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幼少期編

それが、ルールだよー。

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 何もなかった空間から突然、薄い本が出現した。
(ナビ、これは??)
戸惑いを隠せないまま尋ねると意味不明な回答が返ってきた。
 (えっとね。それ見た目は薄くてまるで、びーえる?の本に見えるかもだけど違うから安心したまえって女神様が言ってたよー!)
……??びーえ、る?新しい食べ物ですか?もしかしてエビをビールで煮込んだ料理か何かですかね?
 (すみませんナビ…。女神様のお言葉は神聖すぎてわたくしには理解できないみたいです…。)
しょんぼり……。やっぱり精神年齢がいくら高くてもダメですね、わたくしはまだまだ未熟者です。
 (うーん…でも僕もこの言葉の意味はわかんないんだよねぇー。今度女神様に聞いてみよーっと!)

その頃、この光景を天界から見ていた女神様が…

 「やっっば!!!純粋な子×2に言っちゃいけないこと言っちゃったわーー!ど、どうしましょ!!」

と、一人焦っていたのはまた別のお話。

(でねでね。この本はマニュアル本って言って、この世界の元になっている乙女ゲームの説明書みたいなものなんだー!)
へーえ…。確かに見てみると中には登場キャラクター達の性格や肩書きなどが大まかにのっていますね。
 (で、さっき言ってたなんだけどー。この世界を作る時にね、女神様はその本をベースにしたんだー。だから、。それが、ルールだよー。)

 それを聞いて、わたくしは慌てて本をペラペラとめくり、「悪役」の紹介ページを探す。

 ◇  ◆  ◇


 ◎悪役令嬢(ヒロインのライバル)

①アルカティーナ・フォン・クレディリア(13)
ルーデリア王国筆頭の名高いクレディリア公爵家の長女。金髪にピンクの瞳の可愛らしい容貌をしているが、幼い頃から家族に溺愛され育ったために性格に。それが原因となりヒロインとヒーローの恋路を邪魔する。

②ユーリア・ルゼスタ(13)
ルゼスタ伯爵家の次女。銀髪に水色の瞳の冷たい容貌の持ち主。幼い頃からになる事に強い憧れを抱いており、何の苦労も無しにに選ばれたヒロインを妬むように。ヒロインとヒーローの恋路を邪魔する。

③リサーシャ・キリリア(13)
キリリア侯爵家の長女。焦茶の髪にレモン色の瞳の少女。様々な事情が絡まった、とある複雑な事情からヒロインとヒーローの恋路を邪魔する。

   *上記は全て、ゲーム開始時のデータである。


 ◇  ◆  ◇

  なるほど、悪役令嬢はわたくし以外にもあと二人ほどいるらしいですね。でもこのデータ、少し気になるところが……。

(…あの、ナビ?わたくしの欄にあるこの、勘違いってどんな勘違いですか??あと、聖女と聖女候補って一体何のことです??)

 ナビはそれに、やはり間延びした口調で答えてくれたのだった。

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