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やってみるまで
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悪魔超人にいそうな山のような見た目のダイアモンドゴーレムは、食事の間ずっとこちらを見ていた。
特に悪魔たちが、簡素なパンを食べるたびに僅かにピクリと反応する。
「びゃぁぁぁ! 美味い! やっぱり世界一の料理人が作るパンは、味も格別ですねぇ」
アークデーモンがマスオさんのように褒めてくれる。そのネタ、さっきも誰かやってなかったか? 悪魔の中で流行ってんの?
「そう言ってくれると嬉しいよ」
俺は生返事をして、またゴーレムを観察する。やはりパンに反応しているようだ。一体なんだ?
肉人のステーキや野菜炒めには反応しない。
「これらの食事効果は?」
「再生と生命力の大幅アップ。生命力の高い悪魔やトウスさんなら、一撃死はしないと思う。メリィやサーカも盾で攻撃を往なせば一回ぐらいは、なんとかなるんじゃないかな。更に再生魔法のエンチャントがしてある。ピーターは食事効果があっても即死だな」
サーカの質問に答えるとピーターが、少し拗ねたような顔をして不貞腐れる。
「ほらみろ。俺を前線に置こうなんて考えるなよ」
弱さを自慢気に語るな。俺が本物のオーガなら、今のピーターの言葉は侮蔑の対象となる。弱者として生きる事は恥。彼らの根本にある考えは、ヒジリの登場で変わりつつあるが、それでも多くのオーガが弱肉強食を支持しているのだ。
「さて、タダ飯ぐらいのピーターが手伝ってくれない以上、悪魔が幻術を使ってダイアモンドゴーレムを撹乱してくれている間に、俺は加速を使って接近しないといけないわけだが」
皆が食事を終えたのを確認して、俺は立ち上がる。
右手にはまる戦士の指輪と上位鑑定の指輪を見つめてから、頬をピシャリと叩いた。
「あまり気負うなよ。お前は優しいからフラックの事を気にかけるだろうがよ。悪魔は契約で動いてんだ。割り切っていけ」
トウスさんの言葉に少し緊張がほぐれる。
「私は心配していないぞ。オビオなら出来る。死から何度でも立ち上がった男だからな」
「ありがとう、サーカ。有益な情報を、なんとしてでも持ち帰ってくるよ」
それでも彼女の顔は心配をしているように見えた。キスをして安心させたくなったが、人前なので恥ずかしい。ぐっと堪えて、俺は最後にメリィに視線をやった。
彼女は何かを覚悟しているような顔をしている。いつもは長い伏せまつ毛のせいで、目が閉じているように見えるのに、今は目を見開いて輝きの小剣の柄を握りしめて見つめている。
何か奥の手でもあるのだろうか? メリィはキリマルやビャクヤと過ごす時間が長かった。そこで良い手を授かったのかもしれない。
――――ズドーン!
早速始まった。
悪魔たちが幻影系魔法で様々な幻を作り、ゴーレムの近辺で派手に動かした。勿論、ゴーレムはそれに反応して、拳で叩き潰そうとする。
フラックの出す分身は実体のある幻。なので、少しでもゴーレムに傷を付けようと大鎌を振るっているが、やはり決定打にはなっていない。
「攻撃力アップの食事があったら・・・」
限られた種類の食材しか手持ちにない事を悔やんでいると、メリィが首を横に振った。
「それならもう、あの悪魔が既にやっているよぉ」
そうだった。幽霊や悪魔に詳しいメリィがいたんだった。
「あそこで、火の付いたフライパンを振っている悪魔がいるでしょぉ?」
仲間の悪魔の周囲で、ミスター・ビーンに似た悪魔がフライパンを揺すっている。
「あの悪魔は確か・・・。ウコバクだっけ?」
俺は上位鑑定で触った時の情報を思い出していたが、名前しか思い出せなかった。
「あの悪魔は地獄の炎に油を注ぐ役目を担っているのだけど、その関係か、味方の攻撃力を上げる力を持ってるの」
「それでも攻撃が通らないって事は・・・」
「あのゴーレムは、キリマルと同じく高次の存在だねぇ~」
「そりゃそうか。あのコアがしおりならば、元々は世界を作り出していた魔本だもんな」
コズミックペンの書き込んだ内容を具現化するコズミックノートは、もうこの世に存在しない。しかし、その残滓ですら、見ての通り人や悪魔の力を凌駕する。
急に身体に寒気が走り、徐に心の芯を恐怖が捉えた。
「彼らは魔本と魔筆は死にたがっていたとはいえ、役目に則った行動はするだろうし、その役目を邪魔する者は排除しようとしたんじゃないかな? そんな神に等しい力を持つ存在と戦ってたキリマル達はすげぇな」
「その片鱗とはいえ、俺たちも立ち向かおうとしてんだぜ?」
トウスさんの言葉に、また身震いをした。さっきは気分を楽にしてくれた獅子人も、ダイアモンドゴーレムがここまでとは思ってなかったのだろう。警戒を促すような事を言うようになった。
そういや最近は感情制御チップが補正をしてくれなくないな・・・。多分もう、惑星を覆う霞のせいで、チップは壊れたのだと思う。
――――ゴォォォ!!
いきなり獅子人が吠える。ウォークライのスキルを使ったのだ。心から迷いや恐怖が消え、奮い立つ。
「いつまでも悪魔に頼りっきりってわけにもいかねぇぞ、オビオ。巻糞・・・。いや、グレーターデビルが床の染みになっちまった! グズグズしてらんねぇ。俺たちも行こうか」
多腕のアスラに続き、接近戦を主とするグレーターデビルが、ゴーレムの両手を組んだ一撃で逝った。片手の一撃なら耐えられたが、両手の一撃には耐えられなかったか。
無尽蔵のスタミナを持つゴーレムは、敵が範囲内に入ってくると、休むことなく暴れまわる。そして時々、自分の影を攻撃している。
「あのゴーレム、馬鹿ではないな」
走りながらサーカが横で呟いた。
「ああ。ピーターと一緒に影に潜んで接近していたら、間違いなく殺されていたぜ・・・」
ピーターの警戒は的を射ていたのだ。戦いにおいて、ど素人の俺の意見はやっぱ当てになんねぇな。
「主様ぁ!」
ゴーレムの攻撃を回避し続けるフラッ君が、必死な声で呼びかけてきた。
「分身を一体、犠牲にします! その隙に、ゴーレムに触れて下さい!」
あの嵐のような攻撃を回避し続けているフラッ君すげぇ。その頑張りに応えないと、主として示しがつかねぇな!
「わかった! 頼んだぞ! フラッ君!」
「はい!」
――――ドシン!!
ゴーレムの右腕の下で、フラッ君の分身が潰れて消える。その右手が上がる前に俺はスライディングをした。
いける! タァァァァッチ!
「触れた! ゴーレムの右手に触れたぞ! 全員退避ー!」
触れて一秒程だろうか? それでも膨大な情報が流れ込んでくる。そしてその情報処理が追いつかず、鼻血が流れ出た。
逆に触れるのは一秒で正解だったのかもしれない。俺は無様な姿勢で逃げながらそう考える。
「危ない、オビオ!」
「守りの盾!」
逃げ際の追撃――――、ゴーレムのワンツーパンチを、トウスさんが魔剣で、サーカがスキルで往なしてくれた。
「サンキュー! 二人共!」
礼を言いながらも、未だ思考が頭を巡る。
もっと長く触れていたらどうなっていただろう? 対チャビン戦で元魔法院長に【読心】の魔法を使った闇魔女イグナちゃんのように、凄まじい情報の濁流で俺は失神してたかもな。
ゴーレムの攻撃範囲から離れた俺たちは、焚き火のある場所まで滑り込むようにして到着し、寝転がってハァハァと喘いだ。
「あぶねー」
「それで?」
揺らめく焚き火の陰から現れたピーターが、腕を組んで俺を見下ろしている。こいつは何もしていない。それどころか、まるで軍師気取りだ。お前に情報を渡したところで、何とかなるとは思わねぇけどな!
それでも情報を共有しなくてはいけない腹立たしさよ・・・。
「ちょっと待ってくれ。考えを纏める」
俺は無造作に鼻血を袖で拭いて、自分が見たものを思い返した。
「あいつ、種族がゴーレムじゃないな・・・。これは予想通り。運命に縛られし者、だ」
初期のキリマルを視た時も、こんな種族名じゃなかったか? あれは二つ名だったかな?
「なんだそりゃ」
「旧世界において、何らかの役割を持った重要人物につく名前だ」
「で?」
「うるせぇな! ちょっと待ってろよ、ピーターのアホ!」
頭痛が酷い。凄まじい情報量だ。魔筆と魔本の作った世界は、何度も微妙に違う時間を繰り返している! そりゃ本も真っ黒になるわな。
何かヒントになるようなものは・・・。
「ヒントがあった!」
おお、と悪魔たちがどよめく。
「やっぱり金剛切り持ってきて、正解だったわ」
魔本の記録の中に、キリマルがゴーレムを撃破しているシーンが見えた。まだ人型の頃のキリマルだから、今よりも相当弱い。
その弱いキリマルが金剛切りで小さなキズを付けたゴーレムを、獣人戦士のバトルハンマーがあっさりと砕いているのだ。
「分子結合に弱い部分がない完璧な炭素の結晶であるダイアモンドゴーレムに、金剛切りで傷を付ければ、後は打撃武器で簡単に破壊できるぞ!」
まさか脇差し一本でゴーレムに簡単に傷を付けれるとは思わなかった。これまで何やっても駄目だったからな。正直、聖魔シリーズを疑っていた事は否めない。
「問題は、包丁として金剛切りを使って効果があるかどうかだな」
トウスさんが、俺も思っていた懸念点を言う。
「でも、キリマルの腕を斬り飛ばしたし、いけるんじゃね?」
自分を安心させるようにそう言ってみる。結局はやってみるまでわからないのだ。
特に悪魔たちが、簡素なパンを食べるたびに僅かにピクリと反応する。
「びゃぁぁぁ! 美味い! やっぱり世界一の料理人が作るパンは、味も格別ですねぇ」
アークデーモンがマスオさんのように褒めてくれる。そのネタ、さっきも誰かやってなかったか? 悪魔の中で流行ってんの?
「そう言ってくれると嬉しいよ」
俺は生返事をして、またゴーレムを観察する。やはりパンに反応しているようだ。一体なんだ?
肉人のステーキや野菜炒めには反応しない。
「これらの食事効果は?」
「再生と生命力の大幅アップ。生命力の高い悪魔やトウスさんなら、一撃死はしないと思う。メリィやサーカも盾で攻撃を往なせば一回ぐらいは、なんとかなるんじゃないかな。更に再生魔法のエンチャントがしてある。ピーターは食事効果があっても即死だな」
サーカの質問に答えるとピーターが、少し拗ねたような顔をして不貞腐れる。
「ほらみろ。俺を前線に置こうなんて考えるなよ」
弱さを自慢気に語るな。俺が本物のオーガなら、今のピーターの言葉は侮蔑の対象となる。弱者として生きる事は恥。彼らの根本にある考えは、ヒジリの登場で変わりつつあるが、それでも多くのオーガが弱肉強食を支持しているのだ。
「さて、タダ飯ぐらいのピーターが手伝ってくれない以上、悪魔が幻術を使ってダイアモンドゴーレムを撹乱してくれている間に、俺は加速を使って接近しないといけないわけだが」
皆が食事を終えたのを確認して、俺は立ち上がる。
右手にはまる戦士の指輪と上位鑑定の指輪を見つめてから、頬をピシャリと叩いた。
「あまり気負うなよ。お前は優しいからフラックの事を気にかけるだろうがよ。悪魔は契約で動いてんだ。割り切っていけ」
トウスさんの言葉に少し緊張がほぐれる。
「私は心配していないぞ。オビオなら出来る。死から何度でも立ち上がった男だからな」
「ありがとう、サーカ。有益な情報を、なんとしてでも持ち帰ってくるよ」
それでも彼女の顔は心配をしているように見えた。キスをして安心させたくなったが、人前なので恥ずかしい。ぐっと堪えて、俺は最後にメリィに視線をやった。
彼女は何かを覚悟しているような顔をしている。いつもは長い伏せまつ毛のせいで、目が閉じているように見えるのに、今は目を見開いて輝きの小剣の柄を握りしめて見つめている。
何か奥の手でもあるのだろうか? メリィはキリマルやビャクヤと過ごす時間が長かった。そこで良い手を授かったのかもしれない。
――――ズドーン!
早速始まった。
悪魔たちが幻影系魔法で様々な幻を作り、ゴーレムの近辺で派手に動かした。勿論、ゴーレムはそれに反応して、拳で叩き潰そうとする。
フラックの出す分身は実体のある幻。なので、少しでもゴーレムに傷を付けようと大鎌を振るっているが、やはり決定打にはなっていない。
「攻撃力アップの食事があったら・・・」
限られた種類の食材しか手持ちにない事を悔やんでいると、メリィが首を横に振った。
「それならもう、あの悪魔が既にやっているよぉ」
そうだった。幽霊や悪魔に詳しいメリィがいたんだった。
「あそこで、火の付いたフライパンを振っている悪魔がいるでしょぉ?」
仲間の悪魔の周囲で、ミスター・ビーンに似た悪魔がフライパンを揺すっている。
「あの悪魔は確か・・・。ウコバクだっけ?」
俺は上位鑑定で触った時の情報を思い出していたが、名前しか思い出せなかった。
「あの悪魔は地獄の炎に油を注ぐ役目を担っているのだけど、その関係か、味方の攻撃力を上げる力を持ってるの」
「それでも攻撃が通らないって事は・・・」
「あのゴーレムは、キリマルと同じく高次の存在だねぇ~」
「そりゃそうか。あのコアがしおりならば、元々は世界を作り出していた魔本だもんな」
コズミックペンの書き込んだ内容を具現化するコズミックノートは、もうこの世に存在しない。しかし、その残滓ですら、見ての通り人や悪魔の力を凌駕する。
急に身体に寒気が走り、徐に心の芯を恐怖が捉えた。
「彼らは魔本と魔筆は死にたがっていたとはいえ、役目に則った行動はするだろうし、その役目を邪魔する者は排除しようとしたんじゃないかな? そんな神に等しい力を持つ存在と戦ってたキリマル達はすげぇな」
「その片鱗とはいえ、俺たちも立ち向かおうとしてんだぜ?」
トウスさんの言葉に、また身震いをした。さっきは気分を楽にしてくれた獅子人も、ダイアモンドゴーレムがここまでとは思ってなかったのだろう。警戒を促すような事を言うようになった。
そういや最近は感情制御チップが補正をしてくれなくないな・・・。多分もう、惑星を覆う霞のせいで、チップは壊れたのだと思う。
――――ゴォォォ!!
いきなり獅子人が吠える。ウォークライのスキルを使ったのだ。心から迷いや恐怖が消え、奮い立つ。
「いつまでも悪魔に頼りっきりってわけにもいかねぇぞ、オビオ。巻糞・・・。いや、グレーターデビルが床の染みになっちまった! グズグズしてらんねぇ。俺たちも行こうか」
多腕のアスラに続き、接近戦を主とするグレーターデビルが、ゴーレムの両手を組んだ一撃で逝った。片手の一撃なら耐えられたが、両手の一撃には耐えられなかったか。
無尽蔵のスタミナを持つゴーレムは、敵が範囲内に入ってくると、休むことなく暴れまわる。そして時々、自分の影を攻撃している。
「あのゴーレム、馬鹿ではないな」
走りながらサーカが横で呟いた。
「ああ。ピーターと一緒に影に潜んで接近していたら、間違いなく殺されていたぜ・・・」
ピーターの警戒は的を射ていたのだ。戦いにおいて、ど素人の俺の意見はやっぱ当てになんねぇな。
「主様ぁ!」
ゴーレムの攻撃を回避し続けるフラッ君が、必死な声で呼びかけてきた。
「分身を一体、犠牲にします! その隙に、ゴーレムに触れて下さい!」
あの嵐のような攻撃を回避し続けているフラッ君すげぇ。その頑張りに応えないと、主として示しがつかねぇな!
「わかった! 頼んだぞ! フラッ君!」
「はい!」
――――ドシン!!
ゴーレムの右腕の下で、フラッ君の分身が潰れて消える。その右手が上がる前に俺はスライディングをした。
いける! タァァァァッチ!
「触れた! ゴーレムの右手に触れたぞ! 全員退避ー!」
触れて一秒程だろうか? それでも膨大な情報が流れ込んでくる。そしてその情報処理が追いつかず、鼻血が流れ出た。
逆に触れるのは一秒で正解だったのかもしれない。俺は無様な姿勢で逃げながらそう考える。
「危ない、オビオ!」
「守りの盾!」
逃げ際の追撃――――、ゴーレムのワンツーパンチを、トウスさんが魔剣で、サーカがスキルで往なしてくれた。
「サンキュー! 二人共!」
礼を言いながらも、未だ思考が頭を巡る。
もっと長く触れていたらどうなっていただろう? 対チャビン戦で元魔法院長に【読心】の魔法を使った闇魔女イグナちゃんのように、凄まじい情報の濁流で俺は失神してたかもな。
ゴーレムの攻撃範囲から離れた俺たちは、焚き火のある場所まで滑り込むようにして到着し、寝転がってハァハァと喘いだ。
「あぶねー」
「それで?」
揺らめく焚き火の陰から現れたピーターが、腕を組んで俺を見下ろしている。こいつは何もしていない。それどころか、まるで軍師気取りだ。お前に情報を渡したところで、何とかなるとは思わねぇけどな!
それでも情報を共有しなくてはいけない腹立たしさよ・・・。
「ちょっと待ってくれ。考えを纏める」
俺は無造作に鼻血を袖で拭いて、自分が見たものを思い返した。
「あいつ、種族がゴーレムじゃないな・・・。これは予想通り。運命に縛られし者、だ」
初期のキリマルを視た時も、こんな種族名じゃなかったか? あれは二つ名だったかな?
「なんだそりゃ」
「旧世界において、何らかの役割を持った重要人物につく名前だ」
「で?」
「うるせぇな! ちょっと待ってろよ、ピーターのアホ!」
頭痛が酷い。凄まじい情報量だ。魔筆と魔本の作った世界は、何度も微妙に違う時間を繰り返している! そりゃ本も真っ黒になるわな。
何かヒントになるようなものは・・・。
「ヒントがあった!」
おお、と悪魔たちがどよめく。
「やっぱり金剛切り持ってきて、正解だったわ」
魔本の記録の中に、キリマルがゴーレムを撃破しているシーンが見えた。まだ人型の頃のキリマルだから、今よりも相当弱い。
その弱いキリマルが金剛切りで小さなキズを付けたゴーレムを、獣人戦士のバトルハンマーがあっさりと砕いているのだ。
「分子結合に弱い部分がない完璧な炭素の結晶であるダイアモンドゴーレムに、金剛切りで傷を付ければ、後は打撃武器で簡単に破壊できるぞ!」
まさか脇差し一本でゴーレムに簡単に傷を付けれるとは思わなかった。これまで何やっても駄目だったからな。正直、聖魔シリーズを疑っていた事は否めない。
「問題は、包丁として金剛切りを使って効果があるかどうかだな」
トウスさんが、俺も思っていた懸念点を言う。
「でも、キリマルの腕を斬り飛ばしたし、いけるんじゃね?」
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