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オビオの火吹き竹
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賓客待遇で用意された個室で、キリマルは欠伸をしながらビャクヤに尋ねた。
「いつニムゲイン王国に帰るんだぁ? ビャクヤ。お前は一生、アマリの柄を触らないと誓ったんだからよぉ。もう、絶対解呪のアイテムは必要ねぇ」
人化できる魔刀天の邪鬼に寄り添われている悪魔を見て、ビャクヤは妻のリンネを思い出したのか、窓際に立って遠くを見る。
「吾輩ッ! Qが気がかりなのですッ!」
そう言う主のシルクハットを見つめながら、キリマルはその憂いを笑った。
「クハハ! だったら、あいつがいない世界を見つければいいだけだ。この世界のQが気になるなら、俺様がこの世界を破壊してやってもいい」
樹族に変身したままのビャクヤは、深く溜息をついてキリマルを仮面の奥から睨んだ。
「前にも言ったでしょうッ! 吾輩はッ! この道筋を辿る世界がとても気に入っているとッ! この世界こそがッ! あの子が生まれる可能性の最も高い世界なのですッ! 魔筆の気まぐれで作られたッ! あの空虚で不憫なる暗黒騎士はッ! この世界にこそ相応しいのですッ!」
「だからなんだ?」
「Qを放置しておけば、子孫であるダーク・マターも消される可能性があると、ビャクヤは言っている」
闇魔女のイグナによく似た少女は、ビャクヤの言いたいことをキリマルに教える。
「クハハ! だったらよぉ、アマリ。Qを殺しちまえばいいだけだろうがよ!」
「無駄。また転生して、触媒を落とす」
人化した状態の魔刀天の邪鬼――――、アマリの言葉を聞いて、キリマルはバツが悪そうに爪で頬を掻いた。
「Qのありゃあ、なんなんだ? 存在消しの触媒を落としているっつーのは、なんか特別な力なのか? 」
「いいえッ! 恐らくはッ! 神の恩恵扱いでしょうッ! しかしッ! 我々の存在するこの世界の過去にはッ! そもそもッ! 能力などッ! 神ともども存在しなかったッ! だが時代とともにッ! 神格化される英雄が現れる事でッ! それらの者は人の総意を背負いだしたッ! そして次第にッ! 英雄を求める人々の願いにマナが応えッ! 能力者が生まれるようになったとッ! 吾輩は考えているのですッ!」
「ってこたぁ、実際はQが転生しているんじゃなくて、Qの能力が誰かに宿っていると考えるべきか」
「そうですねッ! なのでQの能力を持つ者を殺してもッ! 誰かにその能力が移るだけですッ!」
「基本的に能力は世界に一つだからな。で、どうやって見つけるんだ?」
「これまでの経緯を考えれば、自ずと答えは出るはずでよッ! キリマルッ! 漠然とした情報ではッ! デビルズアイもそれなりの答えしか出さないッ! しかしッ! 貴方は気づいているはずですッ!」
「神聖国モティか・・・。カクイの弟がどこかに、Qの能力者を監禁しているというわけだな?」
「ええッ! デビルズアイで遠視をッ! お願いしますンゴッ!」
「わかった」
キリマルは動きをピタリと止めて、頭頂部の太陽のような模様から体中に広がるクラックを光らせている。
「見つけた。が、どうやってQの能力を消す? お前の事だから、彼女の落とす触媒から、存在消しの武器を作って、Qの能力ごと能力者を消すなんて事はしないんだろう?」
「当然。だから悩んでいるのですよッ!」
「城のウィザードに尋ねてみるか? 何か良い案はないかって」
「恐らく彼らは、当てにならないでしょう。正直言って、知識においては吾輩の方が遥かに上ですッ!」
「となると・・・、冒険者に手当り次第聞くか? あいつらの知識は馬鹿にできねぇぞ」
ふむ、と頷いてビャクヤは考える。
(冒険者ですかッ! 悪くないッ! 吾輩はこれまでッ! 遺跡守りの追跡を逃れる冒険者を幾人か見てきたッ! 彼らならば、もしかしてッ!)
「思い立ったが吉日ッ! 早速廊下をウロウロしているであろう、暇そうな衛兵にッ! 冒険者の事を聞いてみますかッ!」
ビャクヤは窓際からツカツカと歩いて、部屋のドアを開けると、予想通り衛兵が廊下を見回りをしていた。
「そこの君達ぃッ!」
仮面のメイジに呼び止められた衛兵二人は、退屈だったのか直ぐにビャクヤの元に駆けてくる。
「何でありましょうか? 大魔法使い殿!」
「この国一番の冒険者をばッ! 教えてくれませんかッ!」
樹族の騎士は顔を見合わせた後、少し笑ってビャクヤに答える。
「それでしたら、バトルコック団がそうですよ? 大魔法使い殿」
「なんとッ! 灯台モトクラシー!」
「大正デモクラシーみたいに言うんじゃねぇよ」
ビャクヤの背後で、サメのような悪魔が意味不明なツッコミをしたので、衛兵二人は軽く会釈して逃げるように巡回業務に戻った。
「あの程度で、この国一番の冒険者かよ・・・。まぁでも、何人かは俺様に殺されるはずの運命に、抗ってはいるしな。クハハ!」
「では早速、オビオ君の部屋にでも行ってみますかッ!」
「お前だけで行け。お土産に羊羹貰ってこい」
オビオの部屋の前で、ビャクヤは悶々としていた。
(なんてッ! タイミングでッ! 吾輩はッ! 来てしまったのかッ!)
部屋の中から聞こえてくるそれは、明らかに恋人同士のイチャイチャであった。
「やめとけって、お前がそんな事する必要はないってば」
「でも、オビオは最近元気がないし・・・。だから手伝わせて?」
「ちょっ!」
――――ぶっぶっぶぼぼぼっ!
「変な音出して吸うなよ!」
「もごもごもご」
ブリッジをして冷静さを保とうとする仮面のメイジを、遠くから巡回中の衛兵が見てギョッとする。
「あの人、何やってんだ?」
「さぁ、天才の考えることはわからん・・・」
奇異の目で見る衛兵たちの視線を気にせず、腕を組んでブリッジをするビャクヤは思いつく。因みにシルクハットは頭の下でひしゃげて潰れている。
(よく考えればッ! 出直してこればッ! いいのでは?)
ブリッジの体勢から立ち上がって、ビャクヤは蛇腹のようになったシルクハットを伸ばす。
すると部屋の中から、オビオの焦る声が聞こえてきた。
「そんなに吸ったら、出るだろうが! あ! あ!」
「もごもごもご」
――――ビュル! ビュル!
「あー、ほら出たー! もー!」
(ホッ! 終わってくれまんしたッ!)
恋人同士の前戯が終わった今のタイミングは、それ程悪いタイミングではないとビャクヤは判断して、ドアをノックする。
「オビオ君ッ!」
「わぁぁぁ!」
ドタバタと中で慌てふためく声が聞こえる。
「フフフッ! 十代だった頃が懐かしいんヌッ!」
ビャクヤもリンネと、若い頃は所構わずそういう事をした経験がある。キリマルに見つかって、何度呆れられただろうか?
「ど、どうぞ!」
部屋の中からオビオの声が聞こえ、ビャクヤは多少ドキドキしながらも、ドアを開ける。
「クサッ!」
部屋に漂う臭いは、男女の営みのような生々しいものではない。妙に香ばしく、馴染みのない匂いだった。
「換気したんだけどね。やっぱり臭いよな」
「何をしていたのですッ?」
オビオは小さな七輪とその上のクッキーのような物を見せた。
「煎餅を焼いていたんだけど、サーカが火吹き竹を吹かずに、吸っちゃってさ。咽て逆に穴からヨダレを射出するわ、炭火を消すわで、煎餅を焼くのを失敗しちゃったんだ」
「火吹竹を使うのは初めてなんだから、仕方ないだろ!」
顔を真赤にするサーカを見て、ビャクヤは自分の勘違いに可笑しくなり、尻をつねって笑いを堪えた。
「それで、何の用だい?」
「樹族国で一番の冒険者が、バトルコック団と聞いてッ! 頼みがありまんもすッ!」
「なに?」
オビオは樹族国史上、最速でS級冒険者になった自覚があまりない。冒険者としての名誉は、旅先で皆から好意を向けられる便利な評判、程度にしか考えていない。
「実は我々は、Qを何とかしようと考えているのですッ!」
「まさか、Qを殺そうと思ってんじゃないだろうな?」
オビオの目は険しくなる。その目は、過去にQを守って变化した古竜の時のそれである。
「吾輩ッ! 白ローブのメイジだと言ったはずですよ? そんな事をほッ! するわけないでしょうッ!」
「だよな。ごめんごめん。で、俺に何を頼むんだ?」
「実は・・・。カクカクシカジカ」
「いつニムゲイン王国に帰るんだぁ? ビャクヤ。お前は一生、アマリの柄を触らないと誓ったんだからよぉ。もう、絶対解呪のアイテムは必要ねぇ」
人化できる魔刀天の邪鬼に寄り添われている悪魔を見て、ビャクヤは妻のリンネを思い出したのか、窓際に立って遠くを見る。
「吾輩ッ! Qが気がかりなのですッ!」
そう言う主のシルクハットを見つめながら、キリマルはその憂いを笑った。
「クハハ! だったら、あいつがいない世界を見つければいいだけだ。この世界のQが気になるなら、俺様がこの世界を破壊してやってもいい」
樹族に変身したままのビャクヤは、深く溜息をついてキリマルを仮面の奥から睨んだ。
「前にも言ったでしょうッ! 吾輩はッ! この道筋を辿る世界がとても気に入っているとッ! この世界こそがッ! あの子が生まれる可能性の最も高い世界なのですッ! 魔筆の気まぐれで作られたッ! あの空虚で不憫なる暗黒騎士はッ! この世界にこそ相応しいのですッ!」
「だからなんだ?」
「Qを放置しておけば、子孫であるダーク・マターも消される可能性があると、ビャクヤは言っている」
闇魔女のイグナによく似た少女は、ビャクヤの言いたいことをキリマルに教える。
「クハハ! だったらよぉ、アマリ。Qを殺しちまえばいいだけだろうがよ!」
「無駄。また転生して、触媒を落とす」
人化した状態の魔刀天の邪鬼――――、アマリの言葉を聞いて、キリマルはバツが悪そうに爪で頬を掻いた。
「Qのありゃあ、なんなんだ? 存在消しの触媒を落としているっつーのは、なんか特別な力なのか? 」
「いいえッ! 恐らくはッ! 神の恩恵扱いでしょうッ! しかしッ! 我々の存在するこの世界の過去にはッ! そもそもッ! 能力などッ! 神ともども存在しなかったッ! だが時代とともにッ! 神格化される英雄が現れる事でッ! それらの者は人の総意を背負いだしたッ! そして次第にッ! 英雄を求める人々の願いにマナが応えッ! 能力者が生まれるようになったとッ! 吾輩は考えているのですッ!」
「ってこたぁ、実際はQが転生しているんじゃなくて、Qの能力が誰かに宿っていると考えるべきか」
「そうですねッ! なのでQの能力を持つ者を殺してもッ! 誰かにその能力が移るだけですッ!」
「基本的に能力は世界に一つだからな。で、どうやって見つけるんだ?」
「これまでの経緯を考えれば、自ずと答えは出るはずでよッ! キリマルッ! 漠然とした情報ではッ! デビルズアイもそれなりの答えしか出さないッ! しかしッ! 貴方は気づいているはずですッ!」
「神聖国モティか・・・。カクイの弟がどこかに、Qの能力者を監禁しているというわけだな?」
「ええッ! デビルズアイで遠視をッ! お願いしますンゴッ!」
「わかった」
キリマルは動きをピタリと止めて、頭頂部の太陽のような模様から体中に広がるクラックを光らせている。
「見つけた。が、どうやってQの能力を消す? お前の事だから、彼女の落とす触媒から、存在消しの武器を作って、Qの能力ごと能力者を消すなんて事はしないんだろう?」
「当然。だから悩んでいるのですよッ!」
「城のウィザードに尋ねてみるか? 何か良い案はないかって」
「恐らく彼らは、当てにならないでしょう。正直言って、知識においては吾輩の方が遥かに上ですッ!」
「となると・・・、冒険者に手当り次第聞くか? あいつらの知識は馬鹿にできねぇぞ」
ふむ、と頷いてビャクヤは考える。
(冒険者ですかッ! 悪くないッ! 吾輩はこれまでッ! 遺跡守りの追跡を逃れる冒険者を幾人か見てきたッ! 彼らならば、もしかしてッ!)
「思い立ったが吉日ッ! 早速廊下をウロウロしているであろう、暇そうな衛兵にッ! 冒険者の事を聞いてみますかッ!」
ビャクヤは窓際からツカツカと歩いて、部屋のドアを開けると、予想通り衛兵が廊下を見回りをしていた。
「そこの君達ぃッ!」
仮面のメイジに呼び止められた衛兵二人は、退屈だったのか直ぐにビャクヤの元に駆けてくる。
「何でありましょうか? 大魔法使い殿!」
「この国一番の冒険者をばッ! 教えてくれませんかッ!」
樹族の騎士は顔を見合わせた後、少し笑ってビャクヤに答える。
「それでしたら、バトルコック団がそうですよ? 大魔法使い殿」
「なんとッ! 灯台モトクラシー!」
「大正デモクラシーみたいに言うんじゃねぇよ」
ビャクヤの背後で、サメのような悪魔が意味不明なツッコミをしたので、衛兵二人は軽く会釈して逃げるように巡回業務に戻った。
「あの程度で、この国一番の冒険者かよ・・・。まぁでも、何人かは俺様に殺されるはずの運命に、抗ってはいるしな。クハハ!」
「では早速、オビオ君の部屋にでも行ってみますかッ!」
「お前だけで行け。お土産に羊羹貰ってこい」
オビオの部屋の前で、ビャクヤは悶々としていた。
(なんてッ! タイミングでッ! 吾輩はッ! 来てしまったのかッ!)
部屋の中から聞こえてくるそれは、明らかに恋人同士のイチャイチャであった。
「やめとけって、お前がそんな事する必要はないってば」
「でも、オビオは最近元気がないし・・・。だから手伝わせて?」
「ちょっ!」
――――ぶっぶっぶぼぼぼっ!
「変な音出して吸うなよ!」
「もごもごもご」
ブリッジをして冷静さを保とうとする仮面のメイジを、遠くから巡回中の衛兵が見てギョッとする。
「あの人、何やってんだ?」
「さぁ、天才の考えることはわからん・・・」
奇異の目で見る衛兵たちの視線を気にせず、腕を組んでブリッジをするビャクヤは思いつく。因みにシルクハットは頭の下でひしゃげて潰れている。
(よく考えればッ! 出直してこればッ! いいのでは?)
ブリッジの体勢から立ち上がって、ビャクヤは蛇腹のようになったシルクハットを伸ばす。
すると部屋の中から、オビオの焦る声が聞こえてきた。
「そんなに吸ったら、出るだろうが! あ! あ!」
「もごもごもご」
――――ビュル! ビュル!
「あー、ほら出たー! もー!」
(ホッ! 終わってくれまんしたッ!)
恋人同士の前戯が終わった今のタイミングは、それ程悪いタイミングではないとビャクヤは判断して、ドアをノックする。
「オビオ君ッ!」
「わぁぁぁ!」
ドタバタと中で慌てふためく声が聞こえる。
「フフフッ! 十代だった頃が懐かしいんヌッ!」
ビャクヤもリンネと、若い頃は所構わずそういう事をした経験がある。キリマルに見つかって、何度呆れられただろうか?
「ど、どうぞ!」
部屋の中からオビオの声が聞こえ、ビャクヤは多少ドキドキしながらも、ドアを開ける。
「クサッ!」
部屋に漂う臭いは、男女の営みのような生々しいものではない。妙に香ばしく、馴染みのない匂いだった。
「換気したんだけどね。やっぱり臭いよな」
「何をしていたのですッ?」
オビオは小さな七輪とその上のクッキーのような物を見せた。
「煎餅を焼いていたんだけど、サーカが火吹き竹を吹かずに、吸っちゃってさ。咽て逆に穴からヨダレを射出するわ、炭火を消すわで、煎餅を焼くのを失敗しちゃったんだ」
「火吹竹を使うのは初めてなんだから、仕方ないだろ!」
顔を真赤にするサーカを見て、ビャクヤは自分の勘違いに可笑しくなり、尻をつねって笑いを堪えた。
「それで、何の用だい?」
「樹族国で一番の冒険者が、バトルコック団と聞いてッ! 頼みがありまんもすッ!」
「なに?」
オビオは樹族国史上、最速でS級冒険者になった自覚があまりない。冒険者としての名誉は、旅先で皆から好意を向けられる便利な評判、程度にしか考えていない。
「実は我々は、Qを何とかしようと考えているのですッ!」
「まさか、Qを殺そうと思ってんじゃないだろうな?」
オビオの目は険しくなる。その目は、過去にQを守って变化した古竜の時のそれである。
「吾輩ッ! 白ローブのメイジだと言ったはずですよ? そんな事をほッ! するわけないでしょうッ!」
「だよな。ごめんごめん。で、俺に何を頼むんだ?」
「実は・・・。カクカクシカジカ」
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