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若奥様は身重です! 43

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あら?私ったら妊娠中で家族で一番ゆっくりしてるわ。
ラーラルーナ様って次期領主の妻から次期公国主の妻、公国妃殿下って立場かぁ……ターイヘーンじゃーん!てか、私は小姑は小姑でも次期公国主妹姫って立場かぁ……面倒くさ!
別居するにしても場所をきちんと選定して、職人を送って邸を建てる……にしても数年は掛かる大仕事なのよね……
設計にも希望出したりとかしないとだけど、土地の選定が決まってないからまだまだよね!
……って輿入れするラーラルーナ様にお祝いの品を何も考えて無かった……
クッ!ぬかったわ!いや、私にはルークという得難い情報源がいる!

「ルーク、食べてる最中にごめんなさい。ちょっと良いかしら?」

モリモリ赤いチキンを食べてるけどキニシナイ!

「ん?なんだ?」

一旦チキンを置いて私に促してくれるルーク、さすがです!

「ラーラルーナ様へのお祝いの品、何が良いかと思って。喜んで貰いたいし、好みの物があれば用意したいと思って」

炭酸をゴキュゴキュと飲んでフーッとため息にも似た様な息を吐いた。
あれ?微妙に難しい顔してるけど、良くない質問だった?

「推しグッズ……と言いたい所だが、それはどうかと思ってる。あー……そのー……言いにくいんだが、生前の最推しは俺だったから……」

ガッ!と両手で頭を押さえて天を仰ぐ。

「それじゃあダーメだぁ!どうする……どうすればいい……」

「いや……あの、そこまでショック受ける事なのか?」

ギッ!と体勢を立て直してルークを見る。ショック受けるに決まってるでしょう!

「毎日最推し見る生活になるのよ!最高じゃない!推し以外で喜びそうな物なんて……ぬい……?ぬいでも作ったら良いの?フィギュアはムリ。仮にも姉になる人のプライベートルームに夫が飾られてるとかムリ……あー!それ言ったらぬいもムリィィィ!」

叫んじゃったわよ……だって推しが夫とかムリゲーじゃん。

「あの……エリーゼ様。帝国のご令嬢ですし、公国のちょっと珍しい物とかではいけませんか?」

アニスからありがたい助言が……って珍しい物?それはお母様が用意してる気が……

「いや、公国の珍しい物は義母上があれこれ用意してるんじゃないか?むしろ島で生産している物の方が良いんじゃないか?後は島で作った防寒具とか?」

「それよ!ルーク!あったか系の高級寝具とかよ!」

今から公国は夏を迎えますが、婚姻式は秋なのであったか系高級寝具は喜ばれるはず!
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