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本編
クラウスの帰還①
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***
クラウスが帰還した。
太陽が燦然と輝く空の下で、漆黒の髪を艶めかせて、黄金色の瞳を光らせているクラウスの精悍さは、太陽以上の輝きを放っている。
沿道は騎士団の帰還を歓び、功績を讃える人たちであふれ返り、髪色と同じ、濡れたように艶光りする黒毛の馬に乗った「リュミエール国の若き黒豹」が前を通ると、皆ひときわ大きな歓声を上げた。
「クラウス! クラウスお帰り! 俺はここにいるよ!」
俺も声を出して手を振るけど、クラウスは全然気づかない。人が多いから仕方ないとは言え、番の声だよ? 聞き取ってよ。
……そうだ、笛を。ヒバリの笛で知らせよう。
俺はヒバリの尾を口に含み、ピロロ、と音を鳴らした。可愛い音だ。クラウスはきっと気がついてくれるはず。
ほら、クラウスが聞き耳を立てている。届いているんだ。
俺はもう一度、笛を吹いた。
ピロロ。ピロロ。
「……ニコラ! そこにいたのか」
「えっ?」
ニコラ?
「ただいま、ニコラ」
「クラウス! お帰りなさい。僕の声が聞こえたんだね。僕、ずっと待っていたよ!」
たくさんの人の中からニコラが現れ、クラウスに手を伸ばした。クラウスは軽々とニコラを抱き上げ、自分が乗っている馬に一緒に乗せる。
「クラウス! どうして? それはニコラだよ? 俺じゃない! お前のつがいは俺だろう?」
「……君は誰だ? 俺のただ一人のつがいはニコラだ。アカデミーの頃からずっと俺を思い続けてくれていた、このニコラだけだ」
「……待って、行かないで! 俺のうなじを見て! クラウスの刻印があるんだ!」
去ろうとするクラウスを呼びながらうなじに触れる。でも刻印はなくて……ハッとして顔を上げると、勝ち誇ったように微笑むニコラが後ろ髪を上げて、俺にうなじを見せた。そこには、はっきりとした番の刻印。
その印は誰の……。
「行こう、俺の本当のつがい」
クラウスがニコラのうなじにキスをして、馬を走らせて去っていく。
「待って! 待って! クラウス、好きなんだ。お前が好きなんだ……!」
追いかけるけど、往路に大きなドアが現れて、クラウスとニコラを吸い込んでいく。
「待って、クラウス……!」
やっと好きだと言えるのに、ドアは俺だけを残して閉まった。
ドンッ、バーン!!
「エルフィーちゃん! おはよう!」
「えっ!」
ドアの閉まる音……じゃなかった。激しく開く音に驚いて眠りの中から飛び起きると、夫人と、その後ろに侍女さんたちがいて、ベッドの足元に立っていた。
今の夢……? 良かった……。
怖い夢を見たせいか寝汗が酷い。まだ半分ぼんやりしながら、身体にかけていた物を掴んで額の汗を拭おうとすると、婦人が「あら、あらあらあら? あらー」と、歌でも歌うように言った。
「? ……あっ!」
これ、クラウスのシャツだ。まずい。俺、クラウスの服で作った巣を片付けず、昨夜も巣に潜り込んで寝ちゃったんだ。
ニコラの静かな様子が逆に不安で、落ちつかなかったからつい……。
「うちにはオメガちゃんがいないから、巣を見るのは初めてだわ。可愛いわ、エルフィーちゃん、とっても上手ね」
婦人に巣を褒めてもらって、鼻の奥がジンと熱くなった。
俺が過ちを犯したと知っても、以前と変わりなく接してくれる夫人の懐の大きさがありがたい。
その後俺は、いつも通りに侍女さんたちに飾り立てられ、シフォン製のジャボと同じ生地の、ふんわりした袖のブラウスに、腰から下の切り替え部分が二段フリルのダイヤモンドチェックのベストを着て、ダイニングルームに入った。
「あ……ニコラ。おはよう」
顔を見るなり、昨日の話し合いでの様子はもちろん、夢に出てきたニコラまで思い出して緊張した。
それに、いつもならアイボリー系統の服を着ているのに、今日は深いヴァイオレットの、落ち着いたデザインのブラウスを着たニコラは大人っぽくて、妖艶にも見える。
これまでのニコラとはまるで印象が違った。
「おはよう」
挨拶の返事さえ、これまでよりもずっと大人の声に聞こえた。よそよそしさがあるからかな……。
「似合うでしょう? ニコラちゃんにどんな服が好きかと聞いてもわからないと言うから、私が選んだのよ」
「え、ええ、とても」
気後れしながらうなずく。でも、本当に似合ってる。
「僕は派手な身なりはあまり好きじゃないんですが」
「あら、自分で自分の魅力に気づいていないのね。ここにいる間に私と見つけましょうよ。ふふふ。可愛いオメガちゃんが二人も家にいるなんて嬉しいわ」
夫人、すごく楽しそうに見えるけど、いったいなにを考えておられるんだろう。
夫人は昨夜、クラウスが戻ってくるまでニコラを継続して預かると言った。
「公爵家の妻としての立場からではなく、クラウスという可愛い一人息子の母親として、クラウスの気持ちをいっさい無視して番解消を画策していたことが悲しいの。今後のことを決めるならクラウスの意見も聞いてほしいから、二人はここでクラウスの帰りを待ってちょうだい。そして、クラウスが戻ったら事実を伝えるだけじゃなく、嘘偽りない気持ちを伝えてやってちょうだいね」と。
謝罪しきれない事実がわかった以上、俺たちがここに泊まる必要まではないのでは、と父様も母様も言ったけど、もともとクラウスがいない間、俺たちと遊びたかったのよ~なんて言って笑う。
「だからあの日ね、クラウスを送り出したあとにセルドラン家にあなたたちを迎えに行ったのよね。そしたらニコラちゃんが行方不明で、エルフィーちゃんが探しに出てるって聞いて、私も探しにラボに行ったのよ。ねえ、ねえ、大当たりだったわよね。うふふふ。さ、遊びにいきましょ!」
真面目だと思ったら冗談めかして言ってみたり、事実を知ったうえで、それも俺とニコラに微妙な空気が流れているのを間違いなく感じているはずなのに、本当に俺たちを街遊びに連れ出した夫人。
その後も、今後のことが決まるまで、ラボを休むように父様から言われているニコラと俺を連れて、王侯貴族の婦人たちで運営する慈善団体の活動に参加したり。
ここ三日は孤児院を訪問し、俺は子供たちとの外遊びを、ニコラは勉強を教える役を与えられていた。
ニコラは好んで外出しないからへとへとに疲れて、帰るとすぐに休んでいる。
運動と睡眠は薬草の毒素を抜くのに効果があるからありがたいのたけど、明日はどこに出かけるのかな……本当に、婦人はなにを考えておられるんだろう。
そう思っていたら、クラウスが戻るまであと二日となった日、カロルーナから一通の書簡が届いた。
「クラウスが、疫病に感染したですって!?」
クラウスが帰還した。
太陽が燦然と輝く空の下で、漆黒の髪を艶めかせて、黄金色の瞳を光らせているクラウスの精悍さは、太陽以上の輝きを放っている。
沿道は騎士団の帰還を歓び、功績を讃える人たちであふれ返り、髪色と同じ、濡れたように艶光りする黒毛の馬に乗った「リュミエール国の若き黒豹」が前を通ると、皆ひときわ大きな歓声を上げた。
「クラウス! クラウスお帰り! 俺はここにいるよ!」
俺も声を出して手を振るけど、クラウスは全然気づかない。人が多いから仕方ないとは言え、番の声だよ? 聞き取ってよ。
……そうだ、笛を。ヒバリの笛で知らせよう。
俺はヒバリの尾を口に含み、ピロロ、と音を鳴らした。可愛い音だ。クラウスはきっと気がついてくれるはず。
ほら、クラウスが聞き耳を立てている。届いているんだ。
俺はもう一度、笛を吹いた。
ピロロ。ピロロ。
「……ニコラ! そこにいたのか」
「えっ?」
ニコラ?
「ただいま、ニコラ」
「クラウス! お帰りなさい。僕の声が聞こえたんだね。僕、ずっと待っていたよ!」
たくさんの人の中からニコラが現れ、クラウスに手を伸ばした。クラウスは軽々とニコラを抱き上げ、自分が乗っている馬に一緒に乗せる。
「クラウス! どうして? それはニコラだよ? 俺じゃない! お前のつがいは俺だろう?」
「……君は誰だ? 俺のただ一人のつがいはニコラだ。アカデミーの頃からずっと俺を思い続けてくれていた、このニコラだけだ」
「……待って、行かないで! 俺のうなじを見て! クラウスの刻印があるんだ!」
去ろうとするクラウスを呼びながらうなじに触れる。でも刻印はなくて……ハッとして顔を上げると、勝ち誇ったように微笑むニコラが後ろ髪を上げて、俺にうなじを見せた。そこには、はっきりとした番の刻印。
その印は誰の……。
「行こう、俺の本当のつがい」
クラウスがニコラのうなじにキスをして、馬を走らせて去っていく。
「待って! 待って! クラウス、好きなんだ。お前が好きなんだ……!」
追いかけるけど、往路に大きなドアが現れて、クラウスとニコラを吸い込んでいく。
「待って、クラウス……!」
やっと好きだと言えるのに、ドアは俺だけを残して閉まった。
ドンッ、バーン!!
「エルフィーちゃん! おはよう!」
「えっ!」
ドアの閉まる音……じゃなかった。激しく開く音に驚いて眠りの中から飛び起きると、夫人と、その後ろに侍女さんたちがいて、ベッドの足元に立っていた。
今の夢……? 良かった……。
怖い夢を見たせいか寝汗が酷い。まだ半分ぼんやりしながら、身体にかけていた物を掴んで額の汗を拭おうとすると、婦人が「あら、あらあらあら? あらー」と、歌でも歌うように言った。
「? ……あっ!」
これ、クラウスのシャツだ。まずい。俺、クラウスの服で作った巣を片付けず、昨夜も巣に潜り込んで寝ちゃったんだ。
ニコラの静かな様子が逆に不安で、落ちつかなかったからつい……。
「うちにはオメガちゃんがいないから、巣を見るのは初めてだわ。可愛いわ、エルフィーちゃん、とっても上手ね」
婦人に巣を褒めてもらって、鼻の奥がジンと熱くなった。
俺が過ちを犯したと知っても、以前と変わりなく接してくれる夫人の懐の大きさがありがたい。
その後俺は、いつも通りに侍女さんたちに飾り立てられ、シフォン製のジャボと同じ生地の、ふんわりした袖のブラウスに、腰から下の切り替え部分が二段フリルのダイヤモンドチェックのベストを着て、ダイニングルームに入った。
「あ……ニコラ。おはよう」
顔を見るなり、昨日の話し合いでの様子はもちろん、夢に出てきたニコラまで思い出して緊張した。
それに、いつもならアイボリー系統の服を着ているのに、今日は深いヴァイオレットの、落ち着いたデザインのブラウスを着たニコラは大人っぽくて、妖艶にも見える。
これまでのニコラとはまるで印象が違った。
「おはよう」
挨拶の返事さえ、これまでよりもずっと大人の声に聞こえた。よそよそしさがあるからかな……。
「似合うでしょう? ニコラちゃんにどんな服が好きかと聞いてもわからないと言うから、私が選んだのよ」
「え、ええ、とても」
気後れしながらうなずく。でも、本当に似合ってる。
「僕は派手な身なりはあまり好きじゃないんですが」
「あら、自分で自分の魅力に気づいていないのね。ここにいる間に私と見つけましょうよ。ふふふ。可愛いオメガちゃんが二人も家にいるなんて嬉しいわ」
夫人、すごく楽しそうに見えるけど、いったいなにを考えておられるんだろう。
夫人は昨夜、クラウスが戻ってくるまでニコラを継続して預かると言った。
「公爵家の妻としての立場からではなく、クラウスという可愛い一人息子の母親として、クラウスの気持ちをいっさい無視して番解消を画策していたことが悲しいの。今後のことを決めるならクラウスの意見も聞いてほしいから、二人はここでクラウスの帰りを待ってちょうだい。そして、クラウスが戻ったら事実を伝えるだけじゃなく、嘘偽りない気持ちを伝えてやってちょうだいね」と。
謝罪しきれない事実がわかった以上、俺たちがここに泊まる必要まではないのでは、と父様も母様も言ったけど、もともとクラウスがいない間、俺たちと遊びたかったのよ~なんて言って笑う。
「だからあの日ね、クラウスを送り出したあとにセルドラン家にあなたたちを迎えに行ったのよね。そしたらニコラちゃんが行方不明で、エルフィーちゃんが探しに出てるって聞いて、私も探しにラボに行ったのよ。ねえ、ねえ、大当たりだったわよね。うふふふ。さ、遊びにいきましょ!」
真面目だと思ったら冗談めかして言ってみたり、事実を知ったうえで、それも俺とニコラに微妙な空気が流れているのを間違いなく感じているはずなのに、本当に俺たちを街遊びに連れ出した夫人。
その後も、今後のことが決まるまで、ラボを休むように父様から言われているニコラと俺を連れて、王侯貴族の婦人たちで運営する慈善団体の活動に参加したり。
ここ三日は孤児院を訪問し、俺は子供たちとの外遊びを、ニコラは勉強を教える役を与えられていた。
ニコラは好んで外出しないからへとへとに疲れて、帰るとすぐに休んでいる。
運動と睡眠は薬草の毒素を抜くのに効果があるからありがたいのたけど、明日はどこに出かけるのかな……本当に、婦人はなにを考えておられるんだろう。
そう思っていたら、クラウスが戻るまであと二日となった日、カロルーナから一通の書簡が届いた。
「クラウスが、疫病に感染したですって!?」
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