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第四章 剣血喝祭篇

第百十三話「星を穿つもの」

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 任務 ロスト・ゼロ作戦の成功
 遂行者 黒神大蛇、白神亜玲澄、エレイナ・ヴィーナス、武刀正義、カルマ、エイジ、ミスリア・セリウス、クロム・セリウス


 スタニッシュリング。この神器ゆびわは、かつてヴェルサイユ宮殿を建てたルイ14世が『ヴェルサイユの失敗作』と呼ばれた今亡きシンデレラ宮殿に対する慈悲としてこの指輪を宮殿の象徴として置いたとされている。
 その指輪に秘められた力は『天神之光陽エクスソフィア』と呼ばれる始祖神の加護の一つである太陽の力が宿されている。
 その加護の強さ故に、ルイ14世が『太陽王』と呼ばれたとされている。

 そして今は怪盗パンサーから時の神へ。神話上『戦神』と呼ばれたアレスはついに時と太陽の力を手に入れたのだ。『二重人格ダブルフェイサー』と共に――


「さぁ……死んじまう前にさっさとリタイアしたらどぉぉだああっ!!??」
「くっ……避けられないなら押し通すまでだ!」
「ちょ、ベディヴィエル! そんなの無茶だわ。速く転移魔法で……」
「ここで一気に強者を落とした方が都合がいいだろう?」

 不思議とベディヴィエルが余裕の笑みをカペラに見せつけ、両足で飛んで太陽に向かって聖剣を突き刺す。

「私の真の力……神であろうと舐めると痛い目見るぞ!」
「へぇ……その神器程度で止められると思ってんのか!?」
「やってみるさ……学園一の名にかけてな」

 ベディヴィエルの聖剣の先端が徐々に食い込んでいく。それと同時に太陽も少しずつベディヴィエルを飲み込もうとする。

「焼き尽くしてやる……!」
「このまま君を太陽ごと穿つ……『暴魔之虐殺ヘルグレイヴ』!」

 刀身が禍々しいオーラをまとい、黒点の如く太陽を少しずつ黒に染める。

「沈め……今は月が昇る時だ!」
「まだ夏だからなぁ……沈むにはまだ速すぎるぜぇぇ!!」

 ……確実に聖剣が太陽を深々と貫いている。まずい、このままでは亜玲澄が殺される。速く止めなければ。

「そこだ……『星穿之星屑コスモボルグ』!!」

 刹那、一直線に星屑の槍が太陽を一瞬にして穿つ。

「マジかっ……!!」

 再び太陽を精製するよりも速く星屑が目の前にまで迫ってきて――









「――消えよ、厄災の星よ!」

 ……誰だ。誰の声だ。でも何故か聞き覚えのある声だった。大蛇にとっては。

「『暴無闇喰ぜーファゲイド』!!」

 漆黒の鎧を身に纏う少女が亜玲澄の目の前に突如として現れ、両手から波打つように闇が星屑に襲いかかっては飲み込んでいく。

「な、何だあれは……」
「ベディヴィエル!」

 カペラが瞬時に空間を歪ませるも、闇は歪みさえも呆気なく飲み干す。

「――!!」
「……私はエリミネイト。あらゆる歪みを殺し、全てを喰らう」
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