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慌ただしい日々 27

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「あら、そうね。あの子達へのお土産……沢山買って帰りましょう。……でも困ったわね、帝国でも貴重なお砂糖は領内で生産出来る様になったから甘味の類はお土産には出来ないし……」

帝国の甘味!どんなのか興味あるわ!

「お母様、帝国ではどういった物が甘味なのか見てみたいですわ」

「エリーゼ……エリーゼの作る物と比べれば、地味と言うか素朴な物よ。ただ甘いだけの物よ、それでも良いのかしら?」

「勿論です!だって帝国の甘味ですよ!お土産としてでなければ食べる事は出来ませんよね!」

困った様に微笑んで小さく頷くお母様、可愛い!

「そうね。甘味と言えばエリーゼが作ってくれる物の前は果物や干し桃や蜂蜜でしたものね、帝国の甘味はあの子達には食べさせて無かったわ」

……ん?今、あの子達にはって言いましたか?言いましたよね。
って事は、お母様と侍女トリオはちょいちょい食べてたって事ですか?

「ほほほ……エリーゼったら目が笑ってないわよ。ご褒美として里から送って貰っていたのよ、今では全くの逆よ」

「逆……?」

「少量だけど、松露を送っていたのよ」

「そうでしたか」

だからあんこ……もとい小豆の減りが早かったのか。
松露はあんこと砂糖で出来てるものね。お砂糖の減りは仕方ない事だから……煮物とかさ、和食だとお砂糖とか結構使う物が多いからね……洋食は逆に使わないからデザートがしっかり甘い物で補ってるって聞いたのよね。

「確か帝国で流通してるお砂糖って茶色でしたよね?」

「ええ、そうよ。うちのと違って濃い色味で甘さも違うわね」

材料の違いです、お母様。
いわゆるてんさいとサトウキビの差です。いや……それだけじゃないかも。精製にも問題あるのかも……いや、何か私じゃなくてナビさんがドワーフのおっちゃん達に説明して器具とか道具を発注してたのよね。
作り方も私の体を借りて説明してたしね……いえ、良いんです。私が説明するよりも確かなので。
……難しい話しは私はナビさんに交代して話して貰ってますが、何か?

「ふふっ……帝国の甘味を食べたらビックリするでしょうね。お砂糖の塊みたいな物だもの」

「えっ?!」

お砂糖の塊とはいったい!いや……考えるんじゃない!感じるんだ!お砂糖の塊という言葉の意味を!

……角砂糖とは違うのよね?
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