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出会い編

あぁ…もう、どうしろってんですか……

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 まさかユグドーラ様があのマドモアゼルちゃんのご主人様(意味不明)だったとは!
予想外すぎて何だかびっくりです…。
でもそうなると新たに疑問が増えますね。
ラグドーナ様が独断で行ったはずの今回の事件。
その総本山となったあの母屋に、何故ユグドーラ様の創ったロボットが罠として設置されていたのでしょうか。
ラグドーナ様とユグドーラ様が手を組んで仕組んだ誘拐事件だったなら話は綺麗にまとまりますが、現実はそうではありません。
ユグドーラ様に内緒で、ラグドーナ様が勝手にマドモアゼルちゃんを盗み、あの母屋に運んだのかとも考えましたが…あんな巨大なロボットを二十も運んだら嫌でも目立つことになるでしょう。
誘拐を企んでいたにしては、目立たざるを得ないその行動はあまりに間抜けなものでしょうから、この線は薄いです。
 では、ユグドーラ様の研究室があの母屋にあるのか?とも思いましたが…この線はもっと薄いですね。
何しろあそこは廃虚でしたから。
 うーーん…なら、どうして?これ以上は何も思いつかないのですが…。

 「ー様!お嬢様!!…どうしたのですか、ぼんやりして」

 ゼンが私を呼ぶ声に、はっとします。
目の前には、完璧従者モードのゼンさんが訝しげな目をして立っていました。
 そう言えばまだ、お城の中でしたね…わたくしも気を抜いてばかりでは立つ瀬がないというものです。

 「すみません…少し考え事をしていました」

 「そうでしょうね。…それはともかく、お嬢様。どうぞお乗りください」

 アルカティーナは、ゼンの言葉に首をかしげる。
「お乗りください」とは言われましても、辺りに乗れそうなものがないのですが…?

 「乗る?って、何処にですか?」

 するとゼンはいよいよ訝しげな目を、可哀想な子を見る目に変貌させ、アルカティーナを見つめた。

 ちょっと、その視線は何ですか…!?
わたくし、そんなに残念なこと言いましたかね?

 ショックを受けるアルカティーナを横目に、ゼンは無言で前方へと目をやった。アルカティーナはその目線を追いかけ、そして目に飛び込んできたものをみて、あぁ!そう言えば!と納得した。
 そこには、クレディリア公爵家の紋章入りの豪勢な馬車があった。
 そう。アルカティーナは今まさに、帰宅しようとしていたところだったのだ。いざ馬車に乗り込もうというところでぼんやり上の空になったアルカティーナに、ゼンは内心呆れていた。
 このぼんやり顔は、また変な事を考えているな…と。
あながち間違ってはいないがしかし、アルカティーナはゼンの目線を少々不満に思っていた。
  
 そんな目で見なくても…!!

 不満というより嘆きと言う方が正しいかもしれないが。何にせよアルカティーナの心はしょげていたのだ。
そしてそんなしょんぼりは、家族の前だからと言うのもあってか、もろに表情に出た。
そしてさらに。
そんなアルカティーナの表情を見て、先に馬車に乗り込んでいたマーガレットとルイジェルが良からぬ勘違いをしていまうこととなる。

 「ティーナ?どうしたの、ぼうっとして…!!まぁまぁまぁ!何て顔…。やっぱりラグドーナ様の一件が怖かったのね。可哀想に」

 「なんて事だ!可愛いティーナにこんな暗い顔をさせるなんて…」

 馬車から顔を出してそう発言したのはマーガレットとルイジェルである。
この発言に、アルカティーナは焦った。

 なんて事でしょう!
あらぬ誤解を招いてしまいました…!
何とかして挽回せねばっ!

 しかし、焦れば焦るほど人という生物は無力になるもので。
実際、焦ったアルカティーナから醸し出される言葉は「あのぅ」とか「えっと」しかなかった。

 そしてその結果…事態は更に悪化した。

 「可哀想にティーナ!声も出せないほど怖かったのね…」

 涙が潤む瞳のお母様!

 「みんなの前では気丈に振る舞っていたが…そんなに苦しい思いをしていたのか…!」

 遣る瀬無さを表情に滲ませるお兄様!

 「大丈夫よ、ティーナ」

 「これからはちゃんと守ってやるからな!」

 「そうよティーナ!お母様も頑張るわよ!」

 まずいぃぃぃーーー!
まずいですよまずいですよぉ!
引き返しにく~いところまで誤解が広がっちゃいましたよ…。
あぁごめんなさい、謝るのでファミリードラマーの感動シーンで出てきそうなその美しい笑顔をしまってくださいっ!罪悪感が半端ないのですよ!!
…これはもう、うじうじしていられませんね。
きちんと説明しなくては!

 そうしてアルカティーナが口を開いた瞬間、遠くから大声でアルカティーナを呼ぶ声が聞こえてきた。

 「あの…!わたくしはただ、マドモアゼ…」

 「ティイイイーーーーナァァーー!」

 「ふぇ!?」

 招いた誤解が雪だるま式に増え、そしてもう引き返せないところまで来たこの状況。それに留めを刺すかのごとく現れたその人物は、まるで野生の猪のようにアルカティーナに突進したかと思えば、いきなりアルカティーナに抱きついた。
側から見れば完全にストーカーのなす技である。

 「ティーナァーー!大丈夫だったかい!?怖かっただろう?怪我はないかい!?」

 一気にまくしたてるその人物に、アルカティーナは苦笑した。

 「はい、ご心配をお掛けしました。ですが大丈夫です。なのでそろそろ泣き止んでください…お父様」

 猪の如く現れたその人物、もといマリオスは娘から手渡されたハンカチで涙を拭きながら「無事でよかった」と一言呟いた。
 アルカティーナは何だか申し訳ない気持ちになった。
こんなにも家族に恵まれているのに、自分は今までひとりぼっちだったのかーーと、先程リサーシャに指摘されたことを思い返したのだ。
 何て罰当たりなことをしていたのでしょう。
でも大丈夫。
これからはきっと、ちゃんと真っ直ぐ歩んでいける。
 そんなことを確信しつつアルカティーナは、目の前で未だ鼻水を啜っている父親に疑問をぶつけてみた。

 「お父様はお忙しいと聞いていたのですが…どうして此処に?」

 するとマリオスは、それまでの泣きっ面が嘘だったかのように一気に険しい顔つきになった。

 「あぁ、忙しいよ?此処にいるのも、たまたま通りかかったというだけでね…ついさっき緊急の知らせが入ったから、今からそれについての会議に向かうところなんだ」

 マリオスはついさっきまで、ラグドーナの事件の後始末ーー具体的には処分内容の決定などーーを行なっていたはずだ。
 それなのにもう新しい仕事が入るとは…宰相は何て忙しい職業なのか。ずっとこんなペースだと、体も心も荒んでしまう。
 アルカティーナは、マリオスの心身の健康を密かに祈った。
一方、アルカティーナの表情が暗くなったのを察知したマリオスは敢えて明るい口調で高付け足した。
勿論、アルカティーナを励ますためにである。

 「いやぁ~忙しすぎて、こんな仕事を持ち込んでくる陛下に呪いでもかけたいくらいだよ!あとは…滅びの呪文とかね!」

 そんな時。
 あはは、と笑ってみせるマリオスの背後から突然、聞きなれない青年の声が聞こえてきた。

 「そんなことをしたら不敬罪に問われますよ、マリオス様。大体、何を道草を食っておられるのです、この緊急事態に!」

 カツカツと靴の音を鳴らしながらマリオスの横に立ったその青年は、マリオスに厳しい言葉を投げかける。
しかし、マリオスの前方にアルカティーナを見とめると礼儀正しく腰を折った。

 「これは皆様お揃いで…!ご家族と団欒中とはいざ知らず…失礼いたしました」

 丁寧なその謝罪に、アルカティーナも慌ててカーテシーを返す。

 「こちらこそ、申し訳ありません。父を引き止めてしまって…あぁ、申し遅れました。わたくしアルカティーナ・フォン・クレディリアでございます。以後お見知り置きを、ステファラルド様」

 「ご丁寧にありがとうございます。それに私の名前までご存知とは…流石ですね」 

 流石…?
よくわかりませんが、褒めてくださったのですよね。正直、自国の貴族の方々のお名前とお顔を暗記するくらい普通だと思うのですが。

 「お褒めいただきありがとうございます。…お父様、そろそろその会議に行かれてはどうですか?緊急事態なのでしょう?」

 緊急事態というものが具体的にはどんなものなのかは知りませんが…お父様は早く会議へ向かうべきだと思うのですよ。
 だって、緊急事態なのでしょう?
ということは、ルーデリア王国の存亡がかかっているかもしれないのでしょう?
ルーデリア王国のような大国が滅亡なんてことはあり得ないとは思いますが、考えてみるとゾッとします。

 思わず顔を青くさせたアルカティーナを見て、ステファラルドは気遣わしげに声をかける。

 「あの…ご心配なさらずとも大丈夫ですよ?緊急事態とは言っても危険なものではありませんから。寧ろ嬉しい緊急事態なのです。アルカティーナも部外者ではないのでお話ししますが、実は隣のゲレッスト王国から報告がありまして…ーー」

 その続きの内容に、アルカティーナは目を大きく見開いた。


 『ゲレッスト王国にて新たな聖女候補が一人現れたそうなんです』

 
 この時期といいゲレッスト王国という場所といい…それ、何の疑いようもなくヒロイン様のことですよね? 
分かってはいましたが、これから「乙女ゲーム」が本格的に始動するのですね。
うぁー!そう考えると何だか恐怖が拭いきれません!
何故ってそりゃあ、死にたくないからと言うのもありますが…それよりもわたくしは「ゲーム補正」が恐ろしいのです。
どんなものなのかは、詳しくは知りませんが「悪役」だから嫌われるだとか「ヒロイン」だからみんなから好かれるだとか…そういったものがあるかもしれないと思うと何だかこわいのです。
まるで、誰かに操られているようで気持ち悪いから。
 そんなことをグルグル考えながら馬車に揺られていると、直ぐにクレディリア邸へと到着しました。

 因みにですがわたくしは立ち去る直前、お父様にこう言うのを忘れませんでした。

 「滅びの呪文なら、『バル◯』がオススメですよ!」



 ◇ ◆ ◇



 部屋に飛び込み、ベッドへダイブしたアルカティーナは枕元の木製の棚の引き出しから、薄手の本を一冊取り出し、意味もなくパラパラとめくった。
言わずもがな、マニュアル本である。

 『ゲレッスト王国にて新たな聖女候補が一人現れたそうなんです』

 その声が頭をグルグルと渦巻き、脳内を支配する。
グルグル、グルグル。
回って回って、何も考えられなくなる。
鈍った思考回路の中で、アルカティーナはその声の主に感謝した。
もしもあの時、ヒロイン様のことを教えてくれていなかったら……こんな風に動揺する猶予も、わたくしには無かったかもしれないのですねーーと。
 パラパラと本をめくる手を止めると、あるページが自然と開いた。
何となく、そのページに目線を引き寄せられたアルカティーナはチラリとその内容を一瞥し…数秒後には絶叫していた。

 「ええええーーーー!?!?嘘でしょう!?あぁ!そう言えばそうですよ!何であの時気がつかなかったのですか、わたくし!わたくしの馬鹿!アホ!お間抜けーー!」

 叫びながら、少女が両手で掲げているその本の、そのページの上部に印字されているのは『攻略対象』の四文字。
そしてその下部には、こんな記載があった。



 
 ②ステファラルド・クザーレス(14)
 第一王子 ディールの側近で、クザーレス公爵家の次男。ダークブラウンの髪に赤の瞳が印象的な美少年。
しっかり者で、常に丁寧口調で話す。気難しいところがある一方で、かなり心優しい。
意外にも女子力が高く、周囲の少女を圧倒する。




 
  彼が攻略対象であると言うことはしっかり把握していた。アルカティーナの要注意人物ランキングにもランクインしている。
しかし、アルカティーナは事件のことですっかり心身共に疲弊していたため、ステファラルドが攻略対象であるという知識がスッポリ頭から抜け落ちていたのである。
 アルカティーナは、頭を抱えてうずくまる。

 「あぁ…もう、どうしろってんですか……」


 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 悩め、存分に悩むのだアルカティーナ!

…とは思いますが、悩んで悩んで、悩んだ挙句の果てに、凡人が行き着くであろう真っ当な結論からは程遠い、ぶっ飛んだ結論を生み出すのがアルカティーナです。うん…アルカティーナは、天然だからなぁ~。

 そうです。アルカティーナは天然です!
何を今更とお思いですか?
でも、重要なことですよね多分。
と言うことで…私の脳内での各キャラの大まかなイメージをまとめてみました!
皆さんの中でのイメージと一致してたらいいなぁ…。
 
 ①アルカティーナ:頭はいいが天然おっちょこちょい。太陽みたいな少女。

 ②アメルダ:ツンデレだけど超素直な可愛い子

 ③リサーシャ:明るい元気っ子かつ変態

 ④ディール:常に貧乏くじを引いていそうな残念な好青年

 ⑤ゼン:包容力と落ち着きのある大人なイメージだがアルカティーナのせいでツッコミ担当になった青年

 ⑥マーガレット:優しくて厳しい良いお母さんだが親バカ

 ⑦マリオス:暴走気味の親バカで少し残念さ漂う情けないお父さん

 ⑧ルイジェル:シスコンが過ぎてヤバそうな兄。でも意外とマトモなところが多い

 ⑨ラグドーナ:アホ。

 ⑩マドモアゼル:めっさキモい。

  
 如何でしょうか。
皆さんのイメージと違うところはありましたか?
簡潔にまとめただけでもキャラの濃さが浮き彫りとなる、こんなメンバーですが!これからもどうぞよろしくお願いします…。

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