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平凡なβの俺が幼馴染のαに恋をしている話

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 ───佑都の、でっか。めちゃめちゃ熱いし。

 そのあまりの猛り具合に恐怖も感じたけど、俺でこうなっているのだと思うと愛しくて愛しくて。

「なに言ってんだよ。抱くのは俺だ」
 佑都が駄々っ子に見えてくる。
 まじ可愛い。まじで抱きしめたい。包み込みたい。

「……だからさ、俺のケツで抱いてやる、って言ってんの。ほら」
「う、わっ」

 頭にはてなマークを浮かべたような顔をした佑都を押し倒す。それから佑都をまたぎ、握ったままの大きな熱塊を、自分の中にうずめていく。

「アッ……樹……!」
「黙ってろ。痛くしねぇから」

 でかすぎて全部は無理かも、って思ったから、逆に一気に体重をかけて迎え入れた。
 佑都の全部、欲しいから。

「おま、それ俺のセリフ……あ、ああっ!」
「っ、いってぇ……でも、入った、な…。」

 腹の中がパンパンだ。繋がってる部分がまだみちみち鳴って、肉環が広がろうとしているのがわかる。

「動くぞ」
 ひとつ深呼吸してから佑都の手首を掴み、M字にした膝を曲げ伸ばしして腰を上下する。

 初めは痛みの方が強かったけれど、自分のイイところを佑都に教えられた俺は、そこに佑都の硬い切っ先を擦り付け、よだれが垂れるのも気にせずに口を開いて声を出した。

「あん、んっ、佑都の、きもちい。あんっ。おっきくて熱いの、気持ちいっ」
 頭、も俺の中も一緒に溶けそう。

「はっ、もう限界じゃねーか。変われよ、樹」
「あ、んっ!?」

 気持ちよさに恍惚としていたのか、あっという間に形勢逆転されて、繋がったまま押し倒された。

「今度は俺の番。覚悟しろよ」
 ぺろりと舌なめずり。汗で濡れた前髪を掻き上げると、佑都は俺の膝裏を掴み、足先を高く持ち上げた。
 膝が肩につきそうなくらいに体を折られ、思い切り体をぶつけられる。

「ぅあっ! あぁっ……」
 俺が動いていた時よりももっと奥に入ってきた熱塊に翻弄される。
 ぐりぐりと腰を回したかと思ったらずるずると結合部まで引き、また一気に奥まで突いてくる。

 「樹、樹っ」
 抽挿が早くなる。佑都の顔にはもう、余裕のかけらもなかった。
「あっ、あっ、ゆうとお」
 

 それから、俺たちは好きだと言い合って、何度も唇を重ねながら行為を続けた。
 アルファのセックスって半端ない。一回の射精までめちゃめちゃ時間がかかるし、出たら腹の中が火傷しそうなくらい熱いのを大量に出すし……中に入ったまますぐに復活するし……。
 
 朝目が覚めたら、あちこち痛いけどうなじも滅茶苦茶痛かった。

「あー、ごめん。噛み過ぎた。傷になってるわ」
 二人で同じ方向に横向きで寝ていて、佑都が背後から俺を抱きしめながら言った。

「お前、全然悪いと思ってないだろ。俺はオメガじゃねーんだってば」
「わかってるよ。お前がベータだってことくらい」

 毛布からはみ出した足が絡まる。声も俺に絡みつくように甘い。
 だから、いつもなら悲しい言葉がとても幸せな響きを持つように思えて。

「俺がホントの本能で見つけた唯一の相手だ。樹、好きだよ」
「ん……俺もすげー好き」

 また唇が重なる。そして俺たちは、子どものじゃれ合いじゃない大人のじゃれ合いを再開する。


 その後、俺のうなじから噛み傷が消えることは、二度となかった。

 ✼•┈┈Happy End┈┈•✼
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