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XIX 溺れる夜
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窓の外から、雨音が聞こえる。
浮遊感と、肉体の疲労が心地良く感じる午前2時半。ベッドに入ったのは、何時頃だっただろうか。
自身を満たす行為の余韻に浸りながら、腕の中のエルの髪を撫でる。
「――身体、痛くないか」
「全身が痛い」
やや掠れた、甘さを含んだ彼女の声が静かな部屋に響いた。
「これでも、手加減はしてるんだが……」
「毎度同じ事言ってる」
「お前がいちいち可愛い反応するから」
ふわりと、彼女が柔らかく笑う。それに釣られ、自身も頬を緩めた。
彼女とこうして身体を重ねるのは、今日で何度目になるだろう。
彼女の魅力は衰えず、寧ろ回数が増えれば増える程、魅力が増している様にも感じた。
愛した人が、自分を介して快楽を得る事のなんと甘美な事か。蕩けた表情で愛の言葉を強請り、甘く切なげに、快楽に喘ぐ彼女を前にして上手く手加減など出来る筈が無かった。
彼女から漂う香りは、まるで麻薬の様だ。
本能のままに、貪る様に抱いてしまうのには申し訳ないと思いつつも、彼女の香りや仕草、声に理性が働かず、自制が効かなくなる。
舌先で感じる彼女の味。指先でなぞる彼女の形。彼女と愛し合うこの時間が、自身にとっては何よりも満たされる時間だった。
自身をも壊してしまいそうな程の、狂おしい愛情。それを、彼女は拒絶するどころか同量の愛を自分に与えてくれる。
緩くカールした彼女の髪をゆっくりと手で梳きながら、瞳を深く見つめた。
「――普段の貴方と、ベッドの上での貴方は随分と違うのね」
「そうか?」
「だいぶ、余裕の無い顔してる」
「……そんな事ねぇよ」
指を絡ませ、彼女の額にキスを落とした。
彼女にはなるべく、余裕を見せていたい。抑々彼女の前で余裕などある日は殆ど無いが、少なくても情けない姿だけは見せなくなかった。
彼女の身体中に散った赤い跡は、まるで余裕の無さの表れの様だ。彼女を今抱いているのは自分だと、彼女は自分のものだと、その証を彼女の身体に残したくて、彼女の承諾を得ずに至る場所に跡を散らした。首元や胸、背中や腰は勿論の事、内腿や膝裏にまで。
自身の行動を思い出せば思い出す程、羞恥が込み上げる。熱を帯びた顔を彼女に見せない様に、彼女を強く胸に抱いた。
「……ねぇ、その余裕の無い顔、私以外の女性にも見せた事あるの?」
背に回った彼女の手に、僅かに力が籠る。
彼女の顔は此処からでは見えないが、声には隠しきれない不安が滲んでいた。
「……ある訳無いだろ。なんで、そんな事を……」
その質問の意図が分からず、彼女の髪を撫でながら問う。
「……なんで、って……。じゃあ私が過去に、貴方じゃない別の男性と寝た経験があっても貴方は何も思わないの?」
俺の腕の中から抜け出した彼女が、ムスッとした顔をして俺を睨みつけた。
彼女の言う様に、自分じゃない別の男を当て嵌めてぼんやりと思い浮かべてみる。彼女の全てを見て、肌に触れて、声を聞いて、愛し合った相手が他に居たら。彼女が求める相手が、自分じゃなく、別の男だったら。
そう考えた瞬間、胸の中にあった幸福感が一瞬にして気が狂いそうな程の嫉妬に変わった。
「……意味、分かった?」
「…………あぁ」
彼女に好意を抱いている男が居るだけでも気が触れそうなのに、過去に男が居たなんて事実があれば平常心では居られないだろう。嫉妬を通り越し、最早殺意が湧く。
「貴方って、本当にこういう事に関しては鈍感ね」
「……恋愛とは無縁だったからな」
溜息を吐き、彼女の頬を撫でた。
「……もし、貴方が過去に女性と寝た経験があったら、私その女性と貴方の事、殺しちゃうかも」
彼女が頬を緩め、俺の胸元に人差し指を突き立てた。
その笑顔は、今迄見たものの中で最も愛らしく、狂おしい。彼女にそこまで愛されている事に幸福感を得ながらも、笑顔で物騒な事を言いだす彼女には常軌を逸した狂気を覚えた。
「……そんな相手、居ないから安心しろ」
彼女の髪を、くしゃくしゃと乱す様に撫でる。
もし仮に、彼女に別の男が居たとしたら。自分も彼女と同じ様に手を出してしまうかもしれない。
ある意味自身と彼女は似た者同士だと、自嘲にも似た笑みを漏らした。
「ねぇ」
隣でベッドが軋む音が聞こえ、顔を上げる。
「……手加減してる、って言ってたでしょ」
彼女が切なげな笑みを浮かべ、ベッドから身体を起こした。彼女の身体を包んでいたブランケットが滑り落ち、その美しい肌が惜しげも無く晒される。
「……貴方がしたいままに、私を抱いてみて」
不穏な感情が滲んだ彼女の声は、僅かに震えている。
「……でも、身体に負担が掛かるだろ」
「確かにそうかもしれないけれど……、でも奥の深くまで、貴方を感じたいの」
指先で彼女の唇をなぞると、恥じらう様に顔を綻ばせた。
その手を頬へ、首筋へと滑らせる。
「無理矢理されんのが好きなの?」
「違うわよ、馬鹿。茶化さないで」
身体を起こし、触れる様に唇を重ねた。
口付けをしたまま、手を首筋からさらに下へと落とす。
「後で文句言うなよ」
「言う訳無いでしょう?」
彼女の身体を両腕で抱き、深く唇を重ねる。
そしてベッドに押し倒す様に、彼女の上に覆いかぶさった。
――理性では抑えられない激情。欲のままに愛し合うその行為は、まるで深海に溺れていく様だった。
地に足が付かない様な不安感は、快楽の助長にしかならない。何度もお互いの名前を呼びながら、愛を囁く。
明日はきっと、お互い気恥ずかしさで顔も見れない1日を過ごすのだろう。身体の痛みで動けず、またマーシャに揶揄われるかもしれない。
だが今は、そんな事どうだっていい。
今は、今日だけは、何もかも忘れてただ彼女の熱を感じていたい。
浮遊感と、肉体の疲労が心地良く感じる午前2時半。ベッドに入ったのは、何時頃だっただろうか。
自身を満たす行為の余韻に浸りながら、腕の中のエルの髪を撫でる。
「――身体、痛くないか」
「全身が痛い」
やや掠れた、甘さを含んだ彼女の声が静かな部屋に響いた。
「これでも、手加減はしてるんだが……」
「毎度同じ事言ってる」
「お前がいちいち可愛い反応するから」
ふわりと、彼女が柔らかく笑う。それに釣られ、自身も頬を緩めた。
彼女とこうして身体を重ねるのは、今日で何度目になるだろう。
彼女の魅力は衰えず、寧ろ回数が増えれば増える程、魅力が増している様にも感じた。
愛した人が、自分を介して快楽を得る事のなんと甘美な事か。蕩けた表情で愛の言葉を強請り、甘く切なげに、快楽に喘ぐ彼女を前にして上手く手加減など出来る筈が無かった。
彼女から漂う香りは、まるで麻薬の様だ。
本能のままに、貪る様に抱いてしまうのには申し訳ないと思いつつも、彼女の香りや仕草、声に理性が働かず、自制が効かなくなる。
舌先で感じる彼女の味。指先でなぞる彼女の形。彼女と愛し合うこの時間が、自身にとっては何よりも満たされる時間だった。
自身をも壊してしまいそうな程の、狂おしい愛情。それを、彼女は拒絶するどころか同量の愛を自分に与えてくれる。
緩くカールした彼女の髪をゆっくりと手で梳きながら、瞳を深く見つめた。
「――普段の貴方と、ベッドの上での貴方は随分と違うのね」
「そうか?」
「だいぶ、余裕の無い顔してる」
「……そんな事ねぇよ」
指を絡ませ、彼女の額にキスを落とした。
彼女にはなるべく、余裕を見せていたい。抑々彼女の前で余裕などある日は殆ど無いが、少なくても情けない姿だけは見せなくなかった。
彼女の身体中に散った赤い跡は、まるで余裕の無さの表れの様だ。彼女を今抱いているのは自分だと、彼女は自分のものだと、その証を彼女の身体に残したくて、彼女の承諾を得ずに至る場所に跡を散らした。首元や胸、背中や腰は勿論の事、内腿や膝裏にまで。
自身の行動を思い出せば思い出す程、羞恥が込み上げる。熱を帯びた顔を彼女に見せない様に、彼女を強く胸に抱いた。
「……ねぇ、その余裕の無い顔、私以外の女性にも見せた事あるの?」
背に回った彼女の手に、僅かに力が籠る。
彼女の顔は此処からでは見えないが、声には隠しきれない不安が滲んでいた。
「……ある訳無いだろ。なんで、そんな事を……」
その質問の意図が分からず、彼女の髪を撫でながら問う。
「……なんで、って……。じゃあ私が過去に、貴方じゃない別の男性と寝た経験があっても貴方は何も思わないの?」
俺の腕の中から抜け出した彼女が、ムスッとした顔をして俺を睨みつけた。
彼女の言う様に、自分じゃない別の男を当て嵌めてぼんやりと思い浮かべてみる。彼女の全てを見て、肌に触れて、声を聞いて、愛し合った相手が他に居たら。彼女が求める相手が、自分じゃなく、別の男だったら。
そう考えた瞬間、胸の中にあった幸福感が一瞬にして気が狂いそうな程の嫉妬に変わった。
「……意味、分かった?」
「…………あぁ」
彼女に好意を抱いている男が居るだけでも気が触れそうなのに、過去に男が居たなんて事実があれば平常心では居られないだろう。嫉妬を通り越し、最早殺意が湧く。
「貴方って、本当にこういう事に関しては鈍感ね」
「……恋愛とは無縁だったからな」
溜息を吐き、彼女の頬を撫でた。
「……もし、貴方が過去に女性と寝た経験があったら、私その女性と貴方の事、殺しちゃうかも」
彼女が頬を緩め、俺の胸元に人差し指を突き立てた。
その笑顔は、今迄見たものの中で最も愛らしく、狂おしい。彼女にそこまで愛されている事に幸福感を得ながらも、笑顔で物騒な事を言いだす彼女には常軌を逸した狂気を覚えた。
「……そんな相手、居ないから安心しろ」
彼女の髪を、くしゃくしゃと乱す様に撫でる。
もし仮に、彼女に別の男が居たとしたら。自分も彼女と同じ様に手を出してしまうかもしれない。
ある意味自身と彼女は似た者同士だと、自嘲にも似た笑みを漏らした。
「ねぇ」
隣でベッドが軋む音が聞こえ、顔を上げる。
「……手加減してる、って言ってたでしょ」
彼女が切なげな笑みを浮かべ、ベッドから身体を起こした。彼女の身体を包んでいたブランケットが滑り落ち、その美しい肌が惜しげも無く晒される。
「……貴方がしたいままに、私を抱いてみて」
不穏な感情が滲んだ彼女の声は、僅かに震えている。
「……でも、身体に負担が掛かるだろ」
「確かにそうかもしれないけれど……、でも奥の深くまで、貴方を感じたいの」
指先で彼女の唇をなぞると、恥じらう様に顔を綻ばせた。
その手を頬へ、首筋へと滑らせる。
「無理矢理されんのが好きなの?」
「違うわよ、馬鹿。茶化さないで」
身体を起こし、触れる様に唇を重ねた。
口付けをしたまま、手を首筋からさらに下へと落とす。
「後で文句言うなよ」
「言う訳無いでしょう?」
彼女の身体を両腕で抱き、深く唇を重ねる。
そしてベッドに押し倒す様に、彼女の上に覆いかぶさった。
――理性では抑えられない激情。欲のままに愛し合うその行為は、まるで深海に溺れていく様だった。
地に足が付かない様な不安感は、快楽の助長にしかならない。何度もお互いの名前を呼びながら、愛を囁く。
明日はきっと、お互い気恥ずかしさで顔も見れない1日を過ごすのだろう。身体の痛みで動けず、またマーシャに揶揄われるかもしれない。
だが今は、そんな事どうだっていい。
今は、今日だけは、何もかも忘れてただ彼女の熱を感じていたい。
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