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作戦中止

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 野営地の慌ただしい空気がシルビィは嫌いだった。どうも心が落ち着かない。今は後ろ手を組み、胸を張って、直立不動の姿勢で作戦の説明をしている。

 作戦の説明をする相手は、地方で力を持つ貴族ばかりで、必ずしもウォール家と友好的であるとは限らない。自然と説明する肩や腕に力が入る。

「合戦場は絶望平野と国境砦の間にある草原であると敵国にも告げております。我軍からはまず傭兵部隊を出し、様子を見た後、紫陽花あじさい騎士団を投入。騎士達のマナが尽きた頃に英雄子爵殿の部隊と、ロケート鉄傀儡団を出して紫陽花騎士団を下げ、最後に諸侯らの騎士団で一気に敵を掃討していただく」

「紫陽花騎士団の交代要員に少し難があるように見える。日雇い貴族とその下僕に要の部分を任せるのは不安が残る。クローネに至っては最近まで盗賊だったではないか!」

 獣人国の国境近くにあるワンドリッター領領主、ソラス・ワンドリッターが、黒に近い緑の髪を耳にかけて陰気な声で作戦の不備を指摘した。

「彼らは樹族国に忠誠を誓っております。何が問題なのでしょうか。ワンドリッター侯爵」

「忠誠心がどうのではない。実力が噂通りのものか。もし紛い物ならば、紫陽花騎士団の後退の時間稼ぎにもならんだろう」

「おや、ワンドリッターは噂のオーガの事を知らないようだな」

 どことなくリューロックと同じ匂いがする筋肉隆々の樹族が、ソラスに話しかけた。

 声をかけてきた隻眼の樹族に対し、ソラスは白々しく二度見をする。

「おっと、失礼。ドワーフと見間違えた、ムダン殿」

「ふん、貴様の冗談はこれっぽっちも面白くないわ」

 ムダンは武将兜の立物のような立派な髭を擦って、退屈そうに欠伸をした。

「で、そのオーガとは? 多少は噂には聞いているが正直眉唾な話ばかりだ・・・。我が領土は敵対的な獣人国と隣接しているのでな。伝わってくる情報は、獣人のものが多い。都の噂話など、信頼度が低くていかん」

「失礼するぞ、シルビィ殿」

 急にテントの入口からその噂のオーガが顔を見せたので、ワンドリッターは思わず自慢の黒檀のワンドをヒジリに向ける。

「無礼者! オーガ如きが作戦会議の場に何用か!」

「・・・?」

 恐らくは自分に対して何らかの魔法を撃ったであろうワンドリッターは、驚いた顔でこちらを見つめている。

(あれこれ難癖をつけそうな樹族がいるな)

 ヒジリは目の前の陰気な樹族がこれ以上口を開かない事を祈りながら、シルビィの傍まで歩く。

「そんな、私の魔法を無効化しただと? 練度が一番高い魔法だぞ!」

 ワンドリッターはそう言って呆けているが、ヒジリの噂を知っているムダンやその他の侯爵は口元を隠すこともせず、ハハハと笑っている。

「そのオーガに魔法の類は一切効かん。対魔法特化のオーガメイジじゃからな」

 ムダンはワンドリッターに説明してから、聞えるように「アホめ」と言って馬鹿にする。

 諸侯がガヤガヤと話をしている間に、シルビィはコソコソとヒジリに話しかけた。

「流石に今は不味いな、ダーリン。何故ここに来たのだ?」

「何故ならば、作戦会議をする必要がないからだ。狂王の一族は逃げた。今のグランデモニウム王国は統治者がいない状態だ」

「なんだって! どこの情報だ?」

「ナンベル・ウィンからの情報だよ、シルビィ」

 シルビィは「ウーム」と唸って腕を組んだ。

「ナンベルかぁ・・・。いまいち信用ならんのだよなぁ」

 キュッキュッキュー! と笑うナンベルの奇妙なメイクが頭に沢山浮かぶ。

「そう言うと思ってウメボシをグランデモニウム城まで飛ばした。城の中はもぬけの殻だったそうだ」

「では安心だな。その情報をここで発表してもいいのかな?」

「構わんよ。そうしないと樹族軍はいつまでも合戦場で待つことになる。痺れを切らした侯爵達が、危険な絶望平野を突き抜けて、グランデモニウム城まで攻め入ろうと言い出しかねんからな」

「わかった」

 いつのまにか十年前のグランデモニウム王国侵攻時の自慢話をしている侯爵達に向けて、シルビィは声を張り上げる。それぐらいしないと彼らの声は大きくて煩い。

「皆さん!」

 ザワザワしていたテントの中が、シルビィの声で静かになる。

「ヒジリ殿の情報によると、グランデモニウム城の王族は、国外へ逃亡したとのことです」

「なに?」

 六人の侯爵達は訝しげにオーガメイジを見る。

「わしは信じるぞ! あのオーク達は狂王がいないと、ゴールキ将軍やヘカティニスに頼るしかないからな。砦の戦士とヘカティニス、それとあの忌まわしき道化師だけでは心許ないのだろうよ。ガハハハ!」

 ムダンが大きな声で笑って水差しから水をコップに注ぎ、勝利の乾杯と言わんばかりにごくごくと飲み干した。

「ふん、シルビィ殿がそのオーガを何故名前で呼ぶのかは知らんが、愚鈍なオーガの情報をどう信じろと?」

 変わった性癖のある女だ、とでも言いたげな冷ややかな目でワンドリッターはシルビィを見つめている。

 しかし英雄オーガメイジの事を何も知らない、或いは知ろうともしないワンドリッターに一々怒る気もせず、シルビィは証拠となるようなものはあるかとヒジリに聞いた。

「勿論。ウメボシ!」

「はい。失礼します」

 テントの入り口からイービルアイが飛んできて、城内の様子をホログラム映像で皆に見せた。

 最初は城の門を映している。

 門番もおらず巡回兵もいない。そのまま進んで城内を映すと時々、盗人のゴブリンたちが調度品を持ち去ろうとしているだけであった。他に人影はない。

「ふむ、見知らぬイービルアイが王城を自由に飛び回れるわけもなし。この映像を幻術で作り出した可能性もあるが、そんな事をすれば英雄子爵に責任が及ぶ。いいだろう、信じてやろう。では今すぐ、ゴブリン谷のゴブリン達を一掃し、ゴデの街を抜け、グランデモニウム城まで攻め入ろうではないか」

「それは止めたほうがいいね、ワンドリッター殿」

「何故だね? コーワゴールドの」

 ゴルドン・ウォールの親友であるキウピーの父親は、一度ゴホゴホと咳をして薬を水で流し込んだ。白髪の長い髪が余計に彼を薄幸そうに見せる。

「今グランデモニウム王国を奪えば、帝国と争うことになるからね。数ばかり多いリザードマンを平定したら、次は間違いなく、長年属国になることを拒んできたグランデモニウム王国に攻め入ってくるさ」

「では帝国に奪わせろと?」

「どの道、旨味がないという事だよ。ワンドリッター殿。攻め入っても樹族嫌いのゴブリン達は、必死に抵抗するだろうから、こちらも被害がゼロというわけにはいかない。下手をすれば砦の戦士達やヘカティニスが出てくるかもしれないよ。なんとか被害を出して手に入れたグランデモニウム王国を、帝国は漁夫の利とばかりに喜んで攻めこんでくるだろうさ。地理的に彼らのほうがまとまった軍隊を派遣し易いしね。向こうは平野を進み国境を跨ぐだけ。こちらは補給路が貧弱だ。危険な絶望平野か、ゴブリン谷という細い谷底しか道はない」

 ヒジリが言いたかった事の殆どを、キウピーの父親は言ってくれた。侯爵の殆どはグランデモニウム侵攻で如何に手柄を上げるかばかりを考えている中で、コーワゴールド侯爵だけは先のことを考えていたのだ。

「占領してからの事は王の仕事。我々には関係ない事だ」

「不忠であるぞ、ソラス・ワンドリッター」

 ムダンがソラスを睨む。

「ならば」

 二人の睨み合いをヒジリが声で遮った。

「グランデモニウム王国をこのまま緩衝地帯にしておけばいい」

 それを聞いたソラスが机をドンと叩き、今度はヒジリを睨む。

「オーガ如きが! 口出しをするな!」

 しかしヒジリはソラスを無視してシルビィに話しかけた。

「シュラス陛下に提案してくれないか、シルビィ殿。私がグランデモニウム王国を治める。同じ闇側の者なら彼らの抵抗は少ないだろう。そうすればグランデモニウム王国は樹族国の傀儡国に出来るし、帝国と対峙するような事になっても樹族国は無関係を装える」

「何を・・・、言っているのだ・・・? 貴様がスパイだという可能性もあるだろうが! グランデモニウムを乗っ取って力を蓄え、帝国と共に樹族国に反旗を翻すのではなかろうな?」

 陰気な顔を紅潮させて、ソラスは机をドンドンと何度も叩く。奴隷が国政に口出しをして尚且つ、植民地の総督になると寝言のような事を言っているのだ。机を叩かずにはいられない。

 耳を穿っていたムダンが「アーアー、もしもし」と声を上げた。

「煩いのう、ワンドリッターの。貴様はこのオーガの活躍が気に入らなくて、これまで耳を塞いでおったのだろう? スパイが国滅ぼしの吸魔鬼や、数国をまとめて破壊する力を持つエルダーリッチを追い払うか? 最近ではスイーツ魔法国の千年戦争を終わらせたとも聞く。ヒジリ殿はいずれスイーツ魔法国から自由騎士の称号が送られるのではないかと噂されておるのだぞ? そうなれば一田舎侯爵如きが、自由騎士を奴隷と罵る事も出来なくなるぞ」

「まさか! 何故タスネ子爵にその称号が送られない?」

「スイーツ魔法国に奴隷制度はない。称号は功績を為した本人に与えられる。なんとも合理的で平等なやり方だわい。樹族国も犯罪者のような奴隷商人を一掃すべきだな」

 悔しさと怒りを抑えようと、奥歯を強く噛んでソラスは座った。それでもまだ鼻で荒い息をしている。

 シルビィは場が静かになったのでまとめに入った。

「(ふん、ワンドリッターは権威に弱いのだな)私もヒジリ殿の案に賛成だ。グランデモニウム王国は鉱物資源が豊富で手放すには惜しい。話しによればヒジリ殿はヴャーンズ皇帝と面識もあるそうだ。例え帝国に奪われる事になっても、ヒジリ殿が交渉している間に鉱物資源を出来るだけ持ち去る事は可能だろう。私はこの事を早速陛下へ伝えようと思うが、異議のあるものは?」

「手柄を上げる事が出来ぬのは、やや口惜しいが仕方あるまい。樹族国の繁栄のためだ」

 ムダンは苦々しい顔で髭を撫でた。

「ムダン殿はゴールキ将軍と因縁がありますからね」

「うむ。負けっぱなしでは腹立たしいからな。コーワゴールド殿はもう帰るのか?」

「ええ、息子の顔を見てから帰ります」

「ああ、今は城で騎士見習いをしているのだったか。時が経つのは速いな。ついこないだまでは赤ん坊だったのに」

 二人の昔話が作戦会議の終わりを告げたかのように、侯爵達はテントから出ていった。そして国で準備している控えの騎士団に作戦中止の伝令を走らせるのだった。
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