婚約破棄されまして(笑)

連載

若奥様は身重です！ 42

「む！これは！……美味い！そして辛い！」

ルークよ……褒め言葉だって分かるよ……めちゃくちゃ嬉しそうだしね！
さすがに激辛はたべるのに躊躇するわ……
あ！パウダーかけ……かけ過ぎじゃない？真っ赤なのに更に赤みが増したわよ……

「俺は挑戦するぜぇ……」

え？何のスイッチ入ったの？ワイルドのスイッチなの？ぜぇ……って……

「ぬっ！」

齧り付いてグッ！と顔を顰めたけど、一瞬だったわ！モグモグして飲み込んた後の至福～みたいな顔になったわ……ドユコト？

「堪んねぇ！サ飯に持って来いな辛さだぜ！」

「サ飯……？」

聞いた事の無い言葉が出て来ました。サービス飯？じゃないわね。何かしら？

「ああ！サウナ飯だよ。サウナで効率よく汗をかくための食事だな、辛い物が多いんだが激辛から旨辛までと巾広いんだけど、サウナ通いでサ飯の激辛にハマってさ……いやぁ、これは美味い！邸の裏庭の風呂にサ飯も入れてほしいな！サウナあるからさ！」

「そうね。冬場は人気出そうね」

寒いと辛い物が食べたくなるしね。

「いや！年がら年中人気出ると思うな！男は汗をかきたい生き物だからな！な、キース」

「そうですね」

……なんだかんだと仲良いじゃん……それに何よ、男は汗をかきたい生き物って……え？待ってそれは色んな意味で汗を……？

「今、ゲスい顔になったな。間違ってもそっち方面じゃないからな」

「ルーク……残念な事を忘れてしまったかもしれないけど、今年の秋にはラーラルーナ様がうちにお輿入れするから、そっち方面のネタは常時ぶっ込んで来る覚悟はするべきよ」

途端にキョロキョロと視線が目まぐるしく動く。分かりやすくキョドってるわね。

「わ……わわ分かってるとも……覚悟……そうだな覚悟は必要だな！って今秋かぁっ！」

「忘れてたの？」

「いや……忘れてない……後数カ月で来ちゃうのか……」

「そうね。お母様はその準備でのっぴきならない状態よ。私がお手伝い出来ないから」

「そうか……」

そうよ！キャスバルお兄様の居る新館左翼は大規模リニューアル中（ラーラルーナ様が来た時にある程度お部屋の好みとかリサーチしましたから！）で壁紙から家具類、リネン類から可能な限り変更しまくってて忙しい。
なのにバッキバキに発展してるエリノユの街はトールお兄様がかかりきり。原因は私ですけどね（笑）
なのでお母様と侍女トリオが婚姻式から我が家で過ごす為のドレスから小物類までを担当して大忙しなんです。
え？お父様は領……国主としての仕事でてんてこ舞いですよ。