上 下
61 / 92
お願い、僕をいじめて

⑪*

しおりを挟む
「千尋、後ろを向いて俺にまたがって?」

 促されるまま、尻を向けて光也を跨ぐ。
 両手に枷があるからうまく体勢を取りにくいが、光也が枕を使って調整してくれて、エラが大きく張り出した露頭をいい具合に口に含めた。 

「ん……気持ちいいよ。千尋」

 言葉の合間に「は」「は」と短い吐息が聞こえて、感じてくれているのだと喜びを覚える。

 もっと艶っぽい声が聞きたい。もっとよくなってほしい。

 千尋は露頭の下の段差や縮れた皺を丁寧に舐め、入るところまで口に含んで、懸命に上下した。
 連動して、尻が左右に揺れる。

「は……なんてかわいいんだろう。上手におねだりできたね。ご褒美あげなくちゃ」

 上ずった甘い甘い声で褒められて、幸せを感じたその途端、双丘の片側を熱い舌で舐め上げられた。

「あっ」

 ビクリと身体を揺らすと、大きな手であわいを開かれ、あらわになった後孔に舌が張りついた。

「ぁあっ……!」

 尖らせた舌先で後孔の縁をなぞられる。腹の中にびりびりと伝わる嘉悦に腰を揺らすと、がっしりと腰を捕まえられて、舌が中へ進んできた。

「ふ……ぅうん、あぁ……!」

 熱い唾液と肉厚な舌に後孔がぐちょぐちょと啼く。千尋も一緒になって高い声で啼くと、えぐるようにねぶられた。
 光也の熱塊にしっかりと掴まって顔を伏せ、よだれを垂らしながら、快感に腰を前後に揺らす。

「千尋、かわいい。……ねぇ、俺たちの子宮、ここに作ろうね」
「……ん、あぁっ……!」

 後孔に舌を這わせたまま、コックリングを巻いて欲求不満に赤く膨らんでいる熱芯を握り込まれる。
 ゆるゆると上下され、透明な蜜がぽたり、ぽたり、と二滴こぼれた。

「我慢だよ、千尋」
「だめ……ぇ、がまん、むりぃ……ぁ、んっ……んっ」

 我慢しろと言うくせに、精液を絞るかのように指を絡めてくる。しばらく射精せずに我慢してきて、辛さはいつもの倍だというのに。

 後孔への口淫も絶え間なく続き、じゅくじゅくと音を立てながら吸われたり、熱い息を送られたりする。血液が全て下に向かうようで、腹部の大きな血管がどくどくと騒いだ。

「ひゃあ、あ、あ、こんなの、もう、だめっ」

 意思を凌駕する嘉悦に頭の中の電気がちか、ちか、と点滅し、消え入りそうに感じた。
 射精できてもいないのに、達してしまいそうだ。もう意識を保っていられない。

 ごめんなさい、もう気を失いそう……なんとかその言葉だけは残そうと思った次の瞬間。

 光也が体を起こし、膝立ちをして手を伸ばすと、チェーンを引きながら千尋を抱きかかえた。
 千尋は脚を開いたまま、尻もちのようになって光也の片ももに乗る。その姿勢で、孔内に指を深く挿し入れられた。

「……っ、はっ……ぁ!」

 すぼまった内壁を突き破られるような鋭い痛みに襲われ、一瞬呼吸を忘れる。
 けれど確かに感じる。ここから先が彼を迎える入口なのだと。このもっと奥に、彼を受けとめる場所があるのだと。

 光也の長い指でもそこには届かないけれど、いつかは……きっと近いうちには、光也をここで抱きしめる。

「……あ、ぁぁ………!」

 今までよりもずっと大きく開かれた指が、秘された場所をこじ開けようとめりめりとめり込む。

 重苦しくて、痛くて、切ない。

 けれど、未来へと繋がる痛みは千尋の意識を保たせる。
 千尋はチェーンで繋がれた両手を光也の首にくぐらせて、たよりなくわななく身体を預けた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

初心者オメガは執着アルファの腕のなか

深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。 オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。 オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。 穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

夢見がちオメガ姫の理想のアルファ王子

葉薊【ハアザミ】
BL
四方木 聖(よもぎ ひじり)はちょっぴり夢見がちな乙女男子。 幼少の頃は父母のような理想の家庭を築くのが夢だったが、自分が理想のオメガから程遠いと知って断念する。 一方で、かつてはオメガだと信じて疑わなかった幼馴染の嘉瀬 冬治(かせ とうじ)は聖理想のアルファへと成長を遂げていた。 やがて冬治への恋心を自覚する聖だが、理想のオメガからは程遠い自分ではふさわしくないという思い込みに苛まれる。 ※ちょっぴりサブカプあり。全てアルファ×オメガです。

こっそりバウムクーヘンエンド小説を投稿したら相手に見つかって押し倒されてた件

神崎 ルナ
BL
バウムクーヘンエンド――片想いの相手の結婚式に招待されて引き出物のバウムクーヘンを手に失恋に浸るという、所謂アンハッピーエンド。 僕の幼なじみは天然が入ったぽんやりしたタイプでずっと目が離せなかった。 だけどその笑顔を見ていると自然と僕も口角が上がり。 子供の頃に勢いに任せて『光くん、好きっ!!』と言ってしまったのは黒歴史だが、そのすぐ後に白詰草の指輪を持って来て『うん、およめさんになってね』と来たのは反則だろう。   ぽやぽやした光のことだから、きっとよく意味が分かってなかったに違いない。 指輪も、僕の左手の中指に収めていたし。 あれから10年近く。 ずっと仲が良い幼なじみの範疇に留まる僕たちの関係は決して崩してはならない。 だけど想いを隠すのは苦しくて――。 こっそりとある小説サイトに想いを吐露してそれで何とか未練を断ち切ろうと思った。 なのにどうして――。 『ねぇ、この小説って海斗が書いたんだよね?』 えっ!?どうしてバレたっ!?というより何故この僕が押し倒されてるんだっ!?(※注 サブ垢にて公開済みの『バウムクーヘンエンド』をご覧になるとより一層楽しめるかもしれません)

期待外れの後妻だったはずですが、なぜか溺愛されています

ぽんちゃん
BL
 病弱な義弟がいじめられている現場を目撃したフラヴィオは、カッとなって手を出していた。  謹慎することになったが、なぜかそれから調子が悪くなり、ベッドの住人に……。  五年ほどで体調が回復したものの、その間にとんでもない噂を流されていた。  剣の腕を磨いていた異母弟ミゲルが、学園の剣術大会で優勝。  加えて筋肉隆々のマッチョになっていたことにより、フラヴィオはさらに屈強な大男だと勘違いされていたのだ。  そしてフラヴィオが殴った相手は、ミゲルが一度も勝てたことのない相手。  次期騎士団長として注目を浴びているため、そんな強者を倒したフラヴィオは、手に負えない野蛮な男だと思われていた。  一方、偽りの噂を耳にした強面公爵の母親。  妻に強さを求める息子にぴったりの相手だと、後妻にならないかと持ちかけていた。  我が子に爵位を継いで欲しいフラヴィオの義母は快諾し、冷遇確定の地へと前妻の子を送り出す。  こうして青春を謳歌することもできず、引きこもりになっていたフラヴィオは、国民から恐れられている戦場の鬼神の後妻として嫁ぐことになるのだが――。  同性婚が当たり前の世界。  女性も登場しますが、恋愛には発展しません。

【完結】虐げられオメガ聖女なので辺境に逃げたら溺愛系イケメン辺境伯が待ち構えていました(異世界恋愛オメガバース)

美咲アリス
BL
虐待を受けていたオメガ聖女のアレクシアは必死で辺境の地に逃げた。そこで出会ったのは逞しくてイケメンのアルファ辺境伯。「身バレしたら大変だ」と思ったアレクシアは芝居小屋で見た『悪役令息キャラ』の真似をしてみるが、どうやらそれが辺境伯の心を掴んでしまったようで、ものすごい溺愛がスタートしてしまう。けれども実は、辺境伯にはある考えがあるらしくて⋯⋯? オメガ聖女とアルファ辺境伯のキュンキュン異世界恋愛です、よろしくお願いします^_^ 本編完結しました、特別編を連載中です!

好きな人が「ふつーに可愛い子がタイプ」と言っていたので、女装して迫ったら思いのほか愛されてしまった

碓氷唯
BL
白月陽葵(しろつきひなた)は、オタクとからかわれ中学高校といじめられていたが、高校の頃に具合が悪かった自分を介抱してくれた壱城悠星(いちしろゆうせい)に片想いしていた。 壱城は高校では一番の不良で白月にとっては一番近づきがたかったタイプだが、今まで関わってきた人間の中で一番優しく綺麗な心を持っていることがわかり、恋をしてからは壱城のことばかり考えてしまう。 白月はそんな壱城の好きなタイプを高校の卒業前に盗み聞きする。 壱城の好きなタイプは「ふつーに可愛い子」で、白月は「ふつーに可愛い子」になるために、自分の小柄で女顔な容姿を生かして、女装し壱城をナンパする。 男の白月には怒ってばかりだった壱城だが、女性としての白月には優しく対応してくれることに、喜びを感じ始める。 だが、女という『偽物』の自分を愛してくる壱城に、だんだん白月は辛くなっていき……。 ノンケ(?)攻め×女装健気受け。 三万文字程度で終わる短編です。

隠れSubは大好きなDomに跪きたい

みー
BL
⚠️Dom/Subユニバース 一部オリジナル表現があります。 ハイランクDom×ハイランクSub

処理中です...