範疇外だけど、お礼にお茶に付き合った。
そしたらオヂさん、エスコートがスマートで、仕草ひとつひとつもカッコイイ。この人なら大丈夫かな、と名前を明かし合い、オジさんは[[rb:加賀美伊織 > かがみいおり]]さんという名前だと知った。
加賀美さんはやっぱり優しい人で、
「このマッチングアプリはヤリモク多いから危ないよ」
「君とマッチングしたかったけど、年齢対象外だったから……でもこの店で声かけてくれるの待ってるって書き込みをしていたのを見て、心配で来ちゃったんだよね」
と、頭を撫でて言ってくれる。
(キュンでしょ。これはキュンでしょ)
ついつい覚えたてのお酒が進んでしまう。
酔っちゃって足元フラフラだけど、加賀美さんが優しく介抱してくれて幸せ~。
(……幸せ?)
「えっ、ここどこっ」
「ホテルだねぇ。でもラブホじゃないからね~」
「見ればわかりますけど、な、なんで、服脱がして……」
「うん、服ね。シワになったら大変だからね」
「えっえっ? あっ!」
ちゅ、と額や頬にキスされて、肩とか胸とか撫で撫でされると高い声が出ちゃう蒼真。
「甘やかされるの好きって言ってたね。 こういうのは好き?」
ちゅる、と胸を吸われて、反対側もくるくるきゅっ、と指でいじられて、体が甘く切なく痺れた。
小ぶりなあそこは当たり前に反応してしまう。
だって、おとこのこ(童貞)だもん。
「可愛いね」
耳の中に甘い声を入れられながら、昂ったあそこを上下にこすられたら蕩けてしまった。
初めてなのに、未経験なのに、未開発の後ろの硬い蕾も全部奪われて。でも夢みたいに気持ちいい。
ああ、もう俺はこっちの道に進むんだ、と思いながら抱っこされて眠った。
***
「……ヤリモクじゃんかーー!」
朝目覚めたら、加賀美さんがいない。荷物もない。
蒼真はつるつるのナイトガウンを着ていて、部屋はどう見てもロイヤルスイート。
コレお金どうなんの、と青くなっていたら、室内コールが鳴った。
(やばい、チェックアウトとお金の催促?)
心臓バックバク。
「……はい」
「あ、蒼真クーン? 起きたかな。今からご飯持っていくね」
「へ?」
声の主は加賀美さん。言われて待っていたら、加賀美さんがボーイさんと共に豪華な朝食を持ってきた。
だーっと泣いちゃう蒼真。
「えっ! ど、どうしたの」
加賀美さん、慌てる。
蒼真は自分でも泣いている理由がわからないけど、「安心した」と加賀美さんに抱きついて泣いた。
加賀美さんはヨシヨシしてくれて、泣きやんだらご飯をあ~んしてくれた。
ワンコに餌付けするみたいに、加賀美さんは始終ニコニコしている。
「やり逃げと、支払いを押し付けられなくて安心した」
恥ずかしくなって憎まれ口を言ったけど、連絡先を教えて貰って、すぐメッセージ入れて貰うと嬉しくなる。
無意識にニコニコしている蒼真を愛おしげに見てくる加賀美さん。
そこから頻繁に会うようになって、蒼真は毎回優しく開発されるようになる。
デートもプレゼントも、蒼真の好みを知っているかのような内容で、幸せしかない。
蒼真は大家族の真ん中の子で、家は工場をやっていて忙しく、放ったらかし気味に育ったから大切にされると嬉しくて嬉しくて。加賀美さんは運命の人かもとのめり込んでいく。
でも友達に言われて気づく。加賀美さんのこと、実は良く知らない。
「金持ちの道楽だろ。遊ばれてるんだよ」
「そんなわけない!」
(加賀美さん、好きって言ってくれたんだから)
(可愛いねって何回も言ってくれたんだから)
だから臆さず正面から聞いてみた。
そしたら
「蒼真くんが何も聞いてくれないから、俺が遊ばれてるんだと思ってたよ」
と加賀美さんは喜び、初日に泊まったホテルのオーナーだったり、ゲイを隠して政略結婚したけどやっぱり駄目で、円満離婚してからマッチングアプリに登録して、やっとタイプの子=蒼真に出会えて必死になった話を教えてくれた。
「嬉しい、俺のことも教えるね」
「大丈夫、全部知ってるよ♡」
加賀美さん、蒼真の個人情報をぜーんぶ知っていた。
「ふぇ……? なんで俺が使ってる大人のおもちゃまで……?」
にんまり笑う加賀美さん。
「蒼真くんは俺の初めての恋人だから、全部知っていたくてさ。ちょっぴり大人の権力使っちゃった。ほら、この蒼真くんの写真かわいくない?」
興信所の封筒を見せ、大学で過ごしているときの写真なども出してくる。
(ヒェッ……だから好みなんかも知っていたわけか。これは……す、ストーカーというやつでは?)
「ちなみに、蒼真くんのお父様の会社も買収済みだから、将来の心配もいらないよ。幸せになろうね❤」
倒れそうになる蒼真。
(この人かなりやばい。でもそんなに俺のこと好きなんだ……嬉しすぎてニヤけちゃう俺はおかしいのか?)
「蒼真くん? 嫌だった?」
(普通嫌でしょう。でも俺、やっぱり嬉しいし、加賀美さんが好きだ)
ただし。
「嫌じゃない。嫌じゃないし、加賀美さんを好きだけど……これからは他人に俺を覗かせないで、加賀美さんが全部覗いて」
「蒼真くん! 約束するよ! 一緒に暮らそう!」
そんなわけで、トントン拍子に幸せになる話。
しかし、加賀美さんはこの後、蒼真にマッチングアプリでこれまで会った男のこととか聞かれてヤキモチ焼かれて、嬉しいけど謝るのが大変なのであった。
おしまい。
*加賀美さんは普段は敏腕ホテルオーナーで道徳観念もちゃんとしてるけど、40過ぎてオープンゲイになり、恋した蒼真を手に入れるためにド執着して性(青)少年になってしまったのでした。
蒼真限定のど変態エロオヤジです。
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