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慌ただしい日々 20

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二人でまったり控えで過ごしてたんです。ええ、夜会すっぽかして。
かすかに夜会会場から聞こえる音楽を聞きながら二人で過ごすのって、ちょっと罪悪感ある。何か二人して抜け出すスリルみたいなの分かって、なるほど……と納得する。
この世界に二人っきり感がクセになるのね……いや、今はそんな事じゃなくて!

「エリーゼ、大丈夫か?急に黙り込んで……体辛いのか?」

「違うわ。色々思う事があって……デート楽しみだな……とか、夜会からこっそり抜け出すスリルとか多分初めてだから」

「……ん?そうだな。立場があると抜け出す様な真似は出来ないからな。俺も初めてだな、多分」

「ふふっ……二人して多分ってところがね」

「大抵は中盤まではいるだろ?今日みたいな割と最初の方で抜けるのは初めてだな」

ふむ……?と思い返す。確かになんだかんだで中盤位まではいるわね。

「そうかも?」

クスクスと笑い合う。

「このまま部屋に戻りたいわ……」

「そうだな。戻っても良いような気がするな……」

 「さすがにまずくない?」

「だよな……」

トンズラしたい気持ちはあるけど、今まで積み重ねた高い立場故の逃げたらダメだ精神が邪魔をする。
これが下位貴族の下の方とか平民なら、勢いでトンズラしてエンジョイするんだろうけど……うん、ムリ。

「しばらくはここにいよう。それが無難だし何かあっても対処できる」

「そうね」

シーン……

無言になってしまった。
疲れてるとつい無言になっちゃうよね?特に何をした訳でもないけど、緊張してたし久しぶりの宮廷マナーで気持ち的にグッタリ(笑)

「ハァ……久しぶりにマナーとか思い出したらさ、シュバルツバルトってホント自由でさ……気さくな人が多いし、助け合い精神が凄いって言うかさ……古き良き田舎の人みたいな感じがして落ち着くって言うかさ……」

「あー……分かる。でも、助け合わないと死んじゃう事が多いから、環境だよね」

「そうだな……兵士でもなければ大型出たら逃げるしかないもんな……」

シビアな現実が領民の絆の強さに繋がったんだけど、本当はもう少し安全だったら……とか考えちゃう。
そりゃあ魔物除けも少しずつとはいえ強化版を開発してるけど、まだまだだもの……
何だっけ……結界とは違う……結界?いや、結界とか便利だけどオーバーテクノロジーじゃね?うん?
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