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キリマルの涙
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流れ込む兄の記憶に混乱するアマリを落ち着かせようと、肩に触れるとアマリの記憶が俺にも流れ込んできた。
記憶は俺に映画でも見させるかのように、過去を脳内に映し出す。
灯りの落ちた暗い研究所で、自我の芽生え始めたアマリは怯えていた。
「ここはどこ? 私は誰? 怖い! 怖いよぉ!」
まぁ怯えるのも無理はねぇ。
普通は周りに親兄弟がいて、愛情を注がれたり、絆を築いたりして、自我や人格を形成していくものだ。
だがいきなり研究所なんかで、ある程度知能を持ったまま生まれたら、恐怖以外の何物でもないわな。
「ここはディヴァイン研究所だ。妹よ」
野太い声が聞こえてきた。これは間違いなくワイルダーの声だ。視点が彼なせいか自身の姿は見えない。
「私の・・・、にぃに・・・、なの?」
「ああ、そうだ。お前の・・・。に、にぃにだ。何も怖い事はないぞ、妹よ。暫くここでじっとしていれば、色々と知識が身につく。退屈なら、にぃにが昔話をしてやろう。昔々あるところに、ハイヤット・ダイクタ・坂本爺ぃとナビ婆ぁがおりました・・・」
急に場面が変わって、ワイルダーは電脳空間を漂っている。
空間のあちこちにホログラムモニターが浮かんでおり、ワイルダーはその中の一つを注視していた。
「俺を監視しているつもりかもしれねぇが、逆にお前たちの情報網をハッキングしてやったぞ。退屈だとこういう時間が幾らでもあるんだわ。ガハハ!」
ワイルダーはひとしきり笑って、ホログラムモニターの向こう側にいる樹族同士の話に集中した。
「博士は、あの刀を握ろうともしないじゃないか!」
「博士にしてみれば、魔刀天邪鬼はまだ未完成なんだそうだ。人型がどうのこうの言っていたが、私には理解ができなかった」
「あれには竜の時代の呪いが込められてあるんだぞ! 全ての願いを逆にするという貴重な呪いの巻物を使ったんだ! 竜の時代にエルダードラゴンが作り出したものだ! それを探し出すのにどれだけ苦労したか!」
「やはり穏便にやろうとしたのがいけなかったのだよ。神の地位をゆっくりと貶めるなんてのは遠回り過ぎた。そもそも博士に呪いが効くのかどうかも怪しい。あの人は魔法も見えていなければ感じる事もない。魔法無効化の能力者だ。だからあのゴーグルで魔法を可視化できるようにしてあるんだよ」
へぇ、博士はヒジリと同じく魔法を無効化するのか。あのゴーグルは魔法を見るためのものだったんだな。やはりヒジリと博士は似ている。博士がヒジリと違うのはマジックアイテムを持っても壊さないって事ぐらいか。
「もう強行突破に出るしかないな。天邪鬼に更に一つ、竜の時代の貴重な呪いをかける」
「それはなんだ?」
「攻撃した対象の知識を吸い出す呪いだ。そして知識を吸われた者は自我を失う。生きた屍状態になるのだ。博士の知識さえあれば俺たちに神は必要ない」
「上手くいくのか?」
「さっき言ったように博士に呪いが効くかどうかがわからん。博士の厄介な特性以外にもリスクがある」
「というと?」
「この呪いは一回限りだ。攻撃対象を間違えればもう使えなくなる」
「厳しいな・・・」
「だが、やってくれるだろう? この任務は【姿隠し】の魔法が使える君が適任なのだ」
「ああ、やってやるさ。俺たちの未来のために、な。博士には必ず神の舞台櫓から降りてもらわなければならん」
「頼むぞ。天邪鬼は直前に渡す。それまで体調を崩したりするなよ?」
「わかった。では俺は用事があるのでいく」
「うむ」
音をさせずに歩き去る仲間の背中を見つめながら、もう一人の樹族は冷たい目をして笑う。
「呪いというのはどんなものでも装備者の精神を蝕むものだよ。彼が呪いに疎くて助かった・・・」
そういうとこだぞ。お前らが博士に独立させてもらえないのは。
裏でコソコソやって仲間ですら裏切る。俺は人を殺しはするが、こういう謀は嫌いなんだわ。樹族を見ていると元居た世界のクソ人間どもを思い出すぜ。
「お兄ちゃんを殺したのは私だった・・・」
場面が暗転してどこからかアマリの声が聞こえる。
「お前のせいじゃねぇだろ」
「でも直接お兄ちゃんを殺したのは、私だった!」
俺は長かったのか短かったのかわからない白昼夢から目を覚ますと、アマリの頭を撫でた。
「全ては樹族のせいだ。お前が気に病むことなんてことは、これっぽっちもねぇんだ」
アマリは頷くと声を押し殺して、俺の胸の中で泣いている。
俺はアマリの頭を何度も撫でながら、博士に今見たワイルダーの記憶を話した。
「ワイルダーは死んだ。相手の知識や記憶を吸って尚且つ人格を破壊する呪いを、樹族が天邪鬼に籠めていたせいだ。それで奴らは博士の知識を盗もうとしていたんだわ」
「なんと・・・。ではワイルダーは身を挺してワシを庇ったのか?」
「ああ、ワイルダーは樹族の企みを、奴等の監視ナノマシンを逆にハッキングすることで知っていたんだわ」
「ではなぜワシに言わんかったんじゃ! 知っておればワイルダーは死ぬことはなかった!」
「ワイルダーだってすべての監視ナノマシンをハッキングできるわけじゃなかったんだろう。監視されている博士の近くでそれを言えばすぐに樹族にバレる。そうなれば樹族は手段を変えて・・・、もっと最悪な一手を打ってきたかもしれねぇ」
俺の話を聞いた博士はがっくりと肩を落とす。
「はぁ・・・。ワシにもっと人望があれば・・・。ほぼナチュラルとして生まれてきたワシに、元々人望なんてなかったのかもしれん。強化人間として生まれておれば、皆を魅了して平和裏のうちに統治できたはずじゃ・・・。この新天地でワシは樹族に頼りにされて、嬉しくてついつい甘やかしてしまった・・・。その結果がこれじゃ。まぁ、ぐじぐじ言っても仕方ないの。けじめを付けに行くか」
博士が転移ポッドに向かおうとしたので俺は呼び止めた。
「転移ポッドは使わない方がいいぜ。使えば転移データとして分解された後、二度と再構成できねぇような罠になっている。ハイドがそう呟いていたぜ? 馬車かなんかで行くんだな」
「なんと! お前さんには世話になりっぱなしじゃな、キリマル。では飛空艇で要塞まで行くとするかの。悪いがこの研究所の混乱が収まるまで、皆の事を頼んでもいいかな?」
「ああ。残党を殺せって事か?」
「殺す必要はない。捕まえて牢屋にでも入れておいてくれ」
「わかった」
博士は俺に握手すると、護衛のオーガを伴って飛空艇のある上階へと向かった。
博士を見送ってから、俺はまだ胸の中で泣くアマリに言う。
「アマリ、もう泣くんじゃねぇ。お前の兄貴の人格は、どこかにバックアップしているかもしれねぇだろ」
「きっとある。だけど・・・それはもうワイルダーお兄ちゃんじゃない。基本的に積み重ねてきた経験や記憶は、外部にバックアップしないから・・・」
オンリーワンの武器ってわけか。神シリーズは博士が中二病な趣味で作った感があるからな・・・。戦闘データ収集などの目的ではなさそうだしよ。
「さてこれからどうしたものかねぇ・・・」
蘇らなかった死者を抱き抱えて悲しむ者がいる中で、俺は床に冷たく横たわるカナとミドリを見た。
親子共々、悔いはないという安らかな顔をして死んでいる。そんなに博士の命が大事なのかよ。自分の命よりも・・・。
やはり二人の死は俺の胸をチクチクと刺す。なんだこの気持ちは・・・。
「カナとミドリを殺したのはどいつだ?」
俺は近くにいた仲間の死を悲しむ魔人族に訊いた。こいつは吸魔鬼の触手に捕まっていた奴だ。
「乱戦だったからよくわからないけど、カナは博士を守ってビームダガーで貫かれたんだ。ここにいる謀反者は全員オーガに殺された」
「そうか・・・」
な~んか、イライラする。俺の玩具を取り上げた奴が、俺の仕返しを待たずして、車に撥ねられたような気分だ。
怒りがドブ川の淀みのように腹の底に溜まってきた・・・。
「・・・だったらよぉ! 謀反者を蘇らせて!! 全員拷問してやんよ!」
オーガに殺された樹族は分かり易い。大体頭を粉砕されたり、胴体をねじ切られたりしている。だから俺はさっきそいつらを蘇らせなかった。うっかりと蘇らせた謀反者はすぐに研究員の魔法で捕縛されている。
「そして何度でも殺してやるぜ! 何度でもなぁ!」
俺は狂気じみた笑いで笑っているつもりだったが、なぜか涙を一粒零していた。
あの二人に俺は知らず知らずのうちに、絆を感じていたのだろうか? 出会って大して時間も経っていないというのに?
どうして俺はこんな甘ちゃんになったんだ?
「キリマル・・・」
見るな。俺を見るんじゃねぇ、アマリ。俺は二人の死に悲しんではいねぇ。悔しいだけなんだ。
大事な玩具を壊されて悔しいだけだ・・・。
記憶は俺に映画でも見させるかのように、過去を脳内に映し出す。
灯りの落ちた暗い研究所で、自我の芽生え始めたアマリは怯えていた。
「ここはどこ? 私は誰? 怖い! 怖いよぉ!」
まぁ怯えるのも無理はねぇ。
普通は周りに親兄弟がいて、愛情を注がれたり、絆を築いたりして、自我や人格を形成していくものだ。
だがいきなり研究所なんかで、ある程度知能を持ったまま生まれたら、恐怖以外の何物でもないわな。
「ここはディヴァイン研究所だ。妹よ」
野太い声が聞こえてきた。これは間違いなくワイルダーの声だ。視点が彼なせいか自身の姿は見えない。
「私の・・・、にぃに・・・、なの?」
「ああ、そうだ。お前の・・・。に、にぃにだ。何も怖い事はないぞ、妹よ。暫くここでじっとしていれば、色々と知識が身につく。退屈なら、にぃにが昔話をしてやろう。昔々あるところに、ハイヤット・ダイクタ・坂本爺ぃとナビ婆ぁがおりました・・・」
急に場面が変わって、ワイルダーは電脳空間を漂っている。
空間のあちこちにホログラムモニターが浮かんでおり、ワイルダーはその中の一つを注視していた。
「俺を監視しているつもりかもしれねぇが、逆にお前たちの情報網をハッキングしてやったぞ。退屈だとこういう時間が幾らでもあるんだわ。ガハハ!」
ワイルダーはひとしきり笑って、ホログラムモニターの向こう側にいる樹族同士の話に集中した。
「博士は、あの刀を握ろうともしないじゃないか!」
「博士にしてみれば、魔刀天邪鬼はまだ未完成なんだそうだ。人型がどうのこうの言っていたが、私には理解ができなかった」
「あれには竜の時代の呪いが込められてあるんだぞ! 全ての願いを逆にするという貴重な呪いの巻物を使ったんだ! 竜の時代にエルダードラゴンが作り出したものだ! それを探し出すのにどれだけ苦労したか!」
「やはり穏便にやろうとしたのがいけなかったのだよ。神の地位をゆっくりと貶めるなんてのは遠回り過ぎた。そもそも博士に呪いが効くのかどうかも怪しい。あの人は魔法も見えていなければ感じる事もない。魔法無効化の能力者だ。だからあのゴーグルで魔法を可視化できるようにしてあるんだよ」
へぇ、博士はヒジリと同じく魔法を無効化するのか。あのゴーグルは魔法を見るためのものだったんだな。やはりヒジリと博士は似ている。博士がヒジリと違うのはマジックアイテムを持っても壊さないって事ぐらいか。
「もう強行突破に出るしかないな。天邪鬼に更に一つ、竜の時代の貴重な呪いをかける」
「それはなんだ?」
「攻撃した対象の知識を吸い出す呪いだ。そして知識を吸われた者は自我を失う。生きた屍状態になるのだ。博士の知識さえあれば俺たちに神は必要ない」
「上手くいくのか?」
「さっき言ったように博士に呪いが効くかどうかがわからん。博士の厄介な特性以外にもリスクがある」
「というと?」
「この呪いは一回限りだ。攻撃対象を間違えればもう使えなくなる」
「厳しいな・・・」
「だが、やってくれるだろう? この任務は【姿隠し】の魔法が使える君が適任なのだ」
「ああ、やってやるさ。俺たちの未来のために、な。博士には必ず神の舞台櫓から降りてもらわなければならん」
「頼むぞ。天邪鬼は直前に渡す。それまで体調を崩したりするなよ?」
「わかった。では俺は用事があるのでいく」
「うむ」
音をさせずに歩き去る仲間の背中を見つめながら、もう一人の樹族は冷たい目をして笑う。
「呪いというのはどんなものでも装備者の精神を蝕むものだよ。彼が呪いに疎くて助かった・・・」
そういうとこだぞ。お前らが博士に独立させてもらえないのは。
裏でコソコソやって仲間ですら裏切る。俺は人を殺しはするが、こういう謀は嫌いなんだわ。樹族を見ていると元居た世界のクソ人間どもを思い出すぜ。
「お兄ちゃんを殺したのは私だった・・・」
場面が暗転してどこからかアマリの声が聞こえる。
「お前のせいじゃねぇだろ」
「でも直接お兄ちゃんを殺したのは、私だった!」
俺は長かったのか短かったのかわからない白昼夢から目を覚ますと、アマリの頭を撫でた。
「全ては樹族のせいだ。お前が気に病むことなんてことは、これっぽっちもねぇんだ」
アマリは頷くと声を押し殺して、俺の胸の中で泣いている。
俺はアマリの頭を何度も撫でながら、博士に今見たワイルダーの記憶を話した。
「ワイルダーは死んだ。相手の知識や記憶を吸って尚且つ人格を破壊する呪いを、樹族が天邪鬼に籠めていたせいだ。それで奴らは博士の知識を盗もうとしていたんだわ」
「なんと・・・。ではワイルダーは身を挺してワシを庇ったのか?」
「ああ、ワイルダーは樹族の企みを、奴等の監視ナノマシンを逆にハッキングすることで知っていたんだわ」
「ではなぜワシに言わんかったんじゃ! 知っておればワイルダーは死ぬことはなかった!」
「ワイルダーだってすべての監視ナノマシンをハッキングできるわけじゃなかったんだろう。監視されている博士の近くでそれを言えばすぐに樹族にバレる。そうなれば樹族は手段を変えて・・・、もっと最悪な一手を打ってきたかもしれねぇ」
俺の話を聞いた博士はがっくりと肩を落とす。
「はぁ・・・。ワシにもっと人望があれば・・・。ほぼナチュラルとして生まれてきたワシに、元々人望なんてなかったのかもしれん。強化人間として生まれておれば、皆を魅了して平和裏のうちに統治できたはずじゃ・・・。この新天地でワシは樹族に頼りにされて、嬉しくてついつい甘やかしてしまった・・・。その結果がこれじゃ。まぁ、ぐじぐじ言っても仕方ないの。けじめを付けに行くか」
博士が転移ポッドに向かおうとしたので俺は呼び止めた。
「転移ポッドは使わない方がいいぜ。使えば転移データとして分解された後、二度と再構成できねぇような罠になっている。ハイドがそう呟いていたぜ? 馬車かなんかで行くんだな」
「なんと! お前さんには世話になりっぱなしじゃな、キリマル。では飛空艇で要塞まで行くとするかの。悪いがこの研究所の混乱が収まるまで、皆の事を頼んでもいいかな?」
「ああ。残党を殺せって事か?」
「殺す必要はない。捕まえて牢屋にでも入れておいてくれ」
「わかった」
博士は俺に握手すると、護衛のオーガを伴って飛空艇のある上階へと向かった。
博士を見送ってから、俺はまだ胸の中で泣くアマリに言う。
「アマリ、もう泣くんじゃねぇ。お前の兄貴の人格は、どこかにバックアップしているかもしれねぇだろ」
「きっとある。だけど・・・それはもうワイルダーお兄ちゃんじゃない。基本的に積み重ねてきた経験や記憶は、外部にバックアップしないから・・・」
オンリーワンの武器ってわけか。神シリーズは博士が中二病な趣味で作った感があるからな・・・。戦闘データ収集などの目的ではなさそうだしよ。
「さてこれからどうしたものかねぇ・・・」
蘇らなかった死者を抱き抱えて悲しむ者がいる中で、俺は床に冷たく横たわるカナとミドリを見た。
親子共々、悔いはないという安らかな顔をして死んでいる。そんなに博士の命が大事なのかよ。自分の命よりも・・・。
やはり二人の死は俺の胸をチクチクと刺す。なんだこの気持ちは・・・。
「カナとミドリを殺したのはどいつだ?」
俺は近くにいた仲間の死を悲しむ魔人族に訊いた。こいつは吸魔鬼の触手に捕まっていた奴だ。
「乱戦だったからよくわからないけど、カナは博士を守ってビームダガーで貫かれたんだ。ここにいる謀反者は全員オーガに殺された」
「そうか・・・」
な~んか、イライラする。俺の玩具を取り上げた奴が、俺の仕返しを待たずして、車に撥ねられたような気分だ。
怒りがドブ川の淀みのように腹の底に溜まってきた・・・。
「・・・だったらよぉ! 謀反者を蘇らせて!! 全員拷問してやんよ!」
オーガに殺された樹族は分かり易い。大体頭を粉砕されたり、胴体をねじ切られたりしている。だから俺はさっきそいつらを蘇らせなかった。うっかりと蘇らせた謀反者はすぐに研究員の魔法で捕縛されている。
「そして何度でも殺してやるぜ! 何度でもなぁ!」
俺は狂気じみた笑いで笑っているつもりだったが、なぜか涙を一粒零していた。
あの二人に俺は知らず知らずのうちに、絆を感じていたのだろうか? 出会って大して時間も経っていないというのに?
どうして俺はこんな甘ちゃんになったんだ?
「キリマル・・・」
見るな。俺を見るんじゃねぇ、アマリ。俺は二人の死に悲しんではいねぇ。悔しいだけなんだ。
大事な玩具を壊されて悔しいだけだ・・・。
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