上 下
1,374 / 1,402
連載

若奥様は身重です! 36

しおりを挟む
「ふぅ……」

シリアスは疲れるわね。思わずため息ついちゃったわ。

「どうかなさいましたか?」

「どうもしないわ。島は平和で良いわねって思っただけ。ほら、色々やりたい事が沢山あるから、困っちゃうなぁ……って」

「やりたい事ですか?」

「新しい野菜や果物の作付けに列車関係、小間物の生産に新しい料理とか思いつく限りをどんどんやっていくとなったら忙しくて大変かもって」

んー?と考える様な顔をしてからニコッと笑うアニスは癒しです!

「やりたい様にやったら良いと思います!」

「ですー!」

「ですー!」

前方からも賛同のですー!いただきました!(笑)

キャッキャしながら先導するちびナビちゃん達について歩く。速度はカメ並みです。
でも、そうか……やりたい様にやれば良いのか。なるほど。
それで公国民が豊かになって、公国を治める私達も豊かになる訳だから良いよね!
民は国力の基礎だと前世のお爺ちゃんが良く言ってた。
民が豊かであれば子を産むし、子が増えても豊かさが損なわなければ更に子が増えてく。豊かな民が学を修めて行けば国に還元され、更に国は豊かになっていく。
もし民が貧しければ子は増えず、貧しさは更に貧しさを呼ぶ。子が少なければ国のあらゆる所が貧しくなっていく。
だから少しでも豊かになる様に努力しなければならないよ。自分だけが豊かでいられる事なぞ無い。誰かと力を合わせ豊かな暮らしを手に入れ、学を修め豊かになる為に日々を送るのだよ……と。
勉強はムダにはならない、努力もしかり。物だけでなく心も豊かであれと育ててくれたお爺ちゃん……自然溢れる山の中だけど、便利な機器も沢山用意してくれてた。お金の増やし方も教えてくれた。
信じられない程の遺産に形見。でも一番の財産はお爺ちゃんの教えとお婆ちゃんの教え。
あくせく働かなくても生きていけるお金は私の生活を支えてくれたし、お爺ちゃんが教えてくれた英語やドイツ語やフランス語はどこにでも行けた、お婆ちゃんの教えはどこに行っても困らない作法やマナー。そんな二人からたっぷりの愛情は両親を亡くした私の寂しさを癒やしてくれた。
二人が亡くなるまで良く知らなかった事も、葬式後に親族から明かされどれだけ驚いた事か。
この世界でエリーゼとして折れずに頑張ってこれたのはきっとお爺ちゃんとお婆ちゃんの教えもあったのかなって思ってる。
私は沢山の人に愛されて生きてる。
それは分かりづらくて後になって分かる事もある位に難しい。
元気で生きてられるって、沢山の人に愛されてる事。
神様の愛があるから、この世に生まれてこれたんだなって思ってる。
しおりを挟む
感想 5,614

あなたにおすすめの小説

離縁を告げに

豆狸
恋愛
「バーレト子爵、ファティマを呼び捨てにするのは止めてくれないか」 「止めるのは君のほうだろう。ファティマは私の妻だ。妻を呼び捨てにしてなにが悪い」 「……ヒカルド様? 私達は二年前に離縁していますが」 なろう様でも公開中です。

【短編】捨てられた公爵令嬢ですが今さら謝られても「もう遅い」

みねバイヤーン
恋愛
「すまなかった、ヤシュナ。この通りだ、どうか王都に戻って助けてくれないか」 ザイード第一王子が、婚約破棄して捨てた公爵家令嬢ヤシュナに深々と頭を垂れた。 「お断りします。あなた方が私に対して行った数々の仕打ち、決して許すことはありません。今さら謝ったところで、もう遅い。ばーーーーーか」 王家と四大公爵の子女は、王国を守る御神体を毎日清める義務がある。ところが聖女ベルが現れたときから、朝の清めはヤシュナと弟のカルルクのみが行なっている。務めを果たさず、自分を使い潰す気の王家にヤシュナは切れた。王家に対するざまぁの準備は着々と進んでいる。

【短編】復讐すればいいのに〜婚約破棄のその後のお話〜

真辺わ人
恋愛
平民の女性との間に真実の愛を見つけた王太子は、公爵令嬢に婚約破棄を告げる。 しかし、公爵家と国王の不興を買い、彼は廃太子とされてしまった。 これはその後の彼(元王太子)と彼女(平民少女)のお話です。 数年後に彼女が語る真実とは……? 前中後編の三部構成です。 ❇︎ざまぁはありません。 ❇︎設定は緩いですので、頭のネジを緩めながらお読みください。

酒の席での戯言ですのよ。

ぽんぽこ狸
恋愛
 成人前の令嬢であるリディアは、婚約者であるオーウェンの部屋から聞こえてくる自分の悪口にただ耳を澄ませていた。  何度もやめてほしいと言っていて、両親にも訴えているのに彼らは総じて酒の席での戯言だから流せばいいと口にする。  そんな彼らに、リディアは成人を迎えた日の晩餐会で、仕返しをするのだった。

もう終わってますわ

こもろう
恋愛
聖女ローラとばかり親しく付き合うの婚約者メルヴィン王子。 爪弾きにされた令嬢エメラインは覚悟を決めて立ち上がる。

巻き戻ったから切れてみた

こもろう
恋愛
昔からの恋人を隠していた婚約者に断罪された私。気がついたら巻き戻っていたからブチ切れた! 軽~く読み飛ばし推奨です。

【短編】婚約破棄?「喜んで!」食い気味に答えたら陛下に泣きつかれたけど、知らんがな

みねバイヤーン
恋愛
「タリーシャ・オーデリンド、そなたとの婚約を破棄す」「喜んで!」 タリーシャが食い気味で答えると、あと一歩で間に合わなかった陛下が、会場の入口で「ああー」と言いながら膝から崩れ落ちた。田舎領地で育ったタリーシャ子爵令嬢が、ヴィシャール第一王子殿下の婚約者に決まったとき、王国は揺れた。王子は荒ぶった。あんな少年のように色気のない体の女はいやだと。タリーシャは密かに陛下と約束を交わした。卒業式までに王子が婚約破棄を望めば、婚約は白紙に戻すと。田舎でのびのび暮らしたいタリーシャと、タリーシャをどうしても王妃にしたい陛下との熾烈を極めた攻防が始まる。

やめてくれないか?ですって?それは私のセリフです。

あおくん
恋愛
公爵令嬢のエリザベートはとても優秀な女性だった。 そして彼女の婚約者も真面目な性格の王子だった。だけど王子の初めての恋に2人の関係は崩れ去る。 貴族意識高めの主人公による、詰問ストーリーです。 設定に関しては、ゆるゆる設定でふわっと進みます。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。