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……あの、ちょっと。
さっきから気になってたけど『躾』って何? 一体君はルーカスに何をしたんだい??
ルーカスったら全身から汗噴き出して顔面蒼白どころじゃないくらい顔色悪くさせてるけど。
エドウィンさん?? とりあえず落ち着こ??
「お願いです許してくださいもう二度としません名前も呼びません姿を目に入れません声も聞きません半径100メートル以内に入りませんですからどうか───」
いやほんとに何したの?
天真爛漫が売りだったルーカスのこんな姿見たくなかったんだけど。
「はいやり直し。100メートルどころか同じ空気すら吸って欲しくない。この国出るくらい言ってもらわないと」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
ねえもう見てられないんですけど!?!?
お願いだからエドウィン止まってえええええ!!
「え、エド!!!!」
「……ッ! どうしたのキャディ。ごめんね1人にさせて。寂しかった?」
この態度の違いよ。
ちょっとは私に向けるその労りの気持ちルーカスにも向けてあげて??
すると、やっとエドウィンの絶対零度の眼差しから解放されたおかげか、ルーカスが私に縋るような視線を向けてきた。
よし任せろ私がなんとかしちゃる。
「ねえ何許可もなくキャディのこと見てるの害虫のくせに殺されたいの?」
「エド!! 私エドと買い物に行きたいなぁ!!」
「……ッ! うん行こうかどうする今から行く?」
ゆ、油断も隙もねえええええ。
見るくらい許してやれよ。あと何度も言うけどルーカスは害虫じゃないからね!?
人間!! 私達と同じ生き物!! 彼から人間の尊厳奪うのやめてくれる!?
もうルーカスは私を見ようともしない。ただ膝を抱えてカタカタと震えるだけ。
ルーカスごめん……私が勝手な真似をしたばかりに……。
もう君と婚約するのは諦めるよ……。
とりあえずこの危険人物をルーカスから引き離すことだけ考えなきゃ……。
「そうですね今から行きましょう!! 新しいドレスや髪飾りだって欲しいし、あとは───」
「うん、君の欲しい物なら喜んで何でも買ってあげるよ」
「わ、わーーい!! エドは本当に優しいですね~!!」
「でも───僕に黙って行動したペナルティーは、ちゃんと受けてもらうからね」
「ッ!?」
にこりと笑うエドウィン。
今度は私の顔がルーカスのようになる。
ああ、そうだった。肝心なことを忘れていた。
───私がエドウィンから誰かを救うんじゃなくて、
「ほら行くよキャディ。ついでに君を繋ぐ鎖も買ってあげようか?」
誰か私をこのバッドエンドから救ってええええ!!!
さっきから気になってたけど『躾』って何? 一体君はルーカスに何をしたんだい??
ルーカスったら全身から汗噴き出して顔面蒼白どころじゃないくらい顔色悪くさせてるけど。
エドウィンさん?? とりあえず落ち着こ??
「お願いです許してくださいもう二度としません名前も呼びません姿を目に入れません声も聞きません半径100メートル以内に入りませんですからどうか───」
いやほんとに何したの?
天真爛漫が売りだったルーカスのこんな姿見たくなかったんだけど。
「はいやり直し。100メートルどころか同じ空気すら吸って欲しくない。この国出るくらい言ってもらわないと」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
ねえもう見てられないんですけど!?!?
お願いだからエドウィン止まってえええええ!!
「え、エド!!!!」
「……ッ! どうしたのキャディ。ごめんね1人にさせて。寂しかった?」
この態度の違いよ。
ちょっとは私に向けるその労りの気持ちルーカスにも向けてあげて??
すると、やっとエドウィンの絶対零度の眼差しから解放されたおかげか、ルーカスが私に縋るような視線を向けてきた。
よし任せろ私がなんとかしちゃる。
「ねえ何許可もなくキャディのこと見てるの害虫のくせに殺されたいの?」
「エド!! 私エドと買い物に行きたいなぁ!!」
「……ッ! うん行こうかどうする今から行く?」
ゆ、油断も隙もねえええええ。
見るくらい許してやれよ。あと何度も言うけどルーカスは害虫じゃないからね!?
人間!! 私達と同じ生き物!! 彼から人間の尊厳奪うのやめてくれる!?
もうルーカスは私を見ようともしない。ただ膝を抱えてカタカタと震えるだけ。
ルーカスごめん……私が勝手な真似をしたばかりに……。
もう君と婚約するのは諦めるよ……。
とりあえずこの危険人物をルーカスから引き離すことだけ考えなきゃ……。
「そうですね今から行きましょう!! 新しいドレスや髪飾りだって欲しいし、あとは───」
「うん、君の欲しい物なら喜んで何でも買ってあげるよ」
「わ、わーーい!! エドは本当に優しいですね~!!」
「でも───僕に黙って行動したペナルティーは、ちゃんと受けてもらうからね」
「ッ!?」
にこりと笑うエドウィン。
今度は私の顔がルーカスのようになる。
ああ、そうだった。肝心なことを忘れていた。
───私がエドウィンから誰かを救うんじゃなくて、
「ほら行くよキャディ。ついでに君を繋ぐ鎖も買ってあげようか?」
誰か私をこのバッドエンドから救ってええええ!!!
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