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15.侍女
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──と、最後の頼みの綱は何の反応もなく、アルフィに連れていかれアンティーク調の部屋に案内された。
まだ全然状況が理解できてないんですけど…結婚賛成されちゃったの? ほんとに? 私アルフィと結婚しなきゃなの?
そんな戸惑いを抱えながら部屋に入り、目を見開いた。
え、この部屋めっちゃ可愛い。
「どう? ライラが好きそうな部屋にしてみたよ。気に入った?」
「う、うん…」
前世はお金がなくて手が出せなかった趣味の家具達が、何倍も豪華になって目の前にある。
アルフィなんで私の趣味知ってんだ…。
ていうか、これ私にプロポーズしてからの1週間で準備したの?
それってあらかじめ結婚が受け入れられるって知っていたってこと?
そういえばさっき王妃様が約束がどうの言ってたな…。
「良かった。準備した甲斐があったよ。じゃあ次はライラ専属の侍女を紹介するね」
「ア、アルフィちょっと、王妃様が言ってた約束って…? 全然納得いってなさそうだったのに本当にいいの?」
「さあ入って。自己紹介しなさい」
「あれ? 私の声聞こえてない?」
嘘でしょ。こんなナチュラルにスルーされることある?
お姉ちゃんショックなんだけど…。
無慈悲なアルフィの声に反応して部屋の扉が開いた。
入ってきたのは綺麗なお姉さんと可愛らしい子。2人ともメイド服を着ている。
「初めまして、ライラ様。本日からライラ様の身の回りのお世話をさせていただきます、エリーと申します」
「同じくミネットと申します。お目にかかれて光栄です」
綺麗な方がエリー、可愛い方がミネットというそうだ。
この2人に今日からお世話されるのか…って待って! だからまだ状況が理解できてないんだってば!
「アルフィ! 私ここで暮らすなんて聞いてないんだけど!?」
「え、でも僕たち結婚するんだよ? 一緒に暮らすのは当たり前じゃない?」
「そ、それは…! …本当に結婚するの?」
「え? だってお互いの両親に許可貰ったじゃないか。逆に結婚しない理由ある?」
「……ッ」
心底不思議だとでもいうようにこちらを見てくるアルフィ。
その脳内には私がアルフィを異性として愛していないなんて考えはちっともないのだろう。
で、でもさすがにここでは言えない…人の目もあるし…。
と、そこでハッと我に返った。
信じられないものを見るような視線を2つ感じる。
エリーとミネットだ。
し、しまった…!
いつもの癖でアルフィにタメ口きいてしまった!
やばい。平民風情が王子様相手に失礼な態度取るとか側から見れば気が狂ったのかと思われる。
どうしよう。謝るべき? いや、何かうまい言い訳を…。
まだ全然状況が理解できてないんですけど…結婚賛成されちゃったの? ほんとに? 私アルフィと結婚しなきゃなの?
そんな戸惑いを抱えながら部屋に入り、目を見開いた。
え、この部屋めっちゃ可愛い。
「どう? ライラが好きそうな部屋にしてみたよ。気に入った?」
「う、うん…」
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アルフィなんで私の趣味知ってんだ…。
ていうか、これ私にプロポーズしてからの1週間で準備したの?
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そういえばさっき王妃様が約束がどうの言ってたな…。
「良かった。準備した甲斐があったよ。じゃあ次はライラ専属の侍女を紹介するね」
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「あれ? 私の声聞こえてない?」
嘘でしょ。こんなナチュラルにスルーされることある?
お姉ちゃんショックなんだけど…。
無慈悲なアルフィの声に反応して部屋の扉が開いた。
入ってきたのは綺麗なお姉さんと可愛らしい子。2人ともメイド服を着ている。
「初めまして、ライラ様。本日からライラ様の身の回りのお世話をさせていただきます、エリーと申します」
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綺麗な方がエリー、可愛い方がミネットというそうだ。
この2人に今日からお世話されるのか…って待って! だからまだ状況が理解できてないんだってば!
「アルフィ! 私ここで暮らすなんて聞いてないんだけど!?」
「え、でも僕たち結婚するんだよ? 一緒に暮らすのは当たり前じゃない?」
「そ、それは…! …本当に結婚するの?」
「え? だってお互いの両親に許可貰ったじゃないか。逆に結婚しない理由ある?」
「……ッ」
心底不思議だとでもいうようにこちらを見てくるアルフィ。
その脳内には私がアルフィを異性として愛していないなんて考えはちっともないのだろう。
で、でもさすがにここでは言えない…人の目もあるし…。
と、そこでハッと我に返った。
信じられないものを見るような視線を2つ感じる。
エリーとミネットだ。
し、しまった…!
いつもの癖でアルフィにタメ口きいてしまった!
やばい。平民風情が王子様相手に失礼な態度取るとか側から見れば気が狂ったのかと思われる。
どうしよう。謝るべき? いや、何かうまい言い訳を…。
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