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未来の弟子
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欠伸をするエリムスと泣くフランが宿屋に戻るイグナを見届けてから、ヒジリは説明を始めるだろうセイバーを見つめた。
セイバーは観念したようにため息をついて、何故自分がフランに固執していたかを話し始めたが、ヒジリはタイミング悪くそれを遮った。
「セイバー、待ってくれ。ウメボシ、テントを頼む」
「はい」
ウメボシが瞬時にテントを直すと、二人は中に入って向かい合って座った。
「僕は・・・、信じてもらえないでしょうけど未来から来たフランさんの弟子なのです」
ヒジリは特に驚かなかった。わけの分からない魔法があるのだから、時間移動ができる者がいてもおかしくはないだろう。
「ほう? まぁ魔法などというものがあるのだから、時間移動があってもおかしくないけどな。それから、何となくだが、セイバーという名前も偽名だろう?」
「ええ、伯父の名前を借りました。今、本当の名前を名乗る意味はあまりないと思いますので、僕が帰るまではセイバーと呼んでください。それで僕が過去に来た理由なのですが、勿論フランさんを救うためなのです。本来フランさんはこの時間軸で、殺されて死ぬことはありませんでした。ですが、それが突然変わったのです。本当に突然に。フランさんは皆の目の前で、メリアさん同様消えていったのです」
「”フランは過去で死んだ事になったのだから、今いるフランは意地でも消すからな? 答えは聞いていない“、といった感じで、世界は彼女を消すというのか。問答無用で強引な未来の変わり方だな。因果が巡って消える、と筋が通ったものではないのだな」
二人は一旦そこでウメボシが差し出した炭酸ジュースを飲んで一息つく。
セイバーが炭酸に驚かないところをみると、未来のこの星では炭酸ジュースが普及しているのだなと、どうでもいい事をヒジリは考えた。
「フランさんが消えて、僕には何が起きたのか理解できませんでした。急いで有名な占い師に原因を見てもらったのですが、わかりませんでした。僕は成り行きで知り合った黒ローブのシャーマンの知識を借り、時間を遡る術を見つけ、何とかこの時代に来る事ができたのですが、自分が持っている情報はあまり多くはありませんでした。なので一か八かの賭けで、この時間に飛んできたのです。彼女を確実に救える時間に飛べるように、運命の神に祈りながら」
ヒジリはフムと頷くと、眉根を寄せて顎を擦った。
「色々と胡散臭いがまぁいい。で、メリアさんはフランの身代わりになったという事か・・・」
「それは判りません。本来はそうだったのかもしれません」
「そうだとしたらフランには厳しい現実だな・・・」
「ええ」
「理不尽な宇宙の理に飲まれてフランは無理やり消されたのだから、過去を変えればきっと未来のフランも復活すると君は思ったのだな? 本来はそんなことにはならんと思うが、ここは魔法の星。きっと未来のフランは、復活しているだろう。もう未来へ帰るのかね?」
「いえ、ヒジリさんの任務を手伝ってから僕は帰る事にします」
「それはありがたいが、ちゃんと帰れるのか?」
「ええ、過去に来るのと違って、未来に戻るのは簡単なんです」
そう言ってセイバーは転移石を見せた。
「そんな馬鹿な。では未来に置いてある転移石のもとへ、時間を超えて帰ることが出来るというのか」
「ええ、僕はここまで導いてくれた偶然の力を信じています。なのできっと帰れると信じています」
セイバーの根拠のない自信にヒジリは呆れて肩をすくめる。
「信じる者は救われる、かね?」
太陽が登る直前の薄暗闇の中、砦が騒がしい事に気がついたクローネは目を開ける。
「何事だい? まぁ予想はつくけどねぇ」
ドアがノックされクローネが返事をする前に手下が部屋に入ってきた。
「自由騎士が正面から攻めてきましたぜ、お頭ぁ!」
「だろうね。ミャロスとモッコスが後をつけられずに砦に帰ってこれるとは思ってなかったからね」
黒いくせ毛の髪をボリボリと掻いて、クローネは猫がやるように背骨を伸ばして欠伸をした。
「鉄傀儡の準備は出来ているかい? あの子達はもう乗せているんだろうね?」
手下はヘヘヘと笑って頬を掻く。
「それが急だったもんで、まだでさぁ・・・」
ベッドから起きたクローネは全裸で、体毛に覆われている肩と背中以外は、白い肌を露わにしており、形の良い乳房や下半身が丸見えだった。
デヘヘヘェ! と見入る手下に枕をぶつけて、ロケート団の頭は命令した。
「ノロマだねぇ。三分で準備しな。あたしゃグズは嫌いだよ!」
砦から次々とホバリングして出てくる鉄傀儡を見た冒険者たちの中には悲鳴を上げる者もいた。
囮のヒジリと違って後方の森で隠れるようにして待機している彼らだったが、それでも鉄傀儡は恐ろしいのだ。
「バークさん、あんたはもう冒険者を辞めたんじゃなかったのか?」
昨日の鉄傀儡との戦いで引退したと思われていた片腕の獅子人は、左手にシャムシールを持って、冒険者たちに混じっていた。
「今日こそが引退日よ。ギルドの高額報酬見ちまったからな。それに自由騎士様がいるこの戦い、どう転んでも勝ち戦だろうが! 乗らぬ馬鹿が何処にいるんだ? グハハ!」
彼を慕っている地走り族の戦士も一緒になって笑った。
「ちげぇねぇ!」
シュラス王直々の依頼なので報酬が普段よりも一桁違う。
冒険者たちが張り切っているのも当然だ。
少しでもおこぼれにあずかろうと手足を失った冒険者の多くがこの戦いに参加していた。誰がどのように戦ったかはギルドから派遣された使い魔が記録する。幾らか頑張れば取り分は増えるだろう。
「おめぇら! 今日は散々お世話になったバークさんの最後の戦いだ! 花ぁ持たせてやろうぜ!」
「おぉぉ!」
面倒見の良かったバークを慕う冒険者仲間が武器を掲げて雄叫びを上げる中、かつてバークと同じパーティメンバーだった者は少し気まずそうな顔をしていた。
勝ち戦のうえ、報酬は大きいということで冒険者たちの士気は上がり、鼓舞する雄叫びは、戦いの最前線に陣取るヒジリと、後衛の冒険者の中間地点で待機するセイバーやイグナにも聞こえてきた。
「士気が上がっている。良いことだね。緊張していないかい? イグナ」
イグナはあまり物事に動じないので、いつもどおりの闇の渦のような瞳で答えた。
「全然。でも不安はある。鉄傀儡には魔法が効かないと聞いた」
「うん、鉄傀儡には、ね。でもあの乗り物には致命的な欠陥があるんだよ。その弱点を突けるのは闇魔法の使い手である僕達だけだ。彼らもその弱点に気がついていないから対策もしていない。じゃあ合図をしたら例の魔法をよろしく」
「うん」
作戦会議の終わった二人は【姿隠し】で消えた。
囮として最前線に立つヒジリはバドラン村で見ることのなかった鉄傀儡の攻撃に驚いている。
「なんだこの高威力の攻撃は! ミサイルにレーザービームだと? 百年前まで地球にあった兵器と同じではないか! これは場違いな古代兵器だ!」
地球でも実弾兵器やビーム兵器は長らく使われてきたが、一世紀前に使用を禁止されてしまっている。なのでウメボシはこの惑星に来るまでビーム兵器を使ったことがない。
「ウメボシも加勢しましょうか?」
「いや、フォースシールドで防御を頼む。点と違って線であるビーム兵器は、一回の攻撃継続時間が長い。流石に回避しても五パーセントくらいの確率で被弾してしまう可能性がある」
鉄傀儡の分厚いランドセルから、次々とミサイルが射出されヒジリを狙う。
それを常人離れした動きでヒジリは回避し続けた。地面に着弾した時の爆風も考慮して動いているので殆どダメージを受けていない。
続いてレーザービームがヒジリを狙うが、乗り手の照準が定まらないのか、ヤケクソになってデタラメに地面を削っている。ヒジリの残像が見えるほどのその動きは、操縦者の照準を迷わせていたのだ。
デタラメな攻撃にヒジリは文句を言う。
「こういう予測不能な攻撃が実は危ない」
それでもバク転や回転ジャンプでそれらを次々と躱していくオーガに、鉄傀儡の操縦者達は焦りを隠せなかった。
「オーガってここまで素早かったか? 攻撃が殆ど当たらないし、当たってもダメージを食らってないように見える」
「なにもんだ、あの奴隷オーガ! スタミナはいつ尽きるんだよ!」
「まさか、最近名前をよく聞くタスネのオーガ、ヒジリじゃねぇだろうな?」
「タスネはどこにいんだ? タスネをぶっ倒しゃあ、奴隷オーガの動きはきっと止まるぞ!」
「知るかよ! ぐだぐだ言ってねぇで囲んで接近戦に持ち込むぞ!」
ヒジリの動きを封じようと鉄傀儡がワラワラと集まってきた。
しかしヒジリはそれを待っていたのか手を上げて誰かに合図をする。
「今だ! セイバー!」
ヒジリの掛け声で今まで【姿隠し】で消えていたセイバーとその肩に乗るイグナが現れた。
「いち、にの、さん!【麻痺の雲】!」
二人の体からブワッと黄色い煙が広がったかと思うと鉄傀儡を包みこんだ。
すると鉄傀儡から乗り手の笑い声が響いてくる。
「ミャロロロ! 私たちに魔法は効かないって言っているニャ!」
猫耳の鉄傀儡からミャロスの声が聞こえる。
「そうよ! そうよ! 自由騎士様って案外お馬鹿さんなのでねぇ! ざ~~んねんっ!」
別の鉄傀儡からはモッコスのお姉声が聞こえてきた。
「煙が晴れたら、自由騎士もノミのように動くオーガも、脚チョンパだからね!」
ブゥゥンという音がして、煙の中で鉄傀儡が持つライトソードが光った。
セイバーは観念したようにため息をついて、何故自分がフランに固執していたかを話し始めたが、ヒジリはタイミング悪くそれを遮った。
「セイバー、待ってくれ。ウメボシ、テントを頼む」
「はい」
ウメボシが瞬時にテントを直すと、二人は中に入って向かい合って座った。
「僕は・・・、信じてもらえないでしょうけど未来から来たフランさんの弟子なのです」
ヒジリは特に驚かなかった。わけの分からない魔法があるのだから、時間移動ができる者がいてもおかしくはないだろう。
「ほう? まぁ魔法などというものがあるのだから、時間移動があってもおかしくないけどな。それから、何となくだが、セイバーという名前も偽名だろう?」
「ええ、伯父の名前を借りました。今、本当の名前を名乗る意味はあまりないと思いますので、僕が帰るまではセイバーと呼んでください。それで僕が過去に来た理由なのですが、勿論フランさんを救うためなのです。本来フランさんはこの時間軸で、殺されて死ぬことはありませんでした。ですが、それが突然変わったのです。本当に突然に。フランさんは皆の目の前で、メリアさん同様消えていったのです」
「”フランは過去で死んだ事になったのだから、今いるフランは意地でも消すからな? 答えは聞いていない“、といった感じで、世界は彼女を消すというのか。問答無用で強引な未来の変わり方だな。因果が巡って消える、と筋が通ったものではないのだな」
二人は一旦そこでウメボシが差し出した炭酸ジュースを飲んで一息つく。
セイバーが炭酸に驚かないところをみると、未来のこの星では炭酸ジュースが普及しているのだなと、どうでもいい事をヒジリは考えた。
「フランさんが消えて、僕には何が起きたのか理解できませんでした。急いで有名な占い師に原因を見てもらったのですが、わかりませんでした。僕は成り行きで知り合った黒ローブのシャーマンの知識を借り、時間を遡る術を見つけ、何とかこの時代に来る事ができたのですが、自分が持っている情報はあまり多くはありませんでした。なので一か八かの賭けで、この時間に飛んできたのです。彼女を確実に救える時間に飛べるように、運命の神に祈りながら」
ヒジリはフムと頷くと、眉根を寄せて顎を擦った。
「色々と胡散臭いがまぁいい。で、メリアさんはフランの身代わりになったという事か・・・」
「それは判りません。本来はそうだったのかもしれません」
「そうだとしたらフランには厳しい現実だな・・・」
「ええ」
「理不尽な宇宙の理に飲まれてフランは無理やり消されたのだから、過去を変えればきっと未来のフランも復活すると君は思ったのだな? 本来はそんなことにはならんと思うが、ここは魔法の星。きっと未来のフランは、復活しているだろう。もう未来へ帰るのかね?」
「いえ、ヒジリさんの任務を手伝ってから僕は帰る事にします」
「それはありがたいが、ちゃんと帰れるのか?」
「ええ、過去に来るのと違って、未来に戻るのは簡単なんです」
そう言ってセイバーは転移石を見せた。
「そんな馬鹿な。では未来に置いてある転移石のもとへ、時間を超えて帰ることが出来るというのか」
「ええ、僕はここまで導いてくれた偶然の力を信じています。なのできっと帰れると信じています」
セイバーの根拠のない自信にヒジリは呆れて肩をすくめる。
「信じる者は救われる、かね?」
太陽が登る直前の薄暗闇の中、砦が騒がしい事に気がついたクローネは目を開ける。
「何事だい? まぁ予想はつくけどねぇ」
ドアがノックされクローネが返事をする前に手下が部屋に入ってきた。
「自由騎士が正面から攻めてきましたぜ、お頭ぁ!」
「だろうね。ミャロスとモッコスが後をつけられずに砦に帰ってこれるとは思ってなかったからね」
黒いくせ毛の髪をボリボリと掻いて、クローネは猫がやるように背骨を伸ばして欠伸をした。
「鉄傀儡の準備は出来ているかい? あの子達はもう乗せているんだろうね?」
手下はヘヘヘと笑って頬を掻く。
「それが急だったもんで、まだでさぁ・・・」
ベッドから起きたクローネは全裸で、体毛に覆われている肩と背中以外は、白い肌を露わにしており、形の良い乳房や下半身が丸見えだった。
デヘヘヘェ! と見入る手下に枕をぶつけて、ロケート団の頭は命令した。
「ノロマだねぇ。三分で準備しな。あたしゃグズは嫌いだよ!」
砦から次々とホバリングして出てくる鉄傀儡を見た冒険者たちの中には悲鳴を上げる者もいた。
囮のヒジリと違って後方の森で隠れるようにして待機している彼らだったが、それでも鉄傀儡は恐ろしいのだ。
「バークさん、あんたはもう冒険者を辞めたんじゃなかったのか?」
昨日の鉄傀儡との戦いで引退したと思われていた片腕の獅子人は、左手にシャムシールを持って、冒険者たちに混じっていた。
「今日こそが引退日よ。ギルドの高額報酬見ちまったからな。それに自由騎士様がいるこの戦い、どう転んでも勝ち戦だろうが! 乗らぬ馬鹿が何処にいるんだ? グハハ!」
彼を慕っている地走り族の戦士も一緒になって笑った。
「ちげぇねぇ!」
シュラス王直々の依頼なので報酬が普段よりも一桁違う。
冒険者たちが張り切っているのも当然だ。
少しでもおこぼれにあずかろうと手足を失った冒険者の多くがこの戦いに参加していた。誰がどのように戦ったかはギルドから派遣された使い魔が記録する。幾らか頑張れば取り分は増えるだろう。
「おめぇら! 今日は散々お世話になったバークさんの最後の戦いだ! 花ぁ持たせてやろうぜ!」
「おぉぉ!」
面倒見の良かったバークを慕う冒険者仲間が武器を掲げて雄叫びを上げる中、かつてバークと同じパーティメンバーだった者は少し気まずそうな顔をしていた。
勝ち戦のうえ、報酬は大きいということで冒険者たちの士気は上がり、鼓舞する雄叫びは、戦いの最前線に陣取るヒジリと、後衛の冒険者の中間地点で待機するセイバーやイグナにも聞こえてきた。
「士気が上がっている。良いことだね。緊張していないかい? イグナ」
イグナはあまり物事に動じないので、いつもどおりの闇の渦のような瞳で答えた。
「全然。でも不安はある。鉄傀儡には魔法が効かないと聞いた」
「うん、鉄傀儡には、ね。でもあの乗り物には致命的な欠陥があるんだよ。その弱点を突けるのは闇魔法の使い手である僕達だけだ。彼らもその弱点に気がついていないから対策もしていない。じゃあ合図をしたら例の魔法をよろしく」
「うん」
作戦会議の終わった二人は【姿隠し】で消えた。
囮として最前線に立つヒジリはバドラン村で見ることのなかった鉄傀儡の攻撃に驚いている。
「なんだこの高威力の攻撃は! ミサイルにレーザービームだと? 百年前まで地球にあった兵器と同じではないか! これは場違いな古代兵器だ!」
地球でも実弾兵器やビーム兵器は長らく使われてきたが、一世紀前に使用を禁止されてしまっている。なのでウメボシはこの惑星に来るまでビーム兵器を使ったことがない。
「ウメボシも加勢しましょうか?」
「いや、フォースシールドで防御を頼む。点と違って線であるビーム兵器は、一回の攻撃継続時間が長い。流石に回避しても五パーセントくらいの確率で被弾してしまう可能性がある」
鉄傀儡の分厚いランドセルから、次々とミサイルが射出されヒジリを狙う。
それを常人離れした動きでヒジリは回避し続けた。地面に着弾した時の爆風も考慮して動いているので殆どダメージを受けていない。
続いてレーザービームがヒジリを狙うが、乗り手の照準が定まらないのか、ヤケクソになってデタラメに地面を削っている。ヒジリの残像が見えるほどのその動きは、操縦者の照準を迷わせていたのだ。
デタラメな攻撃にヒジリは文句を言う。
「こういう予測不能な攻撃が実は危ない」
それでもバク転や回転ジャンプでそれらを次々と躱していくオーガに、鉄傀儡の操縦者達は焦りを隠せなかった。
「オーガってここまで素早かったか? 攻撃が殆ど当たらないし、当たってもダメージを食らってないように見える」
「なにもんだ、あの奴隷オーガ! スタミナはいつ尽きるんだよ!」
「まさか、最近名前をよく聞くタスネのオーガ、ヒジリじゃねぇだろうな?」
「タスネはどこにいんだ? タスネをぶっ倒しゃあ、奴隷オーガの動きはきっと止まるぞ!」
「知るかよ! ぐだぐだ言ってねぇで囲んで接近戦に持ち込むぞ!」
ヒジリの動きを封じようと鉄傀儡がワラワラと集まってきた。
しかしヒジリはそれを待っていたのか手を上げて誰かに合図をする。
「今だ! セイバー!」
ヒジリの掛け声で今まで【姿隠し】で消えていたセイバーとその肩に乗るイグナが現れた。
「いち、にの、さん!【麻痺の雲】!」
二人の体からブワッと黄色い煙が広がったかと思うと鉄傀儡を包みこんだ。
すると鉄傀儡から乗り手の笑い声が響いてくる。
「ミャロロロ! 私たちに魔法は効かないって言っているニャ!」
猫耳の鉄傀儡からミャロスの声が聞こえる。
「そうよ! そうよ! 自由騎士様って案外お馬鹿さんなのでねぇ! ざ~~んねんっ!」
別の鉄傀儡からはモッコスのお姉声が聞こえてきた。
「煙が晴れたら、自由騎士もノミのように動くオーガも、脚チョンパだからね!」
ブゥゥンという音がして、煙の中で鉄傀儡が持つライトソードが光った。
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