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若奥様は身重です! 35

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「マスター!サブマスターに合流するように連絡するですー?」

「サブマスター達島に来たですー!」

あら、意外と早く来たわね。

「そうね、連絡してくれる?」

「はいですー!」

「サブマスターに近い仲間が行ったですー!」

「え?仲間が行った?」

「私達は意識や記憶等を即時共有するので、すぐに対応出来るですー!」

……そうかな?と思ってたけどまさか本当にそうだとは……

「そうなのね」

「はいですー!」

ニコニコして答えるちびナビちゃん達に内心ビビリながら笑顔を向ける。
そりゃあ熟練度も爆上がりですわ。
とにかく王都発のキャットファイトショー?のお店はそのうちって事で落ち着いたし……落ち着いたの?うちでは風俗営業系がアウトだからキャットファイトなら取り締まりにも引っかからないからって誰かが始めたのかしら?その辺りは一度調査して貰った方が良いのかもしれない。
そんな事をつらつらと考えてるうちに時間は流れてく訳で……

「連絡取れたですー!」

「ちょっぱやで向かうとの事ですー!」

「マスターはお店変えるですー?」

「そうね、変えましょうか」

メニュー的には一応から揚げとかあるけど、求めているファストフード感からはちょっと離れている。求めているのはアメリカ西部的な店内とフライドチキンなので!
ゆっくりと立ち上がって案内役をしてくれる気満々のちびナビちゃん達と連れ立ってお店を後にする。
島はお会計無いのが楽ね……と言うか、お店の体をしているだけでごっこ遊びに近い。
でも、それがイイ!

「こういうの良いですね」

アニスのつぶ焼き……もとい呟きにチラと顔を見る。

「他に人もいない場所でゆっくり待ち合わせして、一緒に食事する……普段では考えられない事です」

「そうね」

貴族とは色々面倒くさい生活を強いられる。常に誰かの目があり、誰かの手を煩わせて生きている。
それが貴族の生活だから仕方ないとしか言えない。
本当は誰かの手を借りなくても生活は出来る。でも、それをしたら働きたい者が困る。
軽作業の仕事から専門職まで幅広い職種が貴族の生活を支えてる。その働き手に給金を渡して生活が出来るようにしている。
ギブアンドテイクだと私は思ってるけど、中には大した給金も渡さずに支えさせるばかりの貴族もいる。
私は少しでも民には豊かな生活をと考えてる。それが貴族として正しいと思ってるから。
可能な限り公国民に様々な道を選べるようにしたい。
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